杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

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・証拠隠滅の疑いで検事逮捕 ~ 誰でも有罪になる恐怖!

2010-09-22 02:26:58 | 法律・法制度
9月21日、郵便不正事件で、大阪地検の主任検事が、証拠隠滅の疑いで逮捕されました。

これは、信じられないくらい大きな問題です。

警察や検察は、犯罪を犯した疑いのある人を
「逮捕」したり「勾留」したりと、市民の日常の生活から引き離し
その身柄を拘束します。
前に、酒井法子さんの逮捕・勾留のことで書いたように、
身柄を拘束される時には、拘束される側・拘束する側の身辺の安全を図るために
身体検査等の非常に屈辱的な行為をうけます。

地域や勤務先では不名誉な評価を受け、本人は孤独・不安の中におかれ、家族は絶望的な状態に突き落とされます。

法が許す例外的な場合でなければ、逮捕監禁という犯罪と同じ物理的侵害を
加えられていることになります。
犯罪者と疑われる取り返しのつかないような立場におかれます。

そして、その後、裁判で事件の有罪無罪を判断しますが、日本では起訴された事件の99%以上が有罪になります。
犯罪者であり、刑罰をうけることになります。
犯罪者の烙印もおされます。


つまり、捜査とか裁判とかの刑事手続は大きな人権侵害を伴いますが、
それは、その人が犯人と疑われるだけの理由があり、証拠をもって裁判で有罪と判断されたゆえに、やむなく許された正当な制約となるわけです。

国が強制捜査や刑罰といった、物理的な力を持って市民を抑圧することが許されているのは、ひとえに、証拠によってその者の犯罪性がみとめらるからです。


今回は、この物理力を行使する側(権力をもった側)が、この証拠を勝手に作り上げたということです。
こんなことがまかり通るのであれば、無罪である市民を有罪として刑罰を与えることなど、お茶の子さいさいです。

市民は、逮捕されたり、裁判で有罪になって刑務所に入れられることがあっても、それは国の適法な制度によるものだから仕方がないと了解してきました。
刑事司法に信頼をおいてきたからこそ、自分たちの自由・身体・財産が制限されても、納得してきたわけです。
この信頼が失われたということです。

これまでも、逮捕された者が警察に供述を強要されたとか、言ったことを調書に書いてもらえなかった、ということはありました。
また、有利な証拠があるのに、それを無視されたなどということもありはしますが
今回のように、明確に「証拠を作る」というようなことは、さすがに(表だって?)は聞きません。

これは、被告人だった村木さんの問題だけではなく、国の制度に対する市民の不信が今後どのような影響を与えるのかと思うと、これは本当に取り返しのつかない大きな問題だと言わざるを得ないと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上



TTさんという方からコメントをいただき、この記事を書くときに参考に見ていたニュース記事が、末尾に残ったままで掲載してしまったことに気づきましたので、削除します。
失礼しました。
TTさん、ありがとうございました。





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28 コメント

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起こるべくしておきたこと (yasu)
2010-09-22 20:25:26
3月8日に元特捜検事の郷原信郎さんと作家の魚住昭さんが外国特派員協会で検察と政治の現状について、お話をされたというのは、
「批判した雑誌編集長に呼び出しをかけた検察庁」
http://blog.goo.ne.jp/okunagairi_2007/e/3c6d8a066bc50fd9619302c712a9d2ed
のコメントでも書きましたが。
 
その時点で魚住さんに「現在の日本は大きな問題を抱えています。それは検察庁という行政機関が巨大な力を持ちすぎて、誰もそれを統御できないということです。
そのうえ検察は組織が腐敗し、かつ捜査能力が極端に低下しています。検察の暴走、腐敗、能力低下の3つが同時進行しているのです。」とまで指摘されています。
 全文はこちらをご覧ください。http://uonome.jp/feature/903

そのあと、郷原さんの出番になるのですが、
「私の西松建設事件、陸山会事件に対する見方も、魚住さんとほとんど変わりません。とにかく検察の能力が極端に低下している。言ってみれば最低レベルの事件しかできなくなっているのに、全くマスコミなどから批判されずまかり通っているのが現在の状況です。
 魚住さんは記者として検察を外から見てこられた人ですけれども、私は23年間検事として仕事をして検察の中にいた。それだけに、今の検察の状況については驚きというか絶望を感じるほど問題だと思っています。」と
 
さらに質問に
「詳しくは昨年の9月に出した「検察の正義」という本に書いていますが、私は2000年前後以降、特捜検察がやった事件でまともな事件は一つもないと思います。やればやるほど、どんどんレベルが落ちている。それが実情だと思います。
 普通なら、企業であれば良いものを作れなければどんどん組織が衰退していくんですね。ところが検察の場合は、商品が消費者に評価されるんじゃなくて、マスメディアを通じてしか評価されませんから、悪質性・重大性という面ではレベルの低いものしか摘発できなくても、マスメディアが評価してしまうんですね。するとこの程度でもいい、という話になってしまって、やれることが落ちていくけど、それによってやれることの範囲は広がっていく。それが能力低下を招いた一つの負のスパイラルではないかと思っています。」

これはかの有名な「検察が危ない」ベスト新書が出る、ひと月ちょっと前の出来事です。
魚住昭さんが「特捜検察の闇」を文藝春秋から出したのが、2001年5月ですから、
よく考えてみれば、安田弁護士事件などいろいろありましたしね。

最近では、かの有名な、ムネオ先生もこんなご発言を
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/09/post_659.html

郷原さんもこの件でツイッタ―(アカウント@nobuogohara)で

「前田検事逮捕のニュースが流れているが、朝日新聞の報道から僅か半日後の逮捕、あまりに拙速ではないか。この問題を個人の問題に矮小化しようとする意図が窺われる」と

つい最近起こった出来事にもう少し注意を払っていれば、村木事件は起こるべくして起きたということがわかると思います。
保坂さんのツイッターより (yasu)
2010-09-24 19:49:36
保坂のぶと氏のツイッタ―(アカウント@hosakanobuto)より
9月22日、「口封じ逮捕」の三井環元大阪高検公安部長が、前田主任検事を証拠隠滅で、村木事件の法廷で「取り調べメモを廃棄した」と証言した検事6名を偽証で告発したというニュースが入ってきた。また、検察官適格審査会に最高検、大阪高検、大阪地検の検事9名の審査申し立てを準備中だという。 5:23 PM Sep 23rd webから


このツイッタ―を見て思うに、まがりなりにも検察にあって教育にないもの。
「検察官適格審査会」。教員たちは“絶対反対”するだろうが、“相次ぐ教員採用不正”や、いつまでも続く“いじめ事件の隠ぺい”をみて、教員版「適格審査会」を作る必要もあるかと思う。
(内海千春さんいわく、いじめ事件のうち、9割は泣き寝入りだとか。)
斉藤貴男氏の取材した事案では、なんと北広島市教委が、事実関係を正確に書いていた報告書を、担任が適切に対応したかのように書いたという、大阪地検を笑えない事件をやらかしている。
「北広島市教委が2007年8月に公表した報告書は、A子さんの訴えを聞いた担任が適切に対応したかのように書かれている。市教委の報告書はその4ヶ月前にも作成されており、こちらは事実関係がほぼ正確に綴られていたのだが公にされず、後に情報公開請求によって内容が明るみに出された。A子さんの両親は08年5月まで、公表された報告書の訂正や謝罪を求めて市教委と交渉を続けてきたが、解決には至らなかった。」
引用 斉藤貴男「強いられる死 自殺者三万人超の実相」角川学芸出版
三井環氏の告発状 (yasu)
2010-09-29 19:11:00
http://uonome.jp/feature/985
に三井環氏が出した告発状が載っています。
検察官適格審査会向けのも。

きちんと受理されれば、検察史上最大の汚点になるんでしょうね。
汚名挽回(国策捜査つき) (yasu)
2010-10-02 19:44:46
江川紹子さんのツイッタ―より(アカウント@amneris84)※amneris=アムネリス

日経新聞に掲載された逮捕直前の佐賀元副部長の発言。「前田検事から故意の改ざんと聞いたことはなく、記録も残している」と。取り調べ時のメモは全部廃棄しちゃう大阪地検も、そういう記録は残しておくのか…それにしても、その記録の信憑性はどう証明?部下からの報告も可視化が必要かにゃ?
about 8 hours ago webから

東京新聞社会面が昨日の大阪地検の様子を伝えている。「泣いて訴えた」女性検事は、<手に千紗なタオルを握り、はなをすすりながら涙を流していた>と。よく泣く人なのか。自らも村木さんを冤罪に陥れる活動に加わったことの罪滅ぼしのつもりで、事実をきちんと明らかにするようガンバレ
約9時間前 webから

郷原信郎氏のツイッタ―より(アカウント@nobuogohara)
今回の犯人隠避罪による二人の逮捕には、検察部内からも相当な反発があるのではないか、無理筋の逮捕だということが明らかになってくると、検察内部が内乱状態になりかねない。当事者である最高検の捜査チームが今回の事件の捜査を行うこと自体の問題が露呈したと言うべき。 約19時間前 webから

ツイッタ―の引用ばかりですが、保坂のぶと氏のを見ても、やっぱり村木事件が大きなテーマ。
確かに大ニュースでしょうね。ただここまで検察がおかしいと報道されて恥をかくと、「取り調べの可視化を導入しろ」とか、「特捜部いらない」というのまで出てくるのだろうから、やっぱり汚名挽回を図りたいと思うのが人情というもの。

ちょうど、北海道では、小林ちよみ議員の辞職に伴う、補選が行われ、まさに町村信孝の政治生命をかけた戦いが始まっている。(落ちたら政治生命はおしまいだ。)
“官直人”政権にとっても最初の国政選挙。やっぱり重要だ。
尖閣の問題で大ポカをやらかしてしまったし、情勢は民主にやや不利かと思っていたら
みんなの党が候補を出さないと。
でも町村が接戦をなんとか制するのかな?
問題は、そのあと。

郷原さんの「今回の犯人隠避罪による二人の逮捕には、検察部内からも相当な反発があるのではないか、無理筋の逮捕だということが明らかになってくると、検察内部が内乱状態になりかねない。」という指摘は、私もいわれてみればそうそうとうなずくことばかり。

なので、検察が組織を守るためにも、汚名返上するためにも、“官政権”と取引して、
「国策捜査」も辞さない覚悟で、「公選法違反」または「政治資金規正法違反」で町村を
叩くのではないかと。
そういう捜査は辞めてほしいのだか。
思えば、去年の小林議員の事件にしても、選挙直前から、教員達が選挙活動でルールを守っていないと新聞沙汰になったり、例の社説騒動があったりした。だから、北教組がらみでなんかあってもおかしくないなとは思っていた。
でも、騒いでいたのが十勝だったので、石川議員の事だろうと軽く考えていた。
でも西松事件の時に気付くべきだったのですよね。
政権交代前に民主党が叩かれると。
でも今は、民主党と検察による国策捜査の危険性も念頭に置かないといけないのかもしれません。
小沢さんが強制起訴 ~ 誰でも有罪になる恐怖!! (yasu)
2010-10-04 19:37:27
ある意味、村木事件より、小沢さんの検察審査会の議決の方が検察にとって深刻な事態なのでは。
郷原信郎氏がツイートしてます。
汚名挽回どころじゃないですね。

「今回の検察審査会の議決書、理屈にも何もなっていない。虚偽記入罪の共謀がどのような場合に成立するのか、斎藤検事は、どういう説明をしたのか。補助弁護士の吉田という人は、政治資金規正法をどう理解しているのか。強制起訴になっても証拠がないのでまともな公判にはならない。(続く)
4分前 」


「(続き)この議決書に基づいて起訴すると言っても、その前提となっている解釈がおかしいので、証拠を取捨選択しようがない。結局、指定弁護士は、検察から提供された証拠を手当たり次第証拠請求するしかないのではないか。それは、石川氏らの公判にも影響する。今回の議決は検察にとっても深刻な事態。
45秒前」


そしてこうどどめを

「私がやることもないでしょう。誰が弁護人やっても無罪です。 」

検察が不起訴にしたのに、検察審査会という法曹資格のない人たちで構成する所に
強制起訴するとかを決める決定権を持たせてしまった。
今までは、政治的に大きな問題にまで発展しなかったけど、今回はそうなってしまった。
こういう制度を作った時に、弁護士に限るとか、せいぜい司法書士とか大学教授とかに限るとかしないで、文字通り、事情も法律もしらない素人が、感情論で人を裁くことにしてしまった。
これは「リンチ」と言い換えてもいい。
前田検事 (yasu)
2010-10-05 16:59:05
上杉隆さんのツイッター(アカウント@uesugitakashi) より

「【訃報】 戦後民主主義さん 65歳=日本国憲法創業者 戦後民主主義さん 65歳(せんご・みんしゅしゅぎ=日本国憲法創業者)先月14日死去。処刑は11名の近親者のみで執行された。密葬は今月4日検察庁にて。喪主は評論家の立花隆さんと検事の前田恒彦さん。弔辞は大江健三郎さんが朗読。」

小沢さんの強制起訴も踏まえて、【訃報】を書いたのだろうが、あまりにもブラックというか
毒が強すぎて、笑えないのが悲しいところだ。

そういえば、今週の週刊朝日に、この前田検事。
持ち込み禁止の私物パソコンを持ち込んで、
専用ソフトまで使って、証拠を改ざんしてた
と書かれていたが、どこまで本当だろうか。

検察への信頼を失わせるという、検察関係者にとって”押尾学”以上のお騒がせ男になってしまった、この検事、人間関係はどうだったんだろうか。
でないと、内部告発なんて形で事実が明らかになることはない。
三井環は「口封じ逮捕」されたし。
江川さんの提案 (yasu)
2010-10-05 17:11:03
江川紹子さんのツイッターでの提案です。
(アカウント@amneris84)
「検察官になる人の研修として、模擬被疑者体験というのを入れるといいと思う。身体検査されて拘置所に入れられ、番号で呼ばれ、手錠腰縄でバスに乗せられ、5年前くらいの自分の行動について取り調べを受ける。2泊3日くらいでそういうコースを入れてみたら、どうだろう」
ついでに、悪いことしたとメディアに書かれて、メディアスクラムに遭う。これで被疑者がどんな思いをするかが、少しはわかるだろう。
みんな忙しいのだろうか (yasu)
2010-10-09 13:17:45
皆さん忙しいのでしょうか?
それともツイッターのほうに夢中になってるのかな?
保坂氏のツイッターのフォロー数がどんどん増えていくのを見て、この人もはまってるなと思ったが、どこどこ日記に多少は影響は出てるのだろうか。

江川さんのツイッターもすごいですね。
内容といい、公式ブログといっていい。
個人的なつぶやきや猫語が多いのもまた魅力。
今後のブログ? (yasu)
2010-10-09 18:09:49
江川節満載のツイートも含め、今後の記事の
ご参考になればと思います。
(私は、決して軽いノリで書けばいいとは思っていません。ただ、ツイッターの流行がものすごいので)


1. amneris84 あにやってんだかRT @Hisaya_oh: @amneris84 国会で片山さつきが、蓮舫の国会内撮影を批判。ところが片山さつきも過去に同じ行為をしており、記者から違い追求される。大馬鹿(笑 
2. amneris84 今日の読売新聞社説。「検察改革 倫理規定と監督強化が必要だ」のタイトル。民間のコンプライアンス意識を徹底させる教育も参考にせよ、と。可視化、「人質司法」、証拠開示の問題にも言及。<検察は、解体的出直しで信頼の回復を図らねばならない>と。
3. amneris84 おしい!間違えるくらい、朝日は産経化 RT @yukilundeberg 1.3K 2.朝日でいかがでしょう?
4. amneris84 あたりぃ RT @mitakei @hirosato1223 ①朝日②産経
5. amneris84 新聞①<菅直人首相と民主党は小沢一郎元代表に対し、政治的なけじめを求めなければならない。証人喚問に応じるなど国会での説明を促し、離党勧告か除名をする。最低限、それが必要だ>新聞②<菅直人首相や岡田克也幹事長にとり、小沢氏に離党や議員辞職を求めることが政権立て直しの第一歩である>
6. amneris84 新聞の社説当てクイズ。次のツイートで社説の一部を紹介した新聞①と新聞②は果たして何新聞と何新聞でしょう
7. amneris84 女と女の対決みたいな構図?ますますくだらん。 RT @sweetie_marie 丸川さんが話してたけど… RT @amneris84: ファッション誌が国会内で蓮舫氏を撮影した写真を掲載したのは「問題だ」と、野党が抗議…くだらん

こんなのりがいいのかにゃあ?もちろんきちんとした文章もあるけど。
女性検事 (yasu)
2010-10-12 20:08:30
「東京新聞社会面が昨日の大阪地検の様子を伝えている。「泣いて訴えた」女性検事は、と。よく泣く人なのか。自らも村木さんを冤罪に陥れる活動に加わったことの罪滅ぼしのつもりで、事実をきちんと明らかにするようガンバレ」by江川紹子(アカウント@amneris84)※amneris=アムネリス 

週刊誌でも、顔写真付きで取り上げられているし、郷原氏も評価しているが、江川さんに「自らも村木さんを冤罪に陥れる活動に加わった」と指摘されているように、そんなにちやほやしていいのかにゃあ?

なんか本質を見失うような気がしてならない。

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