2016年1月21日(木)、18時30分より「有楽町電気ビル 監査法人トーマツセミナールーム」にて第2回例会が開催されました。今回は、「横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本 晴義先生」を講師としてお招きしました。山本先生は、1972年東北大学医学部をご卒業され、2001年より現職に就任されました。年8,000件にも及ぶメール相談への応対や、全国でのご講演など大変お忙しい中、本日、貴重なお時間を割いてお越しいただきました。
2014年6月、労働安全衛生法が改正され、「ストレスチェック制度」が導入されることが決定し、昨年(2015年)12月、制度が施行されました。厚労省より4つのケアとして、①セルフケア(労働者自身のストレスへの気づきと対処)、②ラインによるケア(管理監督者の職場環境改善、部下からの相談対応)、③事業場内産業保健スタッフ等によるケア(①②への支援)、④事業場外資源によるケア(EAPの利用など)の指針を出し、事業者に安全衛生管理体制を整備させ、社員のメンタルヘルス予防を義務付けました。
講義は、「仕事のできる人ほどうつになる。家族を幸せにできる労働者になってください。ストレスチェックの基本目的は、倒れない労働者になることです。」という山本先生の大きく、かつはつらつなご発声でスタートしました。
メンタルヘルスの自覚症状として、「背中の痛み」、「肩の凝り」、「疲れやすい」などの身体的症状と、「人混みの中で気分が悪い」、「寝つきが悪い」、「何かするのに億劫になる」などの精神的症状がある。
昨年、日本の自殺者は24,000人におり、そのうちの7割は男性であった。メンタルヘルスは、①ストレス1日決算主義、②ストレス解消法の構築、③「話せる人」を作る、などでその予防ができる。
毎日働ける楽しさを感じ、ストレスは1日で解消し、週末まで持ち越さない。そのためにも、日常生活の中で実践できるストレス解消法を見つける。そして、家族、友人、同僚など相談できる人を作り、一人で悩まない事。男性の自殺率が高いのは「相談しない」ことが大きな理由と考えられている。酒はストレス解消にはならず、逆に自殺を促進してしまうので避けなければならない。
講義中は、終始、ユーモアを交えながら楽しく、笑いあり、時に真面目にここ最近のメンタルヘルスの実態、その予防策などについてお話しいただき、1時間半の講義はあっという間に終了し、その後、隣の会場で出席者との懇親を深めました。
【相談先】
横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長
山本 晴義 mental-tel@yokohamah.rofuku.go.jp
【参考情報】
「こころの耳」(厚労省HP) http://kokoro.mhlw.go.jp/