「干瓢のごま酢あえ」
主な伝承地域 下野市壬生町周辺
主な使用食材 かんぴょう ゴマ
歴史・由来・関連行事
数あるかんぴょう料理の中でも、「干瓢のごま酢あえ」は「干瓢の卵とじ」などと共に県民に親しまれている料理である。 栃木県のかんぴょう生産は全国の99%以上を占め、特に県南地域で栽培が盛んにおこなわれている。 かんぴょうとなるゆうがおの栽培には、排水の良い軽い土が好ましく、関東ローム層が広く分布するこの地域は栽培に適した場所である。 また、夏の風物詩である夕立が地表を冷やしゆうがおの根の伸びを促し、その水分がゆうがおの実を成長させる要因となっている。 このような土壌や気象条件に恵まれ、この地域にかんぴょう生産が定着した。 ゆうがお栽培の歴史は約300年前に遡り、下野壬生藩主の初代藩主となった鳥居忠英によりもたらされたと伝わる。正徳2(1712)年に近江国水口木津からゆうがおの種子を取り寄せ、栽培に成功したことにより、かんぴょうが生産されるようになったといわれる。
食習の機会や時季
かんぴょうと野菜をゴマ酢で和えるさっぱりしたシンプルな料理。野菜は季節にあるものを利用できるので、家庭で通年手軽に作ることができる。体の調子を整え、夏バテ予防にもよいかんぴょう。炭水化物のほかに、食物繊維やカリウム、カルシウムなどのミネラル成分が多く、食物繊維はゴボウの約5倍、ブロッコリーや大根の約7倍といわれる。
飲食方法
かんぴょうの食感を残すため、かんぴょうのもどし方は、料理により異なる。一般的には、ゆがいて使うことが多いが、漬物やごま酢あえはさっと洗い小さじ1杯の塩をふりかけ両手でよくもみ、弾力が出てくるまで柔らかくし、水で塩を洗い流してから、熱湯に20分程度浸して水気を絞る。
もどしたかんぴょうを3~4cmに切り、人参、油揚げ、キュウリなどと混ぜ、ゴマ酢を材料にあわせ、和える。食べる直前に和えるとよい。
かんぴょうは結ぶことのできる食材として貴重である。また、淡白な味が他の食材を引き立てるため、粉末にしてパンやお菓子に入れるなど、さまざまな使い方やアレンジができる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
栃木県内の学校給食では、特産物のかんぴょうを取り入れたメニューにより、地域の郷土料理として提供を推進している。
また道の駅しもつけで開催される栃木のかんぴょう祭りでは、かんぴょう料理の提供など、イベントを通して生産振興と消費拡大を図っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_11_tochigi.html より
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