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7月の課題本 柚木麻子『BUTTER』

2017-06-11 23:10:10 | ・例会レポ

柚木麻子『BUTTER』
新潮社 2017年

結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていく―。読み進むほどに濃厚な、圧倒的長編小説。(Amazon内容紹介より)

=例会レポ=

あの事件を取り上げているということへの軽い興味から推薦しましたが、その後、本屋で平積みになっているのを見るにつけ、また直木賞候補になったのを知るにつけ当日どんな展開になるかしらと楽しみにしていました。
 参加者は13名。予想より辛口だったでしょうか。
以下、皆さんの感想を紹介します。

食事のシーンはうまく描かれている。
構成が緻密である。
男と女の違い、葛藤がよく描けている。何度も読み返した。
新潟までは面白かった。帰ってからの女同士の話は物足りない。
男がリアルでない。草食系?
結局テーマは?社会派小説ではなさそう。
伶子さんの行動、ディテールの描写は背伸びしているのでは。
kさんのブログではコテンコテン。連絡も取っていないらしい。裁判中の事件を小説にする狙いは。
七面鳥はカジマナを普通の女にしてしまったのでは。けれどいつの間にか里佳に感情移入していた。
欲張りすぎ。力はあるのに。すっきりしない展開。
里佳に共感できない。
里佳の男役ぶりを具体的に表現できていない。

菊池さんからのコメント。
時代性に注目する。新しい世界を切り開いて行けるか。
読みどころとして、主人公の造形。実際の主人公のアクチュアリティに負けていないか。
出版社としては売れるから勧めたのでは。構成としては料理のつながりを作り上手い。
登場人物との距離感がある。被害者に触れていないが、カジマナの人物造形に関係ないからではないか。女はなぜ女へのまなざしが厳しいか。男はなぜ見た目なのか。生きづらい世の中の方にフォーカスしている。
バターの高級感は物を買うのは美徳という消費資本主義の象徴ではないか。
今は本でもハウツーものがあふれていて自分で考えない。情報に振り回され易い。決まりきったレシピ―ではなく自分で適量を見つけて人生のレシピ―を作成して行こうというメッセージではないか。

(文責:推薦者Y)


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