放送の電波の帯域にはUHFとVHFがあって、アナログ放送はVHFで、地デジ放送波はUHSであることは知っていた(というかこんな知識レベルで本当に自力で地デジ放送を受信できるのだろうか)。ちなみに、
UHF 帯とはultra hight frequency の略称で、300MHz ~ 3GHz の電波の周波数帯
VHF 帯とはvery hight frequency の略称で、30MHz ~ 300MHz の電波の周波数帯
まず購入すべきUHFアンテナを決める必要があるが、さあどれにするか。インターネットで「地デジアンテナ」「通信販売」で検索するといっぱいでてきた。日本橋あたりの電気屋で買ってきてもいいが、アンテナだけでなくその他諸々も必要なので、今回は通販での購入前提(まとめて購入すれば多分送料も無料になるし)。一番の問題は、実家が山の影でどれくらいの強さの電波を受信できるのかである。
届いている電波の強さを「電界強度」と呼び、単位はdB「デシベル」で表記される。地上デジタル放送推進協会のホームページを見ると、受信可能エリアとなっている地域は、電界強度が60dB以上のエリアを表していた。電界強度は60db以上で受信できるエリアを中電界地域、80db以上を強電界地域と呼んでいる。電界強度が60dbを切る地域は弱電界地域になり、一般には受信対象外とのこと。どうも実家の周囲の状況を考えると、実家あたりは中~弱電界でむしろ弱電界に限りなく近いのかも。そういえば先日クーラーの工事に来てくれた業者さんが、この業者さんは家電工事一般を請け負ってるというのでアンテナ工事について聞いてみると「ここからもうちょっと山影にいくと映らないですね、このあたりでギリギリ」と言っていた。となると、感度のいいアンテナを用意する必要がでてきた。
屋外設置専用のアンテナのカタログを見てみると、受信感度の目安として素子数が表記されている。素子数が多いほど受信感度は良くなる。素子数はエレメント数とも言われアンテナの短い横棒の数を表している。電波塔から距離が遠いほど=電界強度が低いほど素子数の大きいアンテナが必要とされる。カタログにあるのはだいたい14~30素子の範囲だった。ちなみに近所の家の屋根の上を見ると20素子くらいのアンテナがあがっていた。
よく見ると、同じアンテナを同じ方向に2本上げているお宅もある。これはもしかして昔大学時代に電磁理論で習った「スペースダイバーシティ」かも。そう思って調べてみると、テレビアンテナの場合は「スペースダイバーシティ」と言わず、「スタック受信」と言うらしい。ただ、スタックは思ってるほど簡単ではないようだ。二つのアンテナの位置関係、距離、相互干渉などもあって、専門家がそれなりの機器を使って設置しないとうまくいかないことが多いようだ。
悩んでいると、こんどは「パラスタックアンテナ」という言葉が目についた。このアンテナは、アンテナの素子がX状になっていて、波を導く部分(導波器)が縦2×横2並んだ性能がある。そのため水平スタック、垂直スタックと同等の性能が期待できるとのこと、しかも面倒な調整が不要である。導波器が多いので動作利得が高く、したがって電界強度の弱い放送区域外でも受信可能だが、その分指向性も鋭くなるようだ。ただ、アンテナの向き合わせはちょっと苦労しそう。
さらにアンテナのパンフを見ていると、機種によってオールバンド対応(13~62ch)、ローバンド対応(13~44ch付近まで)、ハイバンド対応(25ch付近から~62ch)の種類があることがわかる。調べると、奈良の実家で受信できる放送局とchは次のとおりだった。
(テレビ) (ch)(送信所)
NHK大阪 総合 24 生駒山
NHK大阪 教育 2 生駒山
毎日放送 MBS 4 生駒山
朝日放送 ABC 6 生駒山
関西テレビ KTV 8 生駒山
読売テレビ YTV 10 生駒山
テレビ大阪 TVO 7 生駒山
奈良テレビ TVN 9 生駒山
今回は念のため30素子のUHFアンテナで、パラスタックアンテナ(ローバンド対応)を用意することとした。