例年のカレンダーを2025年も作ることにした。カレンダーの作成は、11月末までに終えた。理由は12月前半に開催される池袋化石ショーで、友人たち(といっても2〜3人)に渡したかったから。
カレンダーは2022年から作り始めた。COVID-19の影響で、恐竜関連の文献を集めていて、その中から選んだ。2023年は同じような理由で鯨類の化石をテーマとした。2024年はMegalosaurus記載(1824年)の200周年を記念して恐竜に戻った。2025年は、イギリスの古い時代のアンモナイトの図版に美しいものがあることから、それを選んで。9月ごろから候補をリストアップした。まず、論文のうち図版ページだけをダウンロードした。おおよそ候補を選んだのは10月初旬だったのだが、そこで大きなトラブルが起こった。いつもネットで古い本のデジタルファイルを入手するサイトが、「改装中」となってデータが取れなくなったのだ。11月5日に再開されたが、手順や編集、それに収録されている論文が少し変更されているようだった。なんとか使えるようになったので、次のようなものを作った。
1 きれいな図版が多いイギリスの古い「モノグラフ」からアンモナイトを選択する。
2 学名はその時に使われてものをそのまま使うが、現在の学名がわかれば記入する。
3 属名と種名が提唱された論文は。わかれば記入するが、あまり深く調べない。
4 産地や地層名・時代は検討しないで論文を転記する。
「こだわり」を自称する割には深く入らないが、データの入手が困難なのでお許しを。何しろ専門と離れた分野なので自信がない。
なお。標本のサイズは最大長で、ほとんどの場合図の縦方向の長さ。本の大きさから計算したからやや精度が低い。
今回収録した「Monograph」というのは、イギリスのThe Palaeontographical Societyという学会が研究者を決めて分野ごとの重要な化石標本について記した論文集で、1848年から刊行され、すでに650の著作を含むという。そのうち古いものだけを見ると、20件余りがアンモナイトに関係する論文で、3人の研究者の著作である。1853年から1856年のSharpe (3件、Chalk層)、1878年から1886年のWright(8件、Lias層)それに1887年から1907年までのBuckman(14件、Oolite層)である。
その図版を見て、美しいものを20枚ほど選び、面白さが重複するものなどを除いて12件とした。結果として1854年から1894年までの40年間のものを選んだ。形態的に異なるものを優先し、細い肋や棘のあるものを選び、滑らかなものは避けた。これら原図版の製作方法は明らかでない。リトグラフによるものか、または木版によって製版したものだろう。
1月 Sharpe 1854. Pl. 16, Figs. 2a and b Ammonites Rhotomagensis Defrance
1月はAmmonites Rhotomagensis Defrance: 文献は次のもの。
○ Sharpe, Daniel 1854. Description of the Fossil Remains of Mollusca found in the Chalk of England. Part II. Cephalopoda. (Monograph of) The Palaeontographical Society, 1854. Text + Plates 11-16.(イギリスのChalk層からの軟体動物化石の記載 Part 2. 頭足類)
種 Ammonites Rhotomagensis この種類の命名者をBrongniart 1822 とする資料もある。その場合下記の論文Cuvier and Brongniart 1822(未入手)が引用したDefrance のMSを新種記載とする考えを採用したらしい。Ammonites Rhotomagensis Defrance in Brongniart (et Cuvier), 1822 というように書くのがいいのかもしれない。
○ Cuvier, Georges and Brongniart, Alexandre, 1822. 428 pp., 9 pls. (パリ周辺の地質学的記載)<未入手>
現在はAcanthoceras rhotomagense (Defrance 1822) とされる。
属 Ammonites はLinnaeusが用いた属であるが、現在有効な属名のリストには見当たらない。
属 Acanthoceras の記載はNeumayr, 1875で模式種はA. rhotomagense である。その論文は次のもの。
○ Neumayr, Melchior 1875. Die Ammoniten der Kreide und die Systematik der Ammonitiden. Zeitschrift der Deutschen geologischen Gesellschaft, Bd. 27 Heft 4: 854–942. (白亜紀のアンモナイトと、その分類)
この論文の最後の方のp. 929 から931がAcanthoceras の項。新属であることを明記している。36種もの種類をこの新属に含めていて、もちろんAcanthoceras Rhotomagenseもリストに載っているが、綴りは「Rotomagense」と、誤っている。模式種の指定ははっきりしない。
1月-2 アメリカ産のAcanthoceras類 購入
Grey Chalk層はCenomanian (白亜紀)。Bonchuch はイングランド南部のWighte島南岸にある小さな町。
登場人物 大御所Linnaeus とCuvier も登場する。
Sharpe, Daniel(1806−1856)イギリスの地質学者 イギリスと大陸の山地の地質学
Cuvier, George (1769−1832)フランスの生物学者 大御所
Brongniart Alexandre,(1770−1847)フランスの科学者
Defrance 不明
Linnaeus (=Linné) Caroli(1707−1778)スウェーデンの生物学者 二名法の創始者
Neumayr, Melchior (1845—1890) Austria-Hungaryの古生物学者 アルプスのジュラ系・白亜系研究者


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