「六諭衍義」(りくゆえんぎ<18世紀~>)は寺小屋の“教科書”になった。中国(明の時代)の時の皇帝が民衆に与えた「6つの教え」について書かれた“解説書”である。その“6つの教え”とは?・・・
・1つ目の教え・・・孝順父母(父母に感謝し、親孝行しなさい)
・2つ目の教え・・・尊敬長上(目上の人を尊敬し、礼儀正しくしなさい)
・3つ目の教え・・・和睦郷里(ふるさとを愛し、助け合って生きなさい)
・4つ目の教え・・・教訓子孫(子供に愛情を注ぎ、教え導きなさい)
・5つ目の教え・・・各安生理(自分の境遇を受け入れ、努力しなさい)
・6つ目の教え・・・母作非為(悪い行いをせず、よい行いをしなさい)
という教訓である。程順則(ていじゅんそく)は当時の<琉球国=沖縄>の学者、教育者で“久米村”(くめむら)の出身であった。彼は中国へ渡り研鑽を重ねるうちに、この「六諭衍義」に巡り合い感銘を受けた。是非、自国 琉球国でもこの素晴らしい書を広めたいと思い持ち帰った。そして当時の学校「明倫堂」で中国語の教科書として使用した。この本は薩摩藩(現在の鹿児島県)を通して日本にも知れ渡った。時の将軍 徳川吉宗は、この本が民衆を教育するのに最適だと感じ、漢文で書かれたものを日本語に直して寺小屋の教科書(道徳)にして全国に広めた。・・・
※付記:「程順則」は久米村(現在の那覇市久米)の出身である。久米村は中国から帰化した人々の集落であった。主に通訳、文書作成、船の操縦等々を琉球の高官や人達に教えていた。帰化した人々は「36姓」と呼ばれた。
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