■門前薬局KOZOH■

管理人は某クリニック門前薬局の事務15年め。
『門前の小僧』のしったかぶり日記です。2009年登録販売者資格取得。

適切なアドバイス

2009-12-16 | 薬剤師の耳
昨日の終わりがけに、

怒ってるオーラに包まれた女性の患者さんが来店。

なんとなくね、

●手ぶらで
●「こないだ薬もらった者ですけど」って名前名乗らず
●よそゆき声じゃない

感じは、たいがい相談じゃなくて、クレームです

こういうとき、KOZOHはスグにはオーサマ(薬剤師)を呼びません。
だいたいのクレーム(相談)の内容を聞いて、
それをまとめて報告して、指示を仰ぎます。

ふふふ(o'ω')y-~仕事デキるヒトみたいでしょ。優秀な秘書っぽいでしょ。

なんのことはない。

オーサマとの接触を極力少なくするためです(笑)

 さて。どうされました?

「こないだ貰ったお薬飲んでから、オカシイんですけど?」

クレームの特徴・・・語尾上げ。「どうしてくれるの?」的な。

 オカシイと言われますと?

「飲んでから胃がムカムカするし、頭がギューって締まってくるし」

 飲んでから、どれくらいの時間でなりました?

「ど、れくらい?・・・飲んでから、よ。」

 いえいえ。飲んで、5分後からとか、2時間後とか。

「気がついたらそうなってたから、わからないわよ。
でもこの薬を飲む前は胃も頭も痛くなかったんだから、

この薬が原因としか考えられないでしょ?!

薬の副作用の出方は人それぞれだし、その日の体調諸々の
条件があります。

ここで確認すべきは「ちゃんと“食後”に飲んだか」。この患者さんの
場合なら、飲みはじめたのは土曜日の夜~。

土曜の夜、日曜の朝、日曜の昼、日曜の夜、月曜の朝、月曜の昼
は飲んでいたわけで、ではどこでその症状を感じたのか。

でもそれは「気づいたら」なので、因果関係はいまいちわからない。

2剤あって、そのうち一種類はビタミンE。
これもビタミンとはいえ、すきっ腹に飲むと胃のむかつきなどが出る。
もう一種類は血流をよくしたり、造血作用を期待するもの。
やはり、胃の不快感は副作用に書かれてあります。

ただ、副作用に胃の不快感と書かれていない薬って、ほとんど無い。

どの薬でもあるにはあるのです。

って、言ってもわざわざ寒い中「この気持ち悪さ、どうしてくれよう」と
来局されてるのに、事務の私がでしゃばって指導するもんでもありません。

ここまでの訴えをまとめて、オーサマに報告、オーサマ登場。

 さ。薬剤師として、適切なアドバイスを!!


「え。飲んだら気持ち悪くなったって?

じゃあ、飲むの止(や)めはったら?


(o゜ω゜)・・(o゜ω゜)・・・・・は?(患者さん&KOZOH、一瞬シンクロ)

(o゜ω゜)「や、だ・・って、薬、飲まなきゃ・・デス・・よね?」

「だって、飲んでからオカシくなったんでしょ?
じゃ、飲まなかったらその気持ち悪さは治るんじゃないですかね?」
と続けるオーサマ。

「気持ち悪くなるはしょうがない、ということでしょうか」

「うーん?まぁ、そう感じてはるんやからねぇ。

気持ち悪くなるのがイヤなら、

飲むのを中止してください(Re)
」(奥に引っ込む)

この患者さんの心のムカつきと、

モドかしさがめっちゃ伝わってきます。

この患者さんは(`-_ゝ-)こんな顔で帰っていかれました。

オロオロダヨネー((ヽ(;ω;)ノ))ダヨネーオロオロ

薬局として、薬剤師として

間違ってないと思いますよ。この対応で。

これが例えば食品で、「買って、食べてみたら、

私の口に合わなかったみたい」と言われるならば、このお客様は

ただのクレーマーですし
食中毒をおこしたとかだったら、製造元も巻き込んでの
大事件です。

これが例えば衣料品で、「試着しないで帰ったら、
サイズが合わなかった」と言われるなら、損傷が無い限り返品、
お取替えができるでしょう。

それは、薬局には出来ないこと。

医師が診察し、病名を判断し、薬を処方する。
その処方された薬を薬剤師が調剤、投薬する。

その薬が合う(効く)かどうかは、飲んでみないとわからない。

もし合わない(効かない)とお客(患者)さんが感じたとして、
「じゃ、お医者に内緒でコッチの薬と交換してあげる」
こともできないし、

「じゃ、飲めなかった分を引き取って返金します」
なんてこともできない。

合うかどうかわからないからといって「試食」もできない。

今回のケースのように、効くかどうかではなく
カラダに合わないと言われた場合、

対処のしようがないのも、事実なのです。

でもね。このオーサマの仕事

誰が満足するかっちゅー話で。

要は、言い方・・・接遇の問題だと思うんです。

この患者さんには申し訳ないですが、
この件に関して「薬局は謝らなくていい」と私も思ってます。
もちろん、ドクターも。

今起こっている、この現状で薬剤師が行うべきは

カウンセリングではないか。

KOZOHが先にした問診をを踏まえてさらに

「水は多めに飲んでいますか?多めの水を飲むことで
胃の不快感がマシになる場合もありますよ」

「ドクターは分3で出しているけれど、分2、それでも
胃の不快感を感じるなら分1で試してみてはどうですか」
※厳格なドクターは怒るかもしれないけど、こういうのは
アリだと私は個人的に思ってます。

「(今回のケースの場合)コレが王道処方だけど、他にも
治療のアプローチはあります。続けて服用することで効果を
期待している類の処方なので、もう一度、ご面倒でも
診察を受けて医師と相談してみてください。」


とか言えや!ボケ!ヾ(`Д´)ノ


・・・と、思ってしまうのでゴザイマス

なに?「気持ち悪かったら、飲まんかったらえーやん」?
ピーマン嫌いやったら残したらえーやん。
キライになったら別れたらえーやん。
痩せたいんやったら、食べへんかったらえーやん。
ちゅーてるんか。ええ、ゴラ。

普段そんなに信念をもって仕事してるわけじゃないけど(オイ!)
医師と患者と薬剤師はチームだと思うんですよ。
その医師や薬剤師をサポートしてるスタッフを含めて。

完治というゴールを目指して。もしくは一生涯付き合う病気を
お持ちならば、日常生活の維持をサポートしていくためのチーム。

それには患者さんも、血糖降下剤飲みながら大福食べて
「全然効かへんわ、この薬」とか言っちゃいけない。
快適な生活を我慢する努力も必要です。

今回のオーサマの仕事は治療放棄、大袈裟に言うなら

見殺しでは。(や、ま、ホント大袈裟なんだけどね)

売り上げ落ちた~在庫カツカツで乗り切ろう~
高額(1500点以上)患者は大事にしよ~、がオーサマの信念(?)。

片腹痛いわ。

接客したくないんやったら、

仕事辞めはったら?

と言ってしまいそうなくらい、キレ気味のKOZOHです


最新の画像もっと見る

コメントを投稿