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【復刻版 あーまんの話】 水槽全景

2018-07-07 12:35:36 | 【復刻版 あーまんの話】

 水中に潜って魚を撮影する時に「待ち撮り」という技法をしばしば用います。
 水中では地上と違って遠くまで見通しがききません。
 沖縄の透明な珊瑚礁の海でも透視度が30メートルもあればいいほうです。
ですから、魚の写真を撮る為には、出来るだけ被写体に近づく必要があります。
ところが、異世界の見慣れない生き物が泡をブクブク吐きながら迫ってくるのですから、当然魚たちも警戒します。
いったん、魚が逃げにかかれば重いタンクを背負ったダイバーに追いつけるわけもありません。
 第一、そんなことをすれば息があがってしまって、タンクのエアがすぐに底をついてしまいます。
よしんば、運良く追いついてシャッターを切ったとしても、それは逃げる魚の写真であって、生態写真としてはあまり意味がないものです。
だったらどうするか?
 狙った相手の習性を踏まえたうえで、被写体の集まりそうな場所や通り道の近くで息を詰めて、ひたすら動かずにカメラを構えて待ち続けるわけです。
そうして風景に溶け込んでしまえば、やがて魚たちもダイバーの存在を忘れて、食事や喧嘩やデートなど日常の生活を見せてくれるようになります。
これが「待ち撮り」です。

しかし、この「待ち撮り」実際にやってみると、そう簡単ではありません。
まず、泳ぎ回りませんから体が冷えきってしまいます。
おまけに息を詰めますから酸欠で頭は痛くなるし、波や潮流にもまれながら、じっとしているのも一苦労です。
そこまでやって、思い通りの写真が撮れるかというと、これが運次第。
よほどの体力と根性と執念深さがないとすぐに挫折してしまいます。

プロとして活躍しておられるすべての水中写真家の方々に、みーばい亭は敬意を表します。

さて、あーまん達ですが、彼らも警戒心が強くて、写真を撮るのも一苦労です。
 水槽の前に立つと、すぐに猛ダッシュで水槽の奥に隠れてしまいます。
そこで、役に立つのが「待ち撮り」の技です。
あーまん達は頭上で動くものを強く警戒しますから、まず体を低くして目線をあーまんの高さに合わせます。
そのままの体勢でカメラを構えてじっと動かずにいるわけです。
すると・・ほら、ゴリが隠れ家から出てきました。
いったん警戒が解けると、餌を食べたり水を飲んだり、時には貝殻を着替えたりウンチをしたりと、自然な姿を見せてくれます。

 何十分もじっとしているのは大変そうに思われるかもしれませんが、何せ部屋の中ですから、ウエットスーツから冷たい海水がしみこんでくることもありませんし、波にもまれることもありません。
 何より思いっきり呼吸が出来るわけですから楽チンです。

でも本音を言えば、もう何年もつきあっているのですから、少しはなついて欲しいのですが・・。

 画像はあーまんハウスの全景です。
 真ん中を歩いているゴリの他にもナキオカヤドカリが2頭写っています。
 見つけられますか?

2004.4.4



はい、2018年7月7日の管理人でございます。

このカテゴリーの記事をアップするのは2年ぶり、やっと3回目。
ま、昔を振り返る機会が少ないのは今が充実しているわけで、誠にもって喜ばしいこと!
ということにしておきますか(^^;

さて冒頭の画像に写っているのは、14年前のオカヤドカリ槽、そして14年前の大御所ゴリさんです。
トミーが虐待玩具「ハーミーズクラブ」を発売して、不毛なオカヤドカリ騒動が勃発する直前。
我々ヤドカリ愛好家が、何の憂いもなく心からオカヤドカリ飼育を楽しむことができた時代の、最後の風景でもあります。
あれから何かと嫌なことが多くて、流行りに乗って知識もなく生き物であるオカヤドカリを「商品」としてぞんざいに扱う販売業者や、その取り巻きの提灯持ちブロガーに嫌悪感と敵愾心しか持つことができぬまま過ごした10余年。
未だトミーの悪行を許すことができない管理人だけれど、ブームの終焉と共にアホなブロガーが絶滅したことが唯一の救いかな?
オカヤドカリをよく知らない「自称プロライター」が、ネット上で拾った記事をつなぎ合わせた「オカヤドカリの飼い方」と称するキメラ記事が、やたらと目障りな今日この頃ではありますが・・(苦笑)

それはさておき。
今にして見ると当時はずいぶんとすっきりした水槽レイアウトでした。
オカヤドカリの飼育環境の半分以上は底砂だから、砂の厚みが充分ならこの程度のレイアウトでいいのかもね。
もっとも飼育頭数が少ないことが前提だから、無計画に繁殖させて野放図に殖えてしまった現状では脱皮槽設置やシェルター追加は致し方もなし。
時代は後戻りできないのだ。
こちら愛妻の宇論ちゃんと寄り添って平和に微睡む2018年7月7日の大御所ゴリさん。
14年前の画像と見比べると、ちょっと老けましたか。
まだまだ子どもたちが小さいんだから、頑張って長生きしてくださいね。

そして2017年3月9日に孵化してもうじき500日を迎える子どもたち。
もちろん「待ち撮り」の手法でパチリ。
生き物のスナップは目(複眼)に焦点を合わせるのが基本中の基本だけど、全然合ってませんね(^^;
フイルム時代と違ってコスト意識もなくおざなりにシャッターを切るから、上達しないどころかどんどん下手になっていくデジタル時代の管理人(爆死)

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4 コメント

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水槽全景 (トニー)
2018-09-30 22:58:10
いつもお世話になりました。

オカヤドカリの飼い方は香港と台湾の飼い方に紹介して皆さんがよく役に立つと言われました。

皆さんが波風さんの成体オカヤドカリの水槽全景レイアウトと仔ヤドカリの水槽全景レイアウトは参考したいです。時間があればブログで教えていただきませんか。
水槽全景 (トニー)
2018-12-04 10:27:31
こんにちは。水槽全景レイアウトのこと、だめならも教えてください。お願いします。
Unknown (波風)
2018-12-05 20:31:20
そのうち機会があれば開示しますが、今の季節は毛布に包まれた、ただの直方体です。
水槽全景 (トニー)
2018-12-06 01:05:00
はい。わかりました。
ありがとうございます。

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