第195回 2018年6月5日 「歩きやすくて健康的!~静岡 駿河の下駄(げた)~」リサーチャー: 桜庭ななみ
番組内容
下駄(げた)なのにハイヒール!鼻緒もカラフルで、カジュアルな洋装にもピッタリ。履くことで健康維持にも役立つという。その秘密は、つま先部分に施されたある工夫だ。この新感覚の下駄を生み出したのは江戸時代以来の産地・静岡。ここには、履き心地抜群の張下駄もある。下駄に貼られているのはなんと紙!耐久性に優れ、吸水力も強く、気持ちよく履き続けられる。これを可能にした職人の技を、女優の桜庭ななみがリサーチする。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201806051930001301000 より
1.駿河張下駄(丸山宗孝さん)
静岡市では、伝統工芸の職人として優秀な技術を有し、産業の発展と技術の継承に顕著な功績を持つ方を、「静岡市伝統工芸技術秀士」として指定しています。
「駿河張下駄」の職人で唯一指定を受けているのが、丸山宗孝さんです。
丸山さんは、お父様と共に、桐の木目を生かす「木目焼」を開発、その後は、天面に紙布を切り貼りする紙布張を施した
「張下駄」に重点を置き、焼下駄から張下駄まで幅広く製作し続けています。
丸山さんはまず、軽くて割れにくい桐材の表面にガスバーナーを当て、年輪の部分が浮き出たせます。
そして「イボタ」と呼ばれる粉で丹念に磨きます。
それから、板の表面に様々な「紙布」を切り合わせていきます。
「紙布」は針葉樹のパルプを布のように編んだもので、「紙布」を張ることで、心地よい肌触りになります。
丸山さんは、繊細な作業のために爪を手入れして長く保っていらっしゃいました。
2.駿河塗下駄(片桐雅夫さん)
「駿河塗下駄」は、静岡浅間神社の社殿の造営で根付いた漆の技術を応用したもので、漆を使って丹念に絵柄が描かれ、
観賞用の工芸品を思わせるものです。
その伝統を継承する片桐雅夫さんは、筆一本で絵画的な世界を下駄の上に描き出します。
一足作るのに数ヶ月を要するのだそうです。
3.「ハイヒール下駄」(げたのみずとり)
現在は、ヒールが高く、ファッショナブルでありながら、履きやすさも兼ねた下駄も誕生しています。
「ハイヒール下駄」を作るのは「水鳥工業」さん。
「水鳥工業」は、昭和12(1937)年に下駄木地の製造を行う会社として創業しました。
生活スタイルやファンションの変容に伴い、サンダルの中芯加工やシューズの中底加工を手掛けていましたが、二代目・水鳥正志さんの下駄への想いは尽きることがなく、現代のライフスタイルにも合う下駄作りを研究。
平成5(1993)年、「mizutori」ブランドをスタートさせました。
「mizutori」の下駄は、現代のライフスタイルに合わせ、色々なファッションにも合わせられるデザインであるのに加え、一日履いても足が痛くなりにくい、履き心地の良い下駄になっています。
また、森の再生に貢献すべく、地元静岡産の木材を使用した下駄作りにも取り組んでいます。
げたのみずとりは、下駄・サンダル・靴中底作りの職人技を凝縮させた『はき心地の良いげた』です。
伝統的な下駄の形に、ヒールをプラスし、約6.5cm のウエッジヒールがスタイルを綺麗に見せてくれます。
職人が仕上げた木地は、足裏に沿うように絶妙なカーブを描き、ピッタリフィットします。
木地には静岡産のヒノキを使用し、天然ヒノキならではの心地良さと優しさを感じられる贅沢な仕上がりとなっています。
鼻緒はソフトでクッション性があり、足当りが良く、足の甲を柔らかに包み込んでくれます。
下駄の先に作られたくぼみによって、歩行時に浮き指状態ではなくなるため、足の血流、全身の血液の流れが良くなっているのだそうです。
現在、水鳥工業では、メンズ、レディースから子供用まで約120種のラインナップを取り揃えています。
鼻緒ではなく、サンダルタイプや室内履きもあります。
勿論、子供用やメンズ用もあります。
*https://omotedana.hatenablog.com/entry/ippin/Shizuoka/surugageta より
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