4月 Wright 1878 Plate 3, Fig. 1. Arietites bisulcatus (Bruguière)= Arietites multicostatus (Sowerby)
図の出典は3月と同じ。
標本はイギリス・Gloucestershire州のSevern河岸のFrethern で採集され、この時(1878年)にはGloucester のSchool of Art and Scienceに所蔵されているという。標本のサイズの記述は図版の解説にも本文にも見当たらない。スケッチでは標本の右の螺巻の表面に、縫合線が書き込んである。図版ではこの図の左上に、縫合線の平面化した図を示している。
4月−2 Wright 1878 Plate3, Figs. 2,3. Arietites bisulcatus (Bruguière) = Arietites multicostatus (Sowerby)
左はアンモナイトの腹面で、右の曲線が縫合線。方向が合うように回転して配置してみた。縫合線の左端のところに縦の二本線が書いてあって、これがサイファンクル(連通細管)で、左右は対象だから片方だけが書いてある。図でわかるようにこの縫合線では下方が住房・開口側である。
種 Arietites bisulcatus (Bruguière, 1789) の原記載は、おそらく次の本。
○ Bruguière, Jean Guillaume 1789. Histoire naturelle des Vers. Tome 1. Encyclopedie Méthodique ou par Order de Matières, par une Societé de gens de Lettres, de Savans et d’artistes. Paris. (無脊椎動物の自然史;百科事典...)アンモナイト関係部分は29ページから43ページ。
この本は博物学の本で、多くの生物種を列記している。これまでに増して時代が古いからめんどう。全部で800ページほどもあってここで調べているアンモナイトの関係部分に絞り込む必要がある。最初の6ページはイントロ。次が分類表で、大きく6つの分類群に分け、そのうちの第5のグループに馴染みのある貝類の属が出てくる。さらに、第57属 Argonaute 58属 Camerina (=Nummulites) 59属 Ammonite 60属 Nautile 61属 Orthocerate となっているから、ここに違いない。この本も広い分野を扱い、面白いので後で「古い本」に記すかもしれない定。
アンモナイトの13番目の種類(p.39)がAmmonites bisulcata である。図版はない。
現在のこの種類の学名をPaltopleuroceras bisulcatum (Bruguière) とするものがある。この属はBuckmanが1898年に記載したとしてあるが、文献は見つからなかった。
これについて、次の文献ではPaltopleurocerasはPleurocerasのシノニムであるとする。
○ Howarth, Michael Kingsley 1958. The Monograph of the Liassic Family Amaltheidæ in Britain. The Palaeontographical Society, i-XXXVIII + 1-53, Pls. 1-10, Text-figs. 7-11, 13-14. (イギリスのLias層からのAmaltheidæ科アンモナイト)
記載の年代にやや疑問があるが、現在の取り扱いはPleuroceras bisulcatum (Bruguière) となりそう。
種 Arietites multicostatus, Sowerby
属 Arietites Waagen, 1869 の論文は先月書いたように未入手。
登場人物(これまでに出てきた人物を省略)
Buckman, Sydney Savory (1860−1929)イギリスの古生物学者。このカレンダーの12月はこの人の図を使用。
Bruguière, Jean Guillaume (1749−1798)フランスの動物学者。
Howarth, Michael Kingsley. (1932- ) イギリス・大英博物館の古生物学者。


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