奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

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予算審査を通じて見えてくる、横手市役所・市議会の今。~3月議会開会~

2018-02-28 23:58:08 | 日記

一昨日26日(月)より、3月定例会が開会。

一般会計538憶2000万円。特別会計・企業会計合わせて961憶5572万円の新年度予算案の審議を通じて、今後の横手市の方向性を見定めていくことになる。

難問山積。いつも以上に緊張感を持って向き合っていかなけばならない。

初日は市長の施政方針演説、教育長からの教育行政演説に続き、人事の同意や条例改正、今年度補正予算の審議が行われ、個人的には増田まんが美術館設置条例、横手体育館・武道館の指定管理、地域づくり協議会の廃止条例などについて質疑を行った。

まんが美術案については、平成31年4月のリニューアルオープンに向け大規模改修中である。閉館中も様々なイベントや催しの企画や、「横手市マンガ活用構想」の制定などに鋭意努めている最中である。

条例提出のプロセスに事務手続きのミスが見られたものの、マンガ文化の本質について、地域の方々はもちろん市内外から多くの人たちを呼び込み、マンガをきっかけに横手の隅々の魅力を深く知って頂くためにも、ぬかりなく「準備行為」を行って頂きたいものである。

まだまだ、まんが美術館の可能性が広く理解されていないことを痛感している。

せっかく市役所内に専門部署を立ち上げた意義も含めて、次年度に何ができるかがこのプロジェクトの命運を握っていると言っても過言ではない。

所管委員会での議論の深まりに期待したい。

「体育施設の指定管理」については、「民間企業のノウハウを活用して市民サービスの向上を図る」としてきたこれまでの説明に責任を持って頂きたいし、紆余曲折を経てここまでたどり着いたこれまでの議会での議論を重く受け止めながら、指定管理してよかったと言われるような、市民ファーストの運営が担保されるよう、委員会での議論に注目したい。

市町村合併以来12年間、大きな役割を果たしてこられた「地域づくり協議会」を今年度末をもって廃止する条例については、これまでの委員各位のご貢献に深く敬意を表しながら、今後の情報発信の在り方について問題提起をさせて頂いた。

続いて補正予算。

横手市では、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、インドネシア・バトミントンチームの事前合宿誘致に向けて取り組んできたわけであるが、結果として熊本県に敗れたようだ。

事前合宿の誘致に失敗することは即ち、ホストタウンの失敗だと理解していたが、どうやらそう単純な話ではないらしい。

しかし、合宿誘致できなかった事実から、今後も横手市がホストタウンを言い続けることには大きな違和感を持っている。それが普通の感覚だと思う。

インドネシアと横手市の間でスポーツに関する協定を結んでいることから、今後も友好関係は続くものと思うが、失敗は失敗である。それをまずは受け入れるべきだし、「事前合宿が来なくても大丈夫」などと勝手に開き直られても困るのだ。

昨年12月議会。ホストタウンの調印式に必要な経費だとして、正式決定していないにも関わらず301万7000円の補正予算が提案され、決まる前に予算計上するのはおかしくないかと問いかけたところ、「ジュニアチームと交流しているなど、感触がいい、ほぼ間違いない」との理由から、議会としてその予算を認めた経緯がある。

しかしながら、誘致が叶わなかった今、301万7000円は使い道がないので、全額を減額する補正予算が提出されたという流れである。

相手があることなので、失敗したことを責めても仕方がないわけであるが、なぜだめだったのか、予算の立て方も含めてきちんと総括をして頂かなければ、新年度予算に「ホストタウン事業」を盛り込むことなど道理に合わないし、議会として、このうやむやを許すわけにはいかないと思っている。

お二方が一般質問で取り上げるようなので、議論に注目したい。


そして、昨日は新年度予算案の審議。


所属する産業建設常任委員会の所管以外の項目について、増田庁舎の補修工事費、財産経営推進計画実施事業、生涯学習推進事業、健康の駅推進事業、後三年合戦保存活用整備事業などについて質疑を行った。

初耳だが、老朽化が著しい部分の補修工事という名目で、増田庁舎にまた手を加えるようだ。

財産経営推進計画(FM計画)により解体が決まっている10施設については、スケジュール等を含めて地域の方々への周知を丁寧に行うよう要望しておいた。

生涯学習費については、次年度の教育行政方針の中で「学校・家庭・地域の連携と協働」をうたっており、「地域と学校を繋ぐコーディネーターの配置を拡大」することで、「地域全体で子ども達を支える体制」を強化する予算が置かれていることから、今後の方向性をお聞きした。

先般の若市議研修会で、和歌山県橋本市のコミュニテースクールの事例を学んでいたことから、目指すべき姿というのは何となくイメージしているつもりではある。

現在横手市が進めている、公民館を母体とした地区交流センター化とこの取り組みをいかにリンクさせていくか、市長部局と教育委員会のさらなる連携をもって、地域の実情に合ったやり方で、社会全体で子どもを育むスタイルを構築していかなければならないと思っている。

後三年合戦については、まずは文化財保護課で取り組む発掘作業に全力を傾注しつつも、次のステージの話をさせて頂いた。

まちづくりや観光にいかにして結び付けていくかという視点から、奥州藤原氏をご縁に、岩手県平泉町と、秋田県大館市・美郷町・横手市の交流を深めていこうという動きがあることからも、悠久の歴史ロマンという地域価値を十二分に活用した広域連携の結びつきによる、打って出る政策に大いに期待したいところだ。

教育長より、今国会にて、文化財活用の権限を市町村に移す法改正が予定されており、これまでは穴を掘って発見することがメインだった分野をまちづくりにどう活かしていくかという視点から、文化財保護課という組織の在り方についても一考が必要である旨の方向性が示された。

私は、市役所組織としては観光・文化・スポーツを一元化させること。そして、せっかくのDMOが主体的に関われる体制にすべきだと考えている。

この話はいつか取り上げてみたいものだ。

最後に、例年以上に長時間に亘る予算審議の中でズッコケた案件をご紹介したい。

改めて、この組織が大いなるスローガンの塊であるということを再確認した。

健康の駅推進事業について、秋田県が「健康寿命日本一」を掲げ5か年計画の目標値を定め、その取り組みを県内各自治体に促すなど、具体的に本気になって動き出そうとしている中で、横手市の目標が「健康の駅利用者1万人」としたことについて、どうやって昨年度5400人弱の利用者を倍増させるのかとお聞きしたところ・・・

「1万人という数字は意気込みに近い」んだそうだ(笑)

その不用意な本音が、市長のお立場にどんな影響を与えるのか、思いが至っているのだろうか?

健康の駅事業は全国各地の議会から視察が相次ぐなど、横手市を代表する誇るべき政策の一つであり、現場の方々のご努力も聞き及んでいる。

健康第一が全てであるということ。

先人たちが築き上げてきた健康で長生きできる長寿社会というのは、日本が世界に誇る財産であるということ。

少子高齢化人口減少社会を豊かに生き抜いて行く道でもある。

政策を示し、予算をつけてそれを実行できるという大きな権利を持ちながら、無策で現場に丸投げするだけで1万人を達成できるとでも思っているのだろうか。

言ったことはやらずに、言わないことをどんどん進めていく・・・

そんな新年度予算である。

それでも、厳しい財政状況の中で、知恵を絞りそれぞれの現場から積み上がってきたお仕事の結晶が市の当初予算案だと、960憶円という金額以上に重いものであると私は理解している。

その予算案を審議する立場を与えて頂いている我々がすべきこと。

それは、敬意を払って疑問点をどんどんぶつけていくことである。

この事業は何ですか?にとどまらず建設的な議論をしてくこと。一つひとつの「何のためか」を明らかにしていくことである。

議会で発言をするためには、当然のことながら準備をしなければならない。提出されている資料をしっかりと読み込んだ上で、議論に参加することが我々の責務である。

質問をしないということは疑問点がないということであり、政策や予算を隅々まで理解し悟りを開いているか、「想い」がないかのどちらかである。

学生時代、予習もせずに授業に臨み先生の言うことが全て理解できる、一度見聞きしたことは忘れない秀才であったのならば、初めての予算審議でもタブレットを眺めているだけでメモもとらず、耳から入ってきた言葉が全て脳に蓄積され続けていくのだろう。

残念ながら私にそんな能力はないので、1年目の頃は何が分からないのかも分からない状況で、必死に食らい付こうともがいていたように思う。企業会計などのやり取りを聞いていると、改めて勉強になるなあと日々学んでいるところだ。

横手市議会では、本会議場でのやり取りはネット配信されていることから、動画を確認して反省することができる。発言をしなければ、反省することもできないのだ。

ネット配信というのは、情報公開はもちろん、議員自身の振り返りにも役立つという側面がある。そういう意味で、やらないなどという選択肢は、もはや今の時代理屈に合わないのだ。

そんな訳で、今日は一般質問の届け出日でした。

長くなったので、内容はまた改めて。


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