沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(中北組合と所沢市の違い)概要版

2016-06-08 11:39:25 | ごみ処理計画

この記事は、中北組合と所沢市の違いに関する記事の概要版です。

会計検査院調査報告(平成26年9月30日) 

(注)所沢市は中北組合とほぼ同時期に溶融炉の供用を開始していますが、平成25年度においては溶融炉を稼動していました。しかし、溶融スラグの委託処分を行っていたために、会計検査院から是正の要求を受けています。なお、平成14年度と平成15年度において溶融炉の供用を開始した市町村のうち、所沢市と同様に溶融スラグの委託処分(溶融炉の不適正な運用)を行っていた市町村は7つありました。

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(注)会計検査院が意見表示を行った根拠法は地方財政法第8条の規定になりますが、この規定は平成28年度においても改正されていないので、この資料は平成28年度においても有効な資料になります。

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所沢市建設環境常任委員会議事録(平成27年7月17日)

(注)中北組合は平成25年度においては溶融炉の適正な運用を行っていました。そして、平成25年度に溶融炉の不適正な運用を行っていた所沢市は平成27年度から適正な運用を行っています。しかし、中北組合は平成26年度から不適正な運用を行っています。

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(注)溶融炉に関する平成26年度からの中北組合の事務処理を適正な事務処理とした場合は、所沢市の事務処理は不適正ということになってしまいます。また、中北組合の事務処理を適正な事務処理とした場合は、所沢市も平成27年度から溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行うことができたことになります。

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(注)浦添市は中北組合や所沢市の約1年前に溶融炉の供用を開始していますが、平成24年度に長寿命化を実施して溶融スラグの利用を促進しています。したがって、中北組合の事務処理を適正な事務処理とした場合は、浦添市も不適正な事務処理を行っていることになってしまいます。

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(注)浦添市は間違いなく公共の発想で適正な事務処理を行っています。したがって、浦添市から見ると中北組合は民間の発想で不適正な事務処理を行っている自治体ということになります。しかし、その浦添市は中北組合(中城村・北中城村)との広域処理を推進しようとしています。

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(注)浦添市が中北組合の不適正な事務処理を適正な事務処理と考えている場合は、沖縄県においては市町村が公共の発想で事務処理を行っていても民間の発想で事務処理を行っていても、どちらも適正な事務処理を行っていることになってしまいます。

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(注)広域処理に関するルールは内地も沖縄県も同じルールになっています。したがって、1市2村が広域処理を推進する場合は、まず、中北組合が法令違反を是正しなければなりません。その上で、浦添市のごみ処理計画との調和を確保するための施策を決定しなければなりません。そして、ごみ処理施設の長寿命化も行わなければなりません。ただし、中北組合の溶融炉は国内で稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない溶融炉であり、焼却炉は塩分濃度の高い飛灰(ばいしん)が排出される流動床炉であるために、溶融炉を再稼動する施策や焼却灰の資源化を外部委託する施策は浦添市の財政に累を及ぼすような施策(地方財政法第2条第1項の規定に違反する施策)になります。

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(注)平成28年度において中北組合が所沢市と同じように適正な事務処理を行っていれば、平成30年度には広域組合を設立することができたことになります。また、中北組合が平成26年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止していれば平成27年度には国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を実施することができたので、平成28年度には広域組合を設立することができたことになります。

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(注)中北組合は平成26年度から民間の発想で不適正な事務処理を行ってきていますが、中北組合が民間の廃棄物処理業者であれば地方財政法は適用されないので適正な事務処理を行っていることになります。しかし、中北組合は地方公共団体なので、法令に違反する不適正な事務処理を行っている場合は浦添市との広域処理を推進することはできないことになります。

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(注)平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定期限になっています。1市2村は当然のこととして広域処理を前提とした「行動計画」を策定することになりますが、万が一、2村(中北組合)が平成28年度も民間の発想で事務処理を行っている場合は、適正な「行動計画」を策定することはできないことになります。

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(注)1市2村が今年度中に適正な「行動計画」を策定するためには、その前に中長期的なコストの見通しを立てなければなりません。しかし、地方財政法や国の施策、県の計画、会計検査院の是正の要求等を無視して民間の発想で事務処理を行ってきた中北組合が中長期的なコストの見通しを立てるためには6ヶ月程度の準備期間が必要になります。ただし、琉球大学に技術的援助を依頼しなければ間に合わない状況になっています。

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(注)1市2村が今年度中に広域処理を前提とした適正な「行動計画」を策定することができないと判明した場合は、広域処理を白紙撤回して単独更新を前提とした「行動計画」を策定することになります。なぜなら、浦添市は一貫して公共の発想で事務処理を行っている自治体だからです。なお、浦添市は単独更新を前提にして「行動計画」を策定する場合であっても、公共の発想で適正な事務処理を行ってきているので、中長期的なコストの見通しについては補助金を利用して地方債を発行することができます。しかし、民間の発想で不適正な事務処理を行っている中北組合(中城村・北中城村)は補助金を利用することも地方債を発行することもできないので、40億円以上の自主財源を確保しなければならないことになります。

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【結論】

(1)浦添市は公共の発想で事務処理を行っているので、今年度中に適正な「行動計画」を策定することになる。

(2)浦添市が今年度中に広域処理を前提とした適正な「行動計画」を策定するためには、遅くとも12月までには中北組合(中城村・北中城村)が「行動計画」に対する中長期的なコストの見通しを立てなければならない。

(3)平成27年度まで民間の発想で事務処理を行ってきた中北組合(中城村・北中城村)が広域処理を前提とした「行動計画」に対する中長期的なコストの見通しを立てるためには6ヶ月程度の準備期間が必要になる。

以上により、中北組合(中城村・北中城村)が6月まで(中城村の村長の任期が満了するまで)に、①法令違反を是正する施策、及び、②浦添市の財政に累を及ぼさない施策を決定しなかった場合は、1市2村は広域処理を白紙撤回して単独更新を前提とした「行動計画」を策定するための事務処理に着手することになると考えます。

広域処理の成功を祈ります。


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