出雲国神社めぐり

島根県東部の神社探訪記!
犬もあるけば、神社にあたる!!

多氣神社

2012年03月11日 | 松江市(旧市域)

風土記:多氣社
延喜式:多氣神社
雲陽誌:竹宮明神(火酢芹命)・津守明神(経津主命)
様  式:春日造変態
御祭神:武甕槌命
合祀神:経津主命(津守神社)

  

県道260号線を走って大御崎、本庄いずれからも中間に位置する上宇部尾町に鎮座。県道260号線の整備によって、中海西岸の交通路は格段に改善されている。1947年撮影の航空写真に海辺の道はなく、各々の谷を登り峠を越える隘路がいくつか確認できるだけである。現在は、上宇部尾からは嵩山の東麓を抜け、朝酌にいたる新道も整備されている。多氣神社は、これらの新道が合流する交差点脇に鎮座。拝殿、本殿の他、新造された境内社が数棟がたっていた。木々の剪定が施され、稲藁の蛇を巻きつけた二基の荒神はひときは目を引いた。

 

多氣神社の由緒について、『神国島根』は創建年代は不詳としつつも同社を出雲風土記、延喜式に所載の社とし、村社竹宮神社と無格社津守神社の合祀の結果であるとす。もと多氣社は女岳山の麓にあって、天文年間に「多氣」を「竹」に置き換えて竹宮と称していたが、上宇部尾よりの参拝が難儀であることからも、海辺の津守神社の跡地に、遷座して二社を合わせ祀ったとのこと。これは明治四十一年のことで、これにあわせて社名を多気神社に復したとす。なお、嵩山山頂に鎮座する布自伎彌神社の境内に嵩神社があり、近年の『出雲風土記註論』は関連書類を元に、多氣神社の本来の社地は嵩山東麓に位置する嵩地区にあったのではないかと指摘している。

〈境内社〉
 
本殿の南側、西側に近年の遷宮の木造社あり。『神国島根』に依れば、同社の境内社を、天満宮に菅原道真を祭るとのみ記載。南の社は歳徳神と思われる。

〈所在地〉
島根県 松江市 上宇部尾町

参拝日:平成24年 1月21日


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