Owenのモノグラフ 2
581
Scellidosaurus Harrisonii 頭蓋側面 Issue 56. Tab. 4. Dorsetshire産 大英博物館所蔵
⚪︎ Owen, Richard 1861 Monograph of the British Fossil Reptilia from the Oolitic Formations. Part. 1.
Scelidosaurus Harrisonii and
Pliosaurus grandis Palaeontological Society, London. Monograph. Vol. 13, Issue 56: 1-14, Tabs. 1-7(ウーライト層の化石爬虫類モノグラフ。第1部:
Scelidosaurus Harrisonii と
Pliosaurus grandis)
Scelidosaurusは、鳥脚類の恐竜で、ステゴサウルスやアンキロサウルス類のようなグループの祖先に当たる。この属・種はここで命名された。現在も同じ学名で扱われている。ただし種小名は規約に大文字から小文字に変更されている。
582
Scellidosaurus Harrisonii 右後肢側面 Issue 60. Tab. 11. Dorsetshire産 大英博物館所蔵
⚪︎ Owen, Richard 1863 Monograph on the Fossil Reptilia from the Oolitic Formations. Part. 2.
Scelidosaurus Harrisonii and
Pliosaurus grandis. Palaeontological Society, London. Monograph. Vol. 14, Issue 60: 1-21, Tabs. 1-10.(ウーライト層の化石爬虫類モノグラフ。第2部:
Scelidosaurus Harrisoniiと
Pliosaurus grandis)
583
Iguanodon Mantelli 左前肢足裏側 Beckles 氏のコレクション Sussex州のWealden 粘土層産
⚪︎ Owen, Richard 1872 Monograph of the Wealden Formation. Supplement No, 4.
Iguanodon. Palaeontological Society, London. Monograph. Vol. 25, Issue 114: 1-15, Tabs. 1-3.(Wealden層の化石爬虫類モノグラフ。追補4:
Iguanodon)
Iguanodonの前脚で、右下に突き出しているのは親指側にある突起の骨。初期の復元で、サイのような鼻先の角とされた骨である。
584 Owen 1875. Tab. 19.
Omosaurus armatus Owen ジュラ紀
⚪︎ Owen, Richard 1875. Monographs on the British Fossil Reptilia of the Mesozoic Formations. Part 2. Genera
Bothriospondylus,
Cetiosaurus,
Omosaurus). Palaeontographical Society Monographs. Vol. 28: 15-93, Tabs. 3-22.
Omosaurusは、ステゴサウルスに近い恐竜で、属名はワニのような体型のArchosaur の一種に先取されていたので、のちに
Dacentrurusという属名に置き換えられた。従って、現在の名称は
Dacentrurus armatus (Owen, 1875) となる。属名
Omosaurusを先に名付けたのは次の論文。
⚪︎ Leidy, Joseph 1856. Notices of Remains of Extinct Vertebrated Animals discovered by Professor E. Emvions. Proceedings of the Academy of Natural Sciences of Philadelphia vol. 3: 255-257, (Emvirons 教授が発見した絶滅動物の化石に関する通知)
Owenの論文には直線的なトゲ状の骨があって、背中の後方の棘と考えられている。上のスケッチの標本には骨盤などが一緒に含まれていて興味深い。
585
Ichthyosaurus. Issue 166, Tab. 28.
⚪︎ Owen, Richard 1881. A Monograph of the Fossil Reptilia of the Liassic Formations. Part 3. Ichthyopterigia. Palaeontographical Society Monographs. Vol. 35, Issue 166: 83-134, Tabs. 21-33.
図は一番上が
Ichthyosaurus communis の復元図で、まだこの時代には尾びれの部分の脊椎の下方への屈曲は知られていなかった。他の標本でこの屈曲が(現在の知識を持って見ると)分かるものはいくつかあるが、ドイツのホルツマーデンのように側方を見せている標本がイギリスでは少ないようだ。2段目の左は
I. acutirostris 頭蓋の側面、右側は
I. communisの肩帯と上腕骨、三段目は
I. longorostrisの頭蓋側面、下は
I. communisかと思われる個体の後肢(ヒレ)で、軟体部が保存されている興味深い標本である。次回このモノグラフの主題である魚竜について少し追跡してみよう。