土屋龍一郎のブログ

土屋龍一郎のブログです。

戦後60周年はまだ続いているのに・・・

2005-08-21 00:05:56 | Weblog
 台湾紀行は、まだまだ続くのだが、「土屋さんのブログは食べ物のことばかりだ」というご意見もいただいたので、ちょっと休憩。
 
 「今年は戦後60周年の節目の年だ」という大々的なキャンペーンが終戦記念日以降、ぱたりとやんでしまった。
 びっくりだ。
 このブログでも紹介した通り、私も自分なりにこの節目の年にふさわしいけじめとして関連書籍を読むことを宣言した。
 とても終戦記念日に予定されたものを完読していないのでとりあえず、お盆休みの途中経過です。
 「武士道」解題 李登輝
 「新・ゴーマニズム宣言special台湾論」小林よしのり
 「李登輝学校の教え」李登輝
 「台湾の主張」李登輝・・・読書中断中
 「野火」大岡昇平
 「亡国のイージス」福井晴敏
 結構がんばった。
 特に「野火」は大岡氏の経歴から氏のポートレイトと重なって悲惨な戦場の事実があたかも目の前で起きているような錯覚に捕われて一気に読み切った。正常と異常、平和と混乱、国家と個人などの距離感が戦場ではどう見えるのか。戦時下の状況を知る上でこの書籍は私に安易に「平和」などと口にさせない重い邂逅であった。
 「亡国のイージス」は巻末の解説で切通理作氏が挙げている通り、私もかわぐちかいじ氏の「沈黙の戦艦」を思い起こしながらこの本を読んだ。産經新聞が積極的に映画を宣伝しているとおり、この戦後60周年たった日本の軍備を再考するきっかけになる書籍だ。
 上下巻をあわせて文庫本で1100ページもあるが、これから読む人は注意されたし。
 下巻はたっぷり時間がある時に読むべし。
 あまりに矢継ぎ早に戦いが展開されてゆくので「ここで止めよう」ということができない。
 私もついあさ5時までかけて一気に読了してしまった。
 おっさんには体力的にも思想的にも危険だ。

台湾紀行9 欣欣魚翅坊のフカヒレスープ

2005-08-19 00:42:25 | これを喰わず
 これで台湾料理も喰い納め、帰国前夜の贅沢をしようということで、ハッキリ言ってもう血液が胃に集中して感覚が麻痺しているなかでガイドブックから選んだのが「欣欣魚翅坊のフカヒレスープ」だ。
 『看板メニューはフカヒレてんこ盛り・・・』と書いてこちらに迫ってくる写真までついている。
 フカヒレというのはスープの中を注意深く探して、まるでお風呂にただよう髪の毛をすくうように、「あったあった」などと言いながら飲むものだと思っていたのに「てんこ盛り」とはなんぞや?
 タクシーに思いきり遠回りされて乗った場所から1kmのお店に到着した。
 「どうせなら一番でかいの頼もうぜ」と、時代錯誤の成金になった我々は、「黄金ふかひれ特大」と書かれたフカヒレスープを人数分3皿注文した。
 お店の女性も「まあ、これくらい食べる人もいるよ」という大きさらしい。
 18cmくらいある土鍋にぐつぐつと煮えたスープが3皿運ばれてきた。
 ほ・ん・と・う・に、てんこ盛りだった。
 ひれの形をしてるんだぜ。
 それが折り重なるように、これでもかこれでもかと脅すようにスープの中で煮えている。
 「こんなに食べれないよ」などと誰も言わず、ひとすくいも残さず、平らげた。ガッツ。
 目でご賞味下さい。
 

台湾紀行8台湾喫茶店における村上春樹

2005-08-18 00:21:05 | Weblog
 小路をのぞくと、大通りの喧噪と都会的な化粧とは違った、独特な街の骨組みがむき出しになっている。台湾の小路も台湾的混沌を包み込んだ突然切れている壁や、日本の建築基準法ならば完全に挑戦的なガラス窓やドアに溢れている。
 免税店やブランドショップに見放されている私としてはこういった小路があると入り込んでしまう。
 その小路を入ると「栗木」と書かれた看板を出した喫茶店があった。そのつくりは一言でいうと海辺の、ちょっとしたカウンターのあるショップの風情だ。壁には「ここら辺の海で採れます」的に貝殻などが埋め込まれていて、小さな4人がけテーブルも白く塗られていて海辺チックだ。
 でもここは台北の中心地区なのだ。
 「わけわかんねー」と、若者のような台詞で男3人で押し掛ける。
 店野奥には流行りの服を着せたマネキンが3体本棚の影に立っている。
 これで羊男でもいれば村上文学だな。とおもったら、案の定その本棚には中国語の村上春樹がずらりと並んでいた。
 各国語の村上春樹の書籍はなぜかどれも村上春樹的世界を作っているが、特に中国語は強烈だ。
 「村上春樹大好き」という若いマスターと急激に打ち解けて、さらに書店の場所を聴いてその足で中国語版「風の歌を聴け」を買ってきました。

台湾紀行7「スーパーで見つけた」

2005-08-17 22:45:43 | Weblog
「これを喰わず」グルメツアーはひと休み。
台北101タワーは世界一の高さを誇る地上508メートルを89階(382m)まで30秒で登る。
台湾全土が見渡せるのではないかと思う位の眺望であった。

そこに隣接するショッピングモール101。
「海外旅行へ行くとお土産はスーパーで地元の人が買うようなものを選びます」という私と同じ意見を持つ宮本氏の希望に添って、案内の陸さんとともにスーパーマーケットに行った。

そこでは「日本魚」とかかれたお馴染みの魚などが置かれた生鮮食料品コーナーだ。
お馴染みの魚も横置きではなく泳いでいる格好に縦置きに陳列してあると、おいしそうに見えるのは発見だ。

「あっ!」
見つけてしまった。
長野の株式会社ホクトさんが大々的に売り出している大ヒットキノコ「エリンギ」が、ホクトさんのパッケージそのままで売っていた。
思えば遠くに来たもんだ、などと感慨に耽っていたけれど、以外に世界は狭い。
アジアは近い。

これを買って空港の検疫を通過できるかどうか試してみようと思い付いたが、ばかばかしいのでやめました。

台湾紀行6「マンゴーシャーベット」

2005-08-16 22:33:00 | これを喰わず
もう食べられません。
と言っているのに「この近くだから」ということで案内されたオープンカフェ。
残念ながらまたもや雨男の本領発揮でなんと台風を呼んでしまった。
そのおかげで移動中横殴りの雨と風でしっぽりとぬれてしまった。
同行している倉石氏が購入した傘もお猪口になってしまう強風だ。

それなのに・・・
ガイドブックに載っていた写真そのままの「マンゴーシャーベット」。
でかい。
注文したのはフルーツミックスシャーベット。
ところが、このマンゴーとキウイといちごがうまいんだ。
マンゴーこそは新鮮で、自然に熟れていないと味もへったくれもない。
さすが亜熱帯地方の台湾だ。
女性が、「デザートは別腹よ」と言うが、なんと我々も注文した一皿をほとんど食べてしまった。
我々の場合、腹が今までとは別に増えただけの気がするが・・・

台湾紀行5「鼎泰豊の酢辣湯」

2005-08-15 22:18:55 | これを喰わず
まだまだ、台湾紀行続きます。
小籠包で有名な鼎泰豊(ティンタイファン)だけれど、「酢辣湯(サンラータン)」がうまかった。
このスープ、本場の中華料理店には必ずあるのだが、なぜか長野で見たことはない。
友人の鷲澤幸一君が好きで、NYの中華料理店で「今後は必ず頼んで下さい」と命令されたほどだ。

ここの店の酢辣湯もうまかった。
酸っぱくてしかもとじた玉子と椎茸などの具がゆるく結びついていてのど越しが気持ち良い。
あっさりした小籠包などとあわせると絶妙のハーモニーだ。
きっとおなかの中でかにみそとスープがダンスしている。
ラーメンどんぶりくらいのスープを4人で2杯も飲んだ。
ほとんどが私でしたが・・・

鼎泰豊では、牛肉麺(塩味)/牛肉麺(醤油味)/酢辣湯(二杯)/玉子チャーハン/高菜と豚肉の漬け物/キャベツの漬け物/あげパーコー(豚のスペアリブ)/豆苗(野菜炒めもの)/小籠包/かにみそ小籠包/エビ豚肉蒸し餃子/あん入り小籠包/タロ芋小籠包/ごまパイ
と、食べまくった。
なんでこんなに詳しく分かるかというとお店の人がメニューを一枚お土産にくれたからです。

台湾紀行4「鼎泰豊の小籠包」

2005-08-14 22:03:58 | これを喰わず
世界のうまいものベスト10に入ったという「鼎泰豊の小籠包」を食べた。
この店、昼の12:00になると順番待ちの人たちで道が溢れかえる。
アーケードに設置された順番待ちボードにデジタルで待ち番号が表示される。
紹介してくれた英機さんはそれを避けて11:00頃に待ち合わせした。
大正解。
写真は、「小籠包の中でイチバン高くてうまいよ」(英機さん)というかにみそ小籠包。
世界一の味だ。
横浜で食べた北京飯店のものよりやや小ぶりだ。
皮もやや厚めなので箸で突いて壊す心配はない。
口に運んで噛むと、ジュワーとスープが口に広がり、かにみそのざらりとした食感が後を追う。
たいがいの小籠包では、口の中がやけどするが、ここのものはあつ過ぎなかった。
うまい。
はしたないけれど友人4人で均等に分けずに私だけ少し多めにいただいた。
この味、目をつぶれば今でも思い出せます。

台湾紀行3「夜食のエビ」

2005-08-13 21:50:12 | これを喰わず
李登輝氏に会えなかった悔しさで(というのは詭弁ですが)台湾料理をこれでもかというほど食べまくった。
夕食で海鮮料理をいただいたにもかかわらず、カラオケスナックで台湾人対日本人のバトルをした後、またまた食事だ。
もうちょっと歩けば有名な「高家荘」というおそばやさん(夜8:00から朝5時まで営業!)があったのに、待ちきれずに魚が道路まではみ出している店に入った。
台湾ビールとゆでたエビ。
これがうまいんだなあ。
どちらもあっさり味なのでどんどん腹に入る。
エビは水っぽくなくて、しかし殻がするりとむける。
不思議な感触が面白くてどんどん食べる。
時々、辛い味付けのアサリ料理にも手を出す。
やめられまへんな。

ということで、この台湾紀行しばらく続きます。

台湾紀行2「阿美飯店の魚」

2005-08-12 21:29:33 | これを喰わず
阿美飯店では好好担仔麺という細めんが自慢のようだが、台湾海鮮料理の店でこの魚料理の味付けに感動した。
とってもあっさりしている。
けれどもしっかりした白身魚の味が口に広がる。
しょうゆ味のようなのタレをかけるとせっかくの白身味風味が飛んでしまうくらいだ。
長野県人としてはこんなに恐い顔の魚が口を開けて出てくると、ビビる。
思わず紹介してくれた台北JCの方に「どうやって食べればいいのですか?」と間抜けな質問をしてしまった。
日本の魚でもこんなに身が厚い白身魚があるのだろうか?
さらに、鱗というものを感じない。
とってあるのか、それともそういう魚なのか?
こんなに恐い顔だと鱗もがっちりついていそうなもんだけど・・・

台湾紀行1中正紀念公園

2005-08-11 20:06:57 | Weblog
李登輝氏にお会いするために台湾へ行った。
ところが到着早々、氏の体調が悪く接見をキャンセルしたいとの情報が入った。
そりゃあないよ。とは思うものの体の都合ならばしょうがありません。
氏は既に齢83歳。どうかお身体をご自愛下さい。

ということで、2泊3日のダダダ旅行は戦後60周年のけじめのアジア研究から、台湾観光にと早変わりしてしまった。持参した李登輝氏の書籍も途中まで読んでホテルのスーツケースにしまってしまった。

宿泊先ホテルからぶらり、カメラ片手に散歩に出た。
いくつかの主要建造物の中からまず蒋介石総統のメモリアルパークである中正紀念公園へ行った。
正門が見えてくる。 でかい!
正門から紀念堂をのぞき見る。
はるか向こうに蒋介石総統の座像が奉られる紀念堂が見える。
広い庭内にはコンサートでもやるらしい舞台がある。
巨大な植え込みのまわりを観光客がそぞろ歩いているだけでなくジョギングしている人たちもいる。
代々木公園でも感じたが、長野市にもこういった大きくて広い公園が欲しい。
休みの日などにとりあえず行く場所として、こういった公園があれば精神的にもありがたい。