ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

クレーム その対応

2007-06-15 11:09:36 | 第1紀 をかしら屋
大体が、クレームはつけられる方より、つける方に原因があることが多い。
しかし、困っているのはつける側である。
困っている、自分では解決できない、今すぐ解決したい、からクレームを届ける。
クレームという相談だと思えばいい。

しかし、このところが難しい。
特に、一般人とメーカーやサービス業者の間となると、難しい。

何が難しいのか。
一般人は、この物、この機械、このサービスに熟知していない。
しかし思うようにならない。
熟知していないから解決できない。
いや、解決の糸口さえ見つけることができない。
で、聞く。相談である。
「何とかならないの」。

相手側は大きなメーカーであったりサービス業者である。
問題に熟知しているはずであるが、組織が分かれているから、相談窓口と技術者は同一ではない。
そして、大きな企業や行政にいる人間は、型にはまることを会社から求められているから、自然に相手にもそんな自分を表現する。自分のところの製品やサービスは優れているから、クレーム(や相談)者の側に立てない。
そして、大体がクレーム側、相談側に、「通常に使っていない」落ち度があることが多いから、はなから「きちんと使っていれば問題ないのよ。」と思ってします。
ここに、クレーム処理の大きな問題点がある。

最初の会社の支店の営業として、企画部門窓口として、本部の担当製品統括として、次の会社の「なんでもやります本部」の立場として、監査室として、長いことクレームを預る身となっていた。
クレーム対応で直接出向いたり、クレーム対応のマニュアルを作り指導したり、きちんとした対応がなされ、社内ルールにそった報告がされ、必要な対策が練られ、再発を防いでいるか、チェックしてきた。
クレーマーと化したやくざに絡まれ、地図を片手に相談者の家を探し回り、売り側の量販店の賠償要求に辟易とした。
紙パックの「水」の味がおかしいとの問い合わせで、何層かあるラミネートの一層だけが順番が違っていることを突き止め、愛用者の舌の敏感さに驚いたこともあった。
全国から製品を引き上げたことも、「自分達は決められた通りやっているだけで、何も変える必要はない」と改善要求を拒否する工場ラインの人を説得したりしたこともある。
「うける側」でクレームを処すると、大きな間違いが生ずる。

昨日、「をかしら屋」が使っている飲食店検索サイトの「手書き掲示板」にいつものように今日の情報を書き込み、FAXを入れたが相手側の自動処理システムから拒否され続けた。
「指定された用紙ではない」「店番号が違う」「なんたらかんたら」。その都度違うメッセージが送られる。
何回か経験があるが、続けて受け付けられないのは初めての経験。
あせる。
当店のFAXのスキャナー部分の問題だろうとは思ったが、返信してくるこちらから送った原稿の複写はそんなに不鮮明ではない。

そもそもこのサイトは、この手では日本有数だが、情報の即時性には優れていない。ネットで流す情報は、新しければ新しいほど、身近であれば身近であるほどいい、というのが私の信念であるから、この「手書きの」「掲示板」は毎日更新し続けているし、これを見てのお客様も多い。
今日、今、届けたい名物情報があるのである。
天気を見て、在庫を見て、催しごとを調べて、毎朝情報を更新するのが日課である。

これがつながらない。
何回かトライし、失敗。
返信の問い合わせ番号へ電話したら、なんとこれが「FAX番号」である。
用件を書いて送ったら、「指定用紙ではありません。」と自動返信される。
おつむかんかん!!!!!

開店間際である。
気を取り直し、階下の事務所に行って、この会社の立派なテキストを見ながらサービスセンターへ電話する。

「お客様のコピー機の濃度が薄いのではないでしょうか。」
そりゃ、たぶんそうだよ。しかし、全国何万軒か何千店かの利用者のコピー機の濃度はお宅の正確厳正な自動処理機に適合する能力なの。
薄いとしても、ほんの少しで眼では判読できないぐらいだし、自動処理機からのメッセージもその都度違うじゃない。

丁寧な女性の応対だが、自分のところの機械やシステムが絶対で、お客様側の根本的な問題ですと、丁寧だが一歩も引かない。
わかりましたから。でも今、情報を流したいんですよ。今からコピーを取り直したり、コピー機を買い換えたりできないんですよ。そのうち何とかしますから、今日の原稿はすぐいかしてほしい。
と、思うのだが、「自動処理ですから機械でしかできないシステム」なんですと。

おつむ、てんてんてん。
抑えながら、「そういう機械に扱われるのは、システムではないでしょう。」とか言うのが精一杯。

後ほど、男性から「そちらの用紙の濃度を確認すれば原因がわかりますので、封筒を送りますから、入れて送り返してください。」って。

何いってんの、この人。
こちらはまず、今の問題を何とかしたいのよ。
その後は、仰せの通り根本的な問題を解決しましょう。

と、心の中で拝んでいたのですが。

ことこと左様でございます。
相手側の気持ちに少しでも近づこうと思えば。

夕方、この会社の仙台営業から電話。
「こういう時は、私たち、営業に言ってください。すぐ、本部にクレームを入れて対応しますから。営業はご利用店様の気持ちは充分わかりますから。」と。

むかし、先輩から言われ、その後、研修担当者として何度も新人さんにいいました。
「営業は取引先に会社の情報や製品の内容をよく説明し、帰れば会社へ取引先の要望や情報を伝えるのが役目なんだよ。」って。

営業じゃなくても、誰でも自分の製品やサービスを使う側と提供する側の関係を、よく考えるべきなんでしょうけど。

「お客様は正しい。もし、お客様が間違っていると考えるなら、そう思っているあなたが間違っている。」とは、ある米国のスーパーの創業者のお言葉。
私が大事にしている言葉です。

少ない経験でも、必ずしもこちらがおもっているようにお客様は製品を使ってくれるわけではないのです。
考えられないことも。
「パウチのまま電子レンジにレトルトカレーを入れたけど、あたたまらない。」。
「カレーでシミができたけど、どうすれば取れるの。」。
など。言いがかりに聴こえるけど、利用者への情報の伝え方や製品改良にすごく役立つんですよ。このとんでもないことが、調査しきれない利用形態の実態なんです。
やはり、製品やサービスは一人歩きしてお客様が進化させているんです。
これを読み取り、対応できなければ生き残れないんですね。

長文。
このクレームも、確かに濃い色にコピーできない私のせいなんですが、思わずその対応ぶりに文句がでちゃいました。

何事も半分。
言う方も、言われる方も。

PS:とりあえず、思いなおして違うFAX機から入れ直して急場をしのぎました。でも、店のFAX機のスキャナー部分のレンズクリーニングってどうやってするのかな、松下さん。マニュアル読んでもわからなかった。

いや~、電話の対応の仕方、言葉づかいは最初の方も次の男性の方も良かったんですよ。本当に。さすがに大手のサービスセンター。
でも、わからずやかもしれませんけど、もう一歩こちらに近づいて聴く姿勢があれば。システムとかハードとかの技術的な問題ではなく、いま、利用者の私が困って電話していることの、いまのいまの事を。少しだけ近寄ってお話しいただけたら、うれしかったのにな。

(この会社の仙台営業から。機械の読み取り精度を少し落としてくれたようです。)

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2 コメント

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いつも読ませてもらってます。 (ケロ)
2007-06-16 22:05:45
ホルモン好きがこうじてココまできました。
オイラは東京だけどいつか岩手に行くことがあったら
こっそり行ってみようと思ってます。

ホルモンは人の手が入ってこそ旨いんだと知りました。
返信する
ケロさんへ (苔爺)
2007-06-21 21:58:15
わざわざ東京から来て、こっそりはネェッペ~
でっけ~声で言ってけろ~~
「大将!!ケロです
 ご馳走なりに来ました!!」って
そしたら大将は大喜びで、どんどんサービス
間違いなしだってば。。
な?大将。。
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