ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

をかしら屋大通店開店9周年を迎えて

2016-10-18 12:38:22 | をかしら屋
希望というものは全てを包み込み明日へのエネルギーに変えるものだ。
それがまわりの者から見れば逆風であったり障害であったり明らかなリスク要因であったりしても、それらの全てを明日につなぐベクトルに反さすのが希望というものだ。



「をかしら屋大通店」は今日、10月18日で開店9周年を迎えます。
開店直前に、その希望というものにたくさんの(中には見当違いの悪意ある)障害を目の当たりにしながら、それでも灯火が消えなかったのはやはり、その「希望」という名の力だったと思います。

サラリーマンの薄っぺらな財布で、楽しく仲間と語らい、大いに呑み、たらふく喰い、喧々諤々と議論する。そのような場所、小さな店をつくろうというのが最初からのワタシのぼんやりとした方向性でした。

それが店の唄い文句として「新鮮で、ボリュームたっぷり、しかも安い!!」に変換され、加えて何年かその業界に在籍した経験から人間の口に入る食物として提供される生きもの、をかしら屋の場合は豚さんの「舌の先から尻尾まで食べ尽くそう」という基本姿勢になり、豚内蔵一頭仕入れを基本にし焼いてオイシイところはホルモン焼き・焼肉として、スジなどの固い部位は煮込んでコラーゲンなどのうまみを引き出すスープとしてすべからくの部位を余すことなく使うという行動指針につなげました。





結果、ホルモン焼き、焼肉だけにとどまらず、スジ・カシラツブ・スネなどを煮込んだスープで作る「盛岡冷麺」や「コラー麺」、一般の方には得たいの知れない部位だらけの「ごちゃ混ぜホルモン」や「豚珍三」など、日増しにメニューが増え、お客様からはなにがなにやら選びづらい、従業員からは覚えきれない、在庫管理がたいへんなどと不評を受けつつも今に至るわけです。

おまけに、「オレはホルモン大使」とばかりに店を飛び出て屋外催事をはじめ、生来の気性からお祭り事に気が合ったのか、ついついのめり込んで店と屋台のどっちが本業かわからぬほど。



そんなこんなで9年。

日頃のご愛顧、まことにありがとうございます。
店とともに齢を重ね、「無理をしても無茶はするな」のイケイケから少しは自制するようになりましたが、この路線は止まるまでは動き続ける様子です。

どうか、今後も店もワタクシも従業員の皆々も従業員以上に働かされる家族も、かわらず支えていただければ幸いです。


10月18日 店主