現地に着いたのはお昼前。
船頭さんは先に着いて待っていました。
乗船名簿に記入しオレンジ色のライフジャケットを着て乗船。
船は「美浦丸」、定員は5名。
小さい船ではありますがしかし、これが北海道に残る最後の渡船かと思うと感慨深い。
川の流れは穏やか、波もありません。
目指すはすぐ向こう岸に見える美唄市の船着場。
距離にすればほんのわずかですが、石狩川はそのわずかの距離を人が渡るのを拒んできました。
そしてこの渡船は開設以来97年間、人々を乗せてここを行き来してきたのです。
船外機を鳴らして出発し美唄側に行きますが、
私は美唄に用事があって乗っているわけではないので上陸せずにそのまま戻りました。
わずかな距離とはいえそこは船、乗れば快適なのであります。
事前に思っていた以上に楽しく、渡船を堪能させていただきました。
これがなくなるのか…。
市と町がコストを負担して運賃無料で運営している上に橋が開通した。
それでは廃止もやむを得ないのでしょうがこれを文化や産業遺産として残す術はないのか?
開拓以来連綿と続いてきた渡船の歴史が閉じるのは非常に残念。
乗り終わってから美唄側の船着場に行きました。
大きな看板を掲げ待合施設もある浦臼川とは違い、破れかけた小さな「船着場」の案内があるだけ。
人を送り出す側と受け入れる側の立場の違いですね。
そこに浦臼町と美唄市の姿勢の違いを感じました。
そか、美唄市としては間違いなく廃止したいのだな。
続く
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