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鑑定合戦?

2017-02-25 22:07:36 | 日記
相模原の大量殺人事件の被告が起訴されて、裁判員裁判で裁かれることになった。
「自己愛型パーソナリティ障害」というのが、検察側の鑑定人の意見で、それだと、責任能力に影響はないのが判例だから、死刑は確実。
弁護側も、当然、精神鑑定を求めるだろう。
公判の途中で、鑑定やる訳にはいかないから、公判前にやって、毎日新聞の言葉を借りれば、「鑑定合戦」の裁判になるだろうが、これは、普通の裁判員には、荷が重すぎる。
裁判員裁判の模擬裁判で、精神鑑定を導入してみて、「うつ病の影響が殺人の犯行には影響している」と例示してみたら、模擬裁判員は、「うつ病の人が、人を殺せるだろうか?」と、鑑定結果と関係ない議論をはじめてしまって、職業裁判官は「これは、裁判員に期待される市民感覚ではなく素人感覚だ」と嘆いたという。
つまり、素人市民は、精神医学の基礎知識もない。
例えば、自閉症スペクトラム障害ブームだが、定義されている「特定の物へのこだわり」「社会性の欠如」この二つを満たす人はたくさんいる訳で、そのほとんどが、自閉症スペクトラム障害では「ない」
自閉症スペクトラム障害と診断されるには、更に
.その症状は非常に早期に出現していた
.その症状は、社会的職業的営みを果たすに、障害となっている。
この二つも満たさないといけないので、多少、対人関係が悪くても、普通に社会生活を送っている方はたくさんいらっしゃるから、そういう人を、自閉症群に入れる訳にはいかない。
ところが、テレビや雑誌が煽るから、自分も、発達障害者かと思ってしまう。
診断基準を良く読めばいいのだが、読まずに、医者のところに、「私は、自閉症スペクトラム障害です!」と自己診断する者が押し寄せる。
こういう素人さんが、裁判員になって、鑑定医の難しい言葉を聴いて、理解出来るのかという不安もある。
少なくとも、相模原の事件は、職業裁判官だけで裁いた方が良い。
良く、裁判員裁判の判決を、上訴審がびっくり返すと、何の為の裁判員裁判か?という声が上がるが、高裁の裁判官もほとんどが、高裁に来る前は、何処かの地裁の、部統括判事として裁判員裁判を経験している訳であり、その経験も踏まえて、この裁判員裁判の結論は宜しくないと判断したことを忘れてはならない。
あと、簡単な事件は、簡易裁判所で扱われるが、簡易裁判所も馬鹿にしてはいけない。
簡易裁判所の定年は70で、要は、高裁の部統括判事を勤めて、退官された判事がまた勤めたりもする。
実際、去年の、東京高裁で、懲役刑が確実な窃盗事件で、罰金刑、医療継続の判決が出たが、その裁判を裁いた一審の簡易裁判所の判事は、高裁の部統括判事をされた方で、そんな事、高裁の判事は皆分かっているから、先輩に敬意をあらわして、高裁のどの部にまわっても、検察側の控訴棄却となったろう。あの事件は、別に、高裁が新しい判断を示した。という意味ではないのだ。