奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

会派と議会改革。

2018-02-07 22:20:03 | 日記

北陸地方では記録的な大雪となっているようです。

ニュース映像を視ていると自衛隊が出動されたりしていて、それでも横手よりは全然少ないような印象を持ちますが、普段の数倍、想定外の雪が一気に降っていることからあのような交通のマヒ、大混乱が起こっているものと思います。お見舞い申し上げます。

そう考えると、横手市の冬というのはもはや常に災害レベル?と言える水準かもしれないし、今冬は最近の平成25年豪雪に匹敵する降雪積雪だそうで、きめ細やかな除雪体制と地域住民の理解と協力、そして何よりも心構えが違うんだろうなと感じている今日この頃です。

程々がありがたいですね。


さて、今日は恒例の横手市飲食業連合会の新年会に出席させていただきました。新年会と呼ばれる会合はこれで一区切りとなります。

来賓ご挨拶の中で、秋田県飲食業生活衛生同業組合理事長(兼・全国副会長)よりご紹介がありましたが、受動喫煙の問題が業界を取り巻くホットな話題となっているようです。

オリンピックを誘致した都市・国として果たすべき責任と、喫煙者・非喫煙者、そして生産者の立場と現場の実情を踏まえた絶妙な落としどころを見出すことが政治の責務と思います。

生活衛生団体の皆様には、仕えていた代議士が党の中で責任ある立場であったことから、これまで大変なご指導を頂いてきました。

日々の生活にさりげない幸せと潤いを与えてくれる生衛業界に元気があることが、地域の活力の源であることは身に染みているところです。本年が皆様にとりまして良い年となりますようお祈りし、微力ながら与えられた立場で精一杯努力して参る所存です。よろしくお願い申し上げます。


さて、今日の本題に入りたいと思います・・・


改選後私ども横手市議会では、議会改革推進会議を中心に、終わりなき議会改革の議論に更なるスピード感を持って日々取り組んでいるところではあるが、前任期から継続して委員会のメンバーとしてこの議論に主体的に関わり続けてきた身としては、とにかくできるところから始めようというスタンスで、少し前のめりすぎるくらいな提案をどんどんぶつけていって、全議員の理解を得ながら議会全体の活性化につなげることが市のため市民のためになるものと信じて積極的に取り組んでいる。

まもなく新年度予算を審議する重要な3月定例議会を迎えることになるが、年4回の定例会毎に各議員が自由に行うことのできる一般質問と比べて、3月と9月のみ行っている「会派代表質問」の違いがいまいち分かりにくいし伝わりにくかったことから、議会改革の中で議論の中心の一つになってきた課題である。

不肖、奥山私案のぶっ飛んだたたき台に、先輩議員各位の現実的な指摘を踏まえ、だいぶ実現可能な段階までこぎつけられたものと思う。あとは議会運営委員会を経て今定例会からやるかやらないかが決定されるものと思うが、いわゆる「会派」なるものについて、国政の議院内閣制下での与党野党と違い、二元代表制である地方議会における位置づけというものを先般の県南4市議員研修会での講演を踏まえて、改めて整理してみたいと思う。

国政においては、政権選択選挙である衆議院議員総選挙において、過半数を獲得した政党・会派(連立を含め)から内閣総理大臣を選出することから、政府と与党は一体であり、野党は常に対案を示し政権に対峙することが、現行の小選挙区制度での与野党の在り方と言える。

一方で、都道府県市町村の地方議会は、都道府県知事・市町村長(首長)と、都道府県議会議員・市町村議会議員は住民が直接選挙で別々に選ばれることから、二元代表制と呼ばれている。

つまり、「国会の『議院内閣制』とは基本的な性格が異なる」ことから、我々地方議会と首長の間に与党だの野党だのそういった関係は成立しないことが大前提になっている。

よって、「お前は市長派か?反市長派か?」などという会話は、本来は成り立たないのだ。

地方自治の教科書に書かれている当然のことなのではあるが、去る1月15日、県南4市の市議会議員を対象に横手市議会が主管して行われた研修会は、このことを適切に指摘していて、改めて考えさせられる大変よい機会であった。



講師を務められた、元三重県庁職員で、現・三重県地方自治研究センター上席研究委員の高沖氏には、改めて貴重なお話に御礼を申し上げる次第である。

昨年、高知県大川村で村議会を廃止し村総会を開催することが議論になったように、近年は選挙をやっても無投票が続き、議員のなり手不足、そもそもの住民の政治に対する関心の低下に加え、国政はもとより地方議会を取り巻く数々の不祥事が明るみに出ていることからも、議員の資質に対する住民からの疑問の声が寄せられているのが実態である。

私自身、4年前にこの立場になった当初は、「何が議会改革なのか」と戸惑いを覚えたのが正直な感想であるように、「何を改革することが、議会改革なのか?」という問いに対しどのように応えていくのか、ということである。

「議会廃止」の議論が展開されていることが、議会の在り方そのものを考える問題提起となっており、それは地方自治の根幹でもある。

横手市議会では、平成24年6月に議会基本条例を制定し、その中には議員の役割というものが明記されている。

基本条例は作ったら終わりではなく、ここに書かれていることをどれだけ実践しているのかが問われており、そういう意味でも我々は前任期の後半2年間は、条例の文言を一字一句検証し、改善の余地はないのかということを一つ一つ積み上げてきており、今任期に引き継いでいることは素直に評価に値する取り組みである。当たり前のことを当たり前にやっている普通の議会であるということである。

高沖氏の言葉を拝借すると「4年ごとに1条ずつ検証し実践していることを見直して、規定のレベルを上げていかなければならない。4年毎に改正もしていかなければならない。」のだ。

市長の追認機関であってはならず、予算や政策を監視評価し、目についた足りないところはきちんと修正をかけていくことが、議会の「本来の役割」であって、その事が自治体の政策の質を高めることになり、ひいては住民福祉の向上にもつながるのだ。

議会が予算を修正することは、ごくごく「当たり前」のことなのであり、そういう意味で、横手市議会は正常だと言える。

大きな課題としては、議会での議論のプロセスに、専門家や市民の皆様の意見を反映する「公聴会制度」をもっと活用していかなければならないし、会津若松市議会などの先進的な取り組みというのはよく研究をして、我々の議会報告会、市民との意見交換会の運営に反映をしていくべく、広聴分科会の方で積極的に動いていただいているところである。

住民に開かれているのか?

住民とともに歩んでいるのか?

当局案に対し、市民の声を反映させながら議会で議論をし、修正を加えて「議決」して初めて、その案は「自治体の意思」になるのだ。

つまり、追認機関ではなく「二元代表制を追い求めていくことこそ議会改革」と言える。

言われたことを右から左へ伝えるだけのメッセンジャーではなく、行政視察で先進的な取り組みを学んだことを、何とかの一つ覚えのように無理やりそのまま我がまちにも当てはめようとするのでもなく、そこに一ひねりを加えて議会の創意として市長に対しぶつけていくことも大切だ。

個々の議員が様々なものを背負って議会の場に出てきている以上、一つの議案に対し様々なスタンスがあることは当然である。そこに党の意向が反映されることも多分にあるだろう。

それはそれでいいと思う。

しかしながら、こと議会改革に関して言えば、主義主張を超えて議長の強いリーダーシップと具体的指示の下で一つにまとまれるかが問われているのだ。

先述した通り、地方議会に与党も野党もない。本来は、市長会派も反対派もあり得ないのだ。

であるとするならば、議会運営の便宜上のまとまりともいえる「会派」の在り方を今後しっかりと議論していかなければならないし、もっと話をして政策提言できる集団が「会派」でなければならないと私は思っている。

横手市議会の会派代表質問の改革もそういった想いからの提案である。

膨大な新年度予算案を審議する「一般会計予算特別委員会」における審査の仕方にも、まだまだ改善の余地がある。「財源の裏付け」について議論するならば、方法論としてやり方はあるはずだ。

今月末に迫った3月議会の開会に向け、いまだ来年度の新規事業も予算の骨子も示されていないという異常事態がもはや当たり前になっている横手市ではあるが、しっかりと議論ができる環境整備のための下地を提案する場所としても、我々議会改革推進会議に課せられた責任は大きい。

最後にもう一度、高沖氏の言葉をお借りして締めくくりとしたい。

「議会が変われば、自治体が変わる!」

監視するだけでなく、我々が議会の意思として政策提言をしていかなければ、このズレは取り返しのつかないものになってしまうのだ。

是々非々、日々新たに、常に勉強あるのみです!


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