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大来塾(FORUM'80全期生会)

初代会長大来佐武郎氏の理念を掲げ、1978年末から活動を続ける現「一般社団法人総合研究フォーラム」の全受講生OB会です。

大来塾2016年度第2回例会のご報告

2017-02-27 15:38:50 | 新着情報

2017年1月19日(木)に開催された2016年度第2回例会では、岩手県知事の達増拓也氏にご講演をいただきました。ご講演の内容は以下のとおりです。

 

東日本大震災の復興と教訓

東日本大震災津波被害の概要

 平成23年3月11日の震災に関しては一般的には東日本大震災と呼称されていますが

 岩手県においては、震災に関しての直接被害は少なく、津波による被害が圧倒的であることから、東日本大震災津波被害という呼称を用いています、

  東北地方においては、過去120年間において4度の大きな津波による大きな被害を受けており46252人の被害者が出ています、そのうち岩手県は26000人以上の被害者が出ており国内最大の津波被害経験を持つ地域です。

 2 復興の状況

 (1)初動対応

 ・自衛隊や海外緊急援助隊による捜索活動

  自衛隊においては、発災直後より7/21までの間12000人以上の人員を投入して頂き、行方不明者の捜索、炊き出しなど非常に多くの活動をしていただいた。ただし自衛隊のこの活動は、人命に関する危機を救うという条件がついていることは、あまり知られていない。 海外からの緊急援助隊に関しては、米国、英国、中国からの援助隊を外務省からの打診で受け入れ、大船渡市に入っていただいた。この一方、マスコミが大船渡市に集中することなり、一時混乱することもあったが外務省主導で整理願うよう依頼を行った。

  ・広域医療拠点の設置

  花巻空港において、初めてのSCU(ステージングケアユニット)を使用してのDMAT(災害派遣医療チーム)の活動が実施された。 岩手県では、県立では最多の20の県立病院を保持しており、岩手医療大学などとの効率的な連携運用を実施しました。

  ・支援物資の供給

  支援物資の供給については、3/11までエリアの自治体である市町村に対し直送されていたが、3/11についてはエリア自治体が壊滅的な被害を受けており、県として岩手県産業文化センター(8000人収容規模、高床加重施設)を物資集積拠点とし、県とトラック協会(物流と倉庫運営経験者)による体制を構築し機能させました。

  ・応急仮設住宅

  県知事として、新年度の仕事始めは毎年、事前に各地の応急仮設住宅に前泊を行いそこから毎年の訓示を発信していますが、やはり応急仮設住宅というものは居心地のよい環境では決してなく、現在でも14000人の応急仮設住宅で暮らされている方々がいます。オーストラリアのクライストチャーチの地震後の対応などを聞くと、ホテルを使用したり、ホームステイを行うなどの方法をとっており、日本の応急仮設住宅の運用に関してはまだまだ改善の余地はあると考えています。

 (2)基盤復興

 ・復興計画の策定

  『いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造』を目指す8年間の復興計画を策定しました。8年間という設定については、高齢者にとっては10年では長すぎ、5年では実施する人々にとっては短すぎ非現実的であることからの設定であります。

 ・災害廃棄物の処理

  災害廃棄物については、セメント資源などへの転用を行い80%の再利用を行うことができました。

  ・事業用地の確保

  高台移転などの事業用地確保に関しては、確保対象用地の未相続問題など、まだまだ法整備の必要があると感じています。

  ・なりわい再生

  阪神淡路大震災の場合は、近隣の大阪・京都エリアのような、『仕事ができる場所』がありましたが3/11の場合、産業すべてが壊滅的な被害をうけており、生業から再生する必要がありました。個人事業主の多い水産業などの場合、行政からの補助金制度の適用が、私有財産の補助ができないことから困難でありましたが、グループ補助金制度を活用することにより再生することができました。

 (3)本格復興

 ・復興事業費の推移

  復興事業費の推移については、一般的には発災直後に大きく、年度と共に縮小していくように思われがちですが、現実には発災後4年間かけて増え、5年目に最大値となり以降縮小して行きます。

  ・恒久的な住宅への移行

  通常震災の後の再建については、同一敷地に行いますが、津波被害地の場合はかさ上げ処理などを行う必要があるところが異なる点です。有効な高台の少ない三陸においては、山側の土砂を削り、海側にかさ上げする手法を用いますが、トラックによる土砂輸送ではあまりにも長大な時間が必要となることから、コンベアを設置し土砂を運搬する手法を実施し大幅に短期化いたしました。

  ・教育環境の整備

  津波震災孤児遺児のための『いわて学びの希望基金』をたちあげ、有効活用がされています。

  ・若者・女性の参画、津波災害の風化をさせないための記念公園設置やドラマ化なども積極的に行っています。

 3 防災・復興に関する岩手県からの提言

 ・第3回国連防災会議

  仙台をメインに開催された第3回国連防災会議において、岩手県から『防災・復興に関する岩手県からの提言』を世界に発信するなど積極的に発信をしています。

  ・地方自治体間の水平補完

 地方自治体間における応援大成などの水平補完の体制を整備することを提言しています。

  ・防災教育の推進、防災文化の醸成、高機能道路の整備などを進めて行きます。

 4 希望郷いわて

 ・ラグビーワールドカップ2019釜石開催などのレガシーを次世代に受け継ぐような活動を行っています。

 5 地方創生

 ・地方人口の現状、一般財源との関係、経済好不況との関係、マクロ経済政策の提言などを積極的に提言して行きたい。

 ・ふるさとを消滅させないふるさと振興の展開

 ・岩手を支える新たな力(Uターン、Iターン)の紹介

 ・リニアコライダー誘致に向けての思い。

 

 以 上

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