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エミル(エミール)・タバコフのヴィオラ協奏曲を聴く

2023-01-02 21:19:59 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回からは東欧世界の音楽をとりあげていきます。
今日は1947年ブルガリア生まれのエミル(エミール)・タバコフが、
2007年に作曲したヴィオラ協奏曲について触れる。
今回聴いたCDはアレクサンドル・ゼムツォフのヴィオラ、
エミル(エミール)・タバコフ指揮、
ブルガリア国立放送交響楽団の演奏である。
タバコフはブルガリア北部のルーセで生まれ、
ブルガリア国立音楽アカデミーでコントラバスを学び、
マリン・ゴレミノフからは指揮法を学んだ。
またその後は作曲についても学んだようである。
デンマークのコペンハーゲンで1977年に行われた
ニコライ・マルコ若手指揮者コンクールで優勝し、
その後は指揮者としてルーセ・フィルハーモニー管弦楽団、
ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団、
ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団など歴任し、
2014年にはブルガリア国立放送交響楽団の指揮者の地位に就いた。

第一楽章ラルゴ-ピウ・モッソ-ラルゴは、
ゆったりとしたヴイオラ独奏で始まり、重々しい感じで始まる。
協奏曲というよりはヴィオラ独奏によるつぶやきの部分と、
他の楽器がそれにのみこまれながら背景のように音を出し、
殺伐とした荒涼感を表現しているかのようである。
ヴィオラは語りかけてくる感じであり、
他の楽器とともにせわしい感じになり、切迫した感じになる。
そのあとは再びゆったりした感じでヴィオラ中心に音楽が展開され、
再びせわしない感じになり盛り上がっていき切迫した感じになり、
それが終わるとヴィオラ独奏の部分となり、
最後他の楽器も加わり神秘的な雰囲気の中静かに終わる。
第二楽章ラルゴは、ヴィオラ独奏で始まり、深遠な感じである。
他の楽器とも絡みながら、神秘的な音の世界がつくられていく。
ヴイオラ中心に独白時には対話のような音楽となり、最後静かに終わる。
第三楽章プレストは、4つの音からなる音型が変化しながら繰り返される。
追いつめられるような感じのこの4つの音型はとても印象的である。
いったいこのあとどうなるのかの不安感を持たせる。
その音型にヴィオラ独奏が絡んでいき、面白い。
途中静かになりヴィオラ独奏が歌うように奏でる部分があるが、
再び4つの音型が繰り返されていき、盛り上がったあと、
静まるがその中でも4つの音型はヴィオラに引き継がれ、
最後はピッコロの音とともに静かに終わる。
なかなかタバコフの音楽も面白い。

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