大来塾(FORUM'80全期生会)

初代会長大来佐武郎氏の理念を掲げ、1978年末から活動を続ける現「一般社団法人総合研究フォーラム」の全受講生OB会です。

大来塾第2回例会のご報告

2016-01-25 13:03:15 | 新着情報

2016年1月21日(木)、18時30分より「有楽町電気ビル 監査法人トーマツセミナールーム」にて第2回例会が開催されました。今回は、「横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本 晴義先生」を講師としてお招きしました。山本先生は、1972年東北大学医学部をご卒業され、2001年より現職に就任されました。年8,000件にも及ぶメール相談への応対や、全国でのご講演など大変お忙しい中、本日、貴重なお時間を割いてお越しいただきました。

 

2014年6月、労働安全衛生法が改正され、「ストレスチェック制度」が導入されることが決定し、昨年(2015年)12月、制度が施行されました。厚労省より4つのケアとして、①セルフケア(労働者自身のストレスへの気づきと対処)、②ラインによるケア(管理監督者の職場環境改善、部下からの相談対応)、③事業場内産業保健スタッフ等によるケア(①②への支援)、④事業場外資源によるケア(EAPの利用など)の指針を出し、事業者に安全衛生管理体制を整備させ、社員のメンタルヘルス予防を義務付けました。

 講義は、「仕事のできる人ほどうつになる。家族を幸せにできる労働者になってください。ストレスチェックの基本目的は、倒れない労働者になることです。」という山本先生の大きく、かつはつらつなご発声でスタートしました。

 メンタルヘルスの自覚症状として、「背中の痛み」、「肩の凝り」、「疲れやすい」などの身体的症状と、「人混みの中で気分が悪い」、「寝つきが悪い」、「何かするのに億劫になる」などの精神的症状がある。

 昨年、日本の自殺者は24,000人におり、そのうちの7割は男性であった。メンタルヘルスは、①ストレス1日決算主義、②ストレス解消法の構築、③「話せる人」を作る、などでその予防ができる。

毎日働ける楽しさを感じ、ストレスは1日で解消し、週末まで持ち越さない。そのためにも、日常生活の中で実践できるストレス解消法を見つける。そして、家族、友人、同僚など相談できる人を作り、一人で悩まない事。男性の自殺率が高いのは「相談しない」ことが大きな理由と考えられている。酒はストレス解消にはならず、逆に自殺を促進してしまうので避けなければならない。

講義中は、終始、ユーモアを交えながら楽しく、笑いあり、時に真面目にここ最近のメンタルヘルスの実態、その予防策などについてお話しいただき、1時間半の講義はあっという間に終了し、その後、隣の会場で出席者との懇親を深めました。

 

【相談先】

横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長

山本 晴義 mental-tel@yokohamah.rofuku.go.jp

 

【参考情報】

「こころの耳」(厚労省HP) http://kokoro.mhlw.go.jp/

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大来塾2015年度第1回例会のご報告

2016-01-22 15:37:25 | 新着情報

第1回の例会では、明治大学国際日本学部専任講師で、昨年『「肌色」の憂鬱─近代日本の人種体験』を出版され、今年の文藝春秋3月号において「日本を変える女性120人」にも選出された眞嶋亜有先生をお招きし、「水虫と日本人」と題してご講演いただきました。

 ハーフでも帰国子女でもない「純ジャパ(ニーズ)」として育った眞嶋先生が「日本人論」に取り組むに至ったきっかけは、日本人が西洋人に相対したときに見せる一種の卑屈さに衝撃を受けたという原体験だったというお話から始まり、日本人にとって西洋化、国際化、グローバリゼーションとはどういうことを意味するのかを追究してこられる中で得られたさまざまな知見をお話しいただきました。

 先生は、日露戦争以降の日本(人)が、西洋を権威化し、西洋的尺度の中で「一等国」たろうとした結果、「日本が日本であり続けるためには日本を否定しなければならない」という厳然たる命題を背負ってきたといいます。

 しかし、自己否定から満足は生まれませんし、「日本が日本であり続ける限り、日本を捨てきれるはずがない」という当然の命題との間で自己矛盾が生じ、安定した自意識の形成が阻害されて、これだけ努力しているのに西洋に認められないのは、肌の色の違いに代表される人種の違いのせいだという「自己醜悪視」に陥ってしまったのが近代の日本人の精神構造の特徴で、それは現代でも何ら変わっていないと見ておられます。

 先生は、現在、「水虫」というごく身近な題材から、例えば「湿気」をキーワードとして、日本の社会・文化・思想、さらには父親が妙に煙たがられる奇妙な日本の家族のあり方を読み解き、日本人の死生観を掘り下げるという試みをされているそうで、このようにユニークな切り口を提示された先生が、次回の著作でこれをどのように料理されるのか、たいへん楽しみなところです。

 参加者は、眞嶋先生のバイタリティにあふれる(また時にはユーモラスな)語り口に押され気味ではありましたが、その後の懇親会では、会場に用意された『「肌色」の憂鬱』があっという間に売り切れ、眞嶋先生の前にサインを求める会員たちの長い列ができました。先生にはほとんど飲まず食わずで最後までにこやかにこれに応じていただき、さながら「著者サイン会」の様相を呈しておりました。

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