僕は音楽はもっぱら耳で聴き、テレビなどもみたりしない。
しかし歌劇やバレエといった視覚に訴える芸術があることはもちろん存じている。
20世紀前半ロシアの舞台デザインが多くの国に広まったという。
そこにはディアギレフ率いる、バレエ・リュスという存在、美術と舞台芸術を総合しようとした存在が多くの意味を持っていたことだろう。
バレエ・リュスの第一回公演は1909/5パリだ。ロシア国内での公演はまったくなかったのだ!
そのディアギレフと仲間たちを扱った展覧会を東京都庭園美術館に観に行く、「舞台芸術の世界」だ。
バレエ・リュスで傑出していた美術家は二人いる、バクストとブノワだ。
バクストは特に「シェヘラザード」といった東洋的主題に優れていたという。
この人の描く舞台デザイン展示41「オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」」などまばゆいばかりだ!
有名な歌劇ももちろんある、モーツァルトの「魔笛」は展示130,131、シュトラウスの「薔薇の騎士」は、衣装が展示される。
バレエ・リュスの写真も目に付く、ご存知ニジンスキーは猫のように軽やかな身のこなしというがどんなものだったのか。
さて、アヴァンギャルドや未来派の時代になるとデザインもそれ相応なものになる。
作り手が「最初の未来派オペラ」とよんだのは、「太陽の征服」で1913/12に初演されたという。
台本は「超意味言語」で書かれたというが、つまりは通常の言語の解体だ。
新館ロビーではバレエ・リュスのバレエも映像で流されておりわくわくしどおし。
難を言えばカタログの作品解説の文字が小さすぎることであろうか。
たっぷりと二時間をすごした。