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映画「CASSHERN」に思うこと

2005-11-28 22:57:13 | 映画
鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば、誰がやる!

「メトロイド」の映画化を考えていたら、以前観た「CASSHERN」のことを思い出した。
世間では駄作として扱われていた映画だったが、個人的にはそれほど嫌いではなかった。

言わずと知れた昔のアニメ「新造人間キャシャーン」を実写化した「CASSHERN」。
昔、「人造人間」だと思っていたけど、「新造人間」なんですねぇ。
アニメの方は当時にしては少し重いテーマだったにもかかわらず、かなり人気があった作品ですね。
再放送が少なかったのが残念です。

そんな人気アニメを映画化するというのは結構難しいと思われたが、まぁ出来は賛否両論。
監督の紀里谷和明は「脱・宇多田のダンナ」を狙って監督したものの、残念ながらそれから目立った仕事が無い気がするので「ダンナ」止まりなのではないでしょうか…。

公開から結構経っているので一部「ネタバレ」レビューしますので、まだ見ていない人は読まないほうが良いかも。

ストーリーは、アメリカの無い架空の世界、大戦が50年も続き世界は大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合の2大陣営に分かれていた。
長い戦いの末、亜細亜連邦は勝利し、東アジアのユーラシア大陸一帯を支配するに至ったが、極端な人種差別政策によりテロが絶えない。
化学兵器、細菌兵器、産業廃棄物による公害病は人工の40%以上に広がり、通常の医学はもはや限界に達していた。

そこで大東亜連邦共和国の遺伝子学の権威である東博士が公害対策の研究として「新造細胞理論」を提唱した。
新造細胞とは「第七管区」いる種族の身体に存在する細胞で、身体のどの部分にも適応する細胞の源で拒否反応は無いという素晴らしいものだった。
これが完成すれば公害で苦しむ人間を救うことが出来るということだった。
しかし医学界は神にそむく理論として無視、その代わり軍部が東博士に研究を続けるよう指示を出す。

この研究に没頭するあまり家族を省みない東博士に反発するように息子の東鉄也は戦地へ向かうことを決意する。
「まわりがみんな戦っているのに自分だけ戦わないわけにはいかない」という理由で、恋人の上月ルナを残し戦地へ向う。
しかし、戦地では不覚にも手榴弾の餌食となり鉄也は戦死してしまう。

その訃報を最初に聞いたのは公害で視力を失いつつある鉄也の母、東ミドリだった。
東博士はそれを聴き、鉄也を蘇らせようと新造細胞を使うが、実験体も蘇生してしまう。
蘇った新造人間たちは何かを隠すかのように次々を射殺されてしまう。
何とか逃げた新造人間の一人が人間に対し宣戦布告をし、戦いが始まる。

アニメとはかなり違う「反戦」という重いテーマのストーリー。
東博士もロボット工学ではなく遺伝子学という点も、ヒトゲノムが解析された現代には現実味があって面白い。
戦争を通して人命の尊さを問うという、ヒーローものとは一味違う物語となっている。

実際、東鉄也はアニメのように新造人間になったとともに次々と敵を倒すような強いキャラではない。
初めは自分をコントロールすることも出来ず這うように動くことしかできない。
まぁ、ぽっと出の正義の味方が敵を次々と倒し一件落着では子供騙しも甚だしいだろう。

そんな全然違う物語でもアニメを見ていた人がニンマリ出来る一コマもある。
キャシャーンの相棒として戦うロボット犬「フレンダー」が実は一瞬登場します。
どんな形で登場するかは見てのお楽しみ。

また、アニメのキャシャーンが被っているヘルメット、映画では出てこないの?あれがないとパワーが蘇らないはずでは?とお思いでしょうが、実はこれも一瞬登場します。
よく観て見つけてください。

死んだ人間が蘇るということは人間の永遠の夢なのかもしれないね…。
その夢をテーマにした映画もいくつかあったし。
1994年公開のロバート・デ・ニーロ主演の映画「フランケンシュタイン4」もその一つだ…。
未知の稲妻により不当な完成を果たす新造細胞は「フランケンシュタイン」へのオマージュなのかもしれない。

ストーリーもさることながら、この映画の話題は映像にもあった。
CGを駆使した映像は監督の紀里谷和明が得意な綺麗な仕上がりとなっている。

しかし、あまりにもCGを使いすぎてノッペリとした映像になってしまっているシーンもありちょっと残念。
上月博士の自宅でのシーンなどはまるで壁に描かれた家具の前に座っているだけのようにも見えてしまう。
あと、鉄也が戦死するシーンも暗く平坦すぎて何が起こっているのか一瞬理解できない。

もう少し使い方を考えたいというシーンがいくつかあったことが残念だった。
ロボットとの戦闘シーンも然りだ。
ロボットのみの画像を挿入することによって、戦闘をイメージで表す手法を行っているが、シリアスな映画には向かないのでは?
漫画でケンカの場面に煙がモコモコと描かれているようなイメージとなんら変わらない気がして残念。

全体の世界観はなかなか良い出来ですね。
上条将軍を称える華やかな街並みや、背徳の香りが漂う実験室、安息地を思わす森など、CGならではの綺麗な画面が目白押し。
また細かなことだけど、戦闘シーンでスコープを見ると、照準の数字が漢数字になっている。
これは亜細亜連邦ということで日本語を尊重しているということを強調しているのでしょうね。

しかし、これだけCGにこだわって映像化しているのに、最後のほうで一部だけ普通の映像っぽいシーンが挿入される。
なぜかすごく違和感があってちょっと残念だった。

すごく感動するでもなく、すごく気分爽快でもないな映画だが、そこそこ楽しめる映画だと思いますので観ていない人は一度は観て下さい。
まぁ、そのうちTVでもやると思うけどね。

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1 コメント

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お願い (ジョニーA)
2016-09-17 00:42:52
★マイブログに、トラバ&リンク&引用、貼らせて
もらいました。
不都合あればお知らせください(削除いたします!)
なにとぞ宜しく、お願いいたしまっす!

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