ジョージ・ルーカスが黒澤明の大ファンであることは、よく知られていますね。スター・ウォーズの大ヒット後には、黒澤監督の映画『影武者』の共同プロデューサーに名乗りを上げたほどです。
スター・ウォーズ制作以前、『アメリカン・グラフィティ』をヒットさせたとはいえ、まだ若手監督の一人に過ぎなかった頃、ジョージ・ルーカスは黒澤作品の一つ『隠し砦の三悪人』をリメイクしようと考え、映画化権を獲得しようと動きますが、その金額は一介の若手監督に手が出せるようなものではありませんでした。
ならば、自分で作っちゃおう。そうして『隠し砦……』をベースにしたオリジナルのストーリーを作り始めた。
それが、壮大なるスペース・オペラ『スター・ウォーズ』へと発展していくわけです。
黒澤明の映画、特に時代劇が好きだったであろうジョージは、黒澤時代劇がまとっている「空気」を、自作で再現したいと思ったのではないでしょうか。黒澤時代劇のまとっているもの、それは
特に言葉で説明されることのない、武士道、あるいは日本精神。
様々な文献に目を通したことでしょう。その中には、おそらく「陰陽思想」を扱ったものがあったかもしれない。
フォースにはおそらく、この陰陽思想が大きな影響を与えていると思われます。
まあ、色々勉強したとはいっても、それはあくまで、「空気」感を作りたかったがためのもの、要するに雰囲気作りです。
ですから、フォースというものを深く深く掘り下げてまで描くつもりはなかったでしょう。もっともらしい理屈をつけてはいますが、結局、魔法に毛が生えた程度の扱われ方しかされていない。
とはいえ、この雰囲気作りはかなり功を奏していると思われ、特にフォースのダーク・サイドという設定は、物語に一定の緊迫感を与えることに成功していると言えます。
アナキンがダース・ヴェイダーとなった理由も、ダーク・サイドの設定によりわかり易く見せることに成功している。
ダーク・サイド様様ですよ、実際(笑)
さて、タイトルにある「フォースに均衡を齎す者」とは、エピソード1『ファントム・メナス』において、強いフォースを持つ少年、アナキン・スカイウォーカー(ジェイク・ロイド)を「発見」したジェダイ・マスター、クワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)が、アナキンのことを語ったセリフです。
つまりアナキンこそが、生命の源であるフォースの乱れを糺し、ライト・サイドとダーク・サイドの均衡を生じさせる者である、ということでしょう。
ですから、均衡を齎すとはダーク・サイドを「滅ぼす」ということではありません。その点を勘違いされている方が多いように思われます。
ダーク・サイドとライト・サイドは陰と陽であり、表裏一体のもの、決して切り離すことはできないのです。どちらか一方を滅ぼすことなどできません。
両方が揃って、初めてフォースは「動く」。
そして、「生命」が生じるのですから。
エピソード1から3までの世界は、平和が続いたていた社会にダーク・サイドが台頭していく様を描いているわけで、つまりは均衡が乱れていく世界なんですね、そして4から6までは、台頭したダーク・サイドを収縮させていく物語なわけで、つまりはフォースに均衡を齎していくわけですね。
その均衡を齎した者
それは、アナキンなのか?
確かに、帝国皇帝パルパティーン(マイク・マクダーミド)を最終的に倒したのは、ダース・ヴェイダーつまりアナキンではありますが、アナキン一人の力で倒したわけではない。
そこに、息子がいたから
ルークがいたからこそ、皇帝を倒し得た。
アナキン一人の力では、決して為し得なかったことなのです。
このことから察するに、「均衡」を齎す者とはつまり、アナキンひとりではなく、
スカイウォーカーという「血筋」ではないでしょうか。
アナキンには父親がいません。母親であるシミ・スカイウォーカー(ベルニラ・アウグスト)が、ある日突然、独りでに妊娠し、生まれたのがアナキンなのです。
まるでキリストを連想させるような話ですが、つまりはアナキンとは、宇宙に遍く存するフォースそのものが、均衡を求めてこの世に送り出した存在。
フォースの申し子である、と考えられます。
フオースの申し子アナキン、その血筋であるスカイウォーカー家に、フオースの均衡を齎す役目、宿命が伝えられ続ける…どうやらスター・ウォーズ・サーガの本筋が見えてきたように思います。
これが本筋ならば、新作の主人公レイ(デイジー・リドリー)の抱えている秘密も、なにやら見えてきましたね。悪役であるカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)がスカイウォーカーの血筋であることは、すでに明かされています。やはりこれは、スカイウォーカー家の宿命の物語なのだね。
と、いうことはですよ。
フォースに均衡を齎すため、と称して、
物語を、どこまででも続けることができる、ということにもなります。
宇宙における戦争の物語を、いつまででも、どこまででも続けることができるわけです。
ダーク・サイドを滅ぼすことはできないのですから、均衡を守るためには、戦わねばならぬ局面が生じる可能性は常にある、ということでしょう。
エピソード7、8、9を超えて、10、11、12。
13、14、15……。
際限なく、どこまででも続けることができる、そういう目があるということです。
な~るほど、これがディズニーの「狙い」だったのか。
だからこそ、大金叩いて、権利を手に入れたのか。
さすが、商売上手(笑)。
なーんて、わかりませんけどね。
でも、あり得る話だと思いません?
今回はストーム・トルーパーに人間味を持たせたり、チューバッカに視線の動きとかで細かい芝居をさせている。チューバッカって今まであまり芝居をさせてもらってなかったんですよね。あれはすごく良いです。そういう細かいところまで気を配っているところが、今作の良い点だと思いますね。そういう積み重ねが、ある種の深みを持たせているのでしょう。
ハンはねえ…もう勇退したってことでいいんじゃないですか。また出てくることはないでしょうね。
案外サイボーグになって甦ったりして…コンドルのジョーか!?(笑)
いや大切なもの残してくれながら、、、 去るのがそう遠くない私達も、未来の子孫に残せるよう頑張ろう。 何を? 綺麗な地球、笑い合える人間、ご先祖供養と神祭? いやいや、まだまだ楽しみ増す象。 燕のアノ子は、トリトンと同じ声優、塩屋翼ちゃん! 笑