ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

10ヶ月

2012-01-11 18:42:09 | 第1紀 生きる
基礎だけが残った街中の道を走っているときに、鐘が鳴る。
そうか、11日、あれから10ヶ月。
山田で鎮魂の鐘を聴く。

震災後に訪れたときと違うのは、破壊された廃墟や瓦礫が取り除かれ、基礎だけが残り堤防の跡や海まで見通せる市街地。


朝早く、若き友人と山田に向かう。
友人の商談につきあうという理由にして、やはりそろそろ一年になろうとしている三陸をこの目で確かめたかった。
記憶に刻印したかった。

津波の襲った市街地は、まだその後の土地の管理が決定していないため、ほとんどが瓦礫を取り除かれたまま置かれている。
報道等であるように、高台に移住するのか、堤防を高く作るのか、土盛りをして街全体をかさあげするのか、住民の意向をくみとり決定するまではまだまだ時間を要するのだろう。

しかし、その基礎だけの街の中にもポツポツと仮設ながら飲食店やコンビニなどの商店も建ち始めている。
乗り越えようという強い意志がそこにあるように感じる。

そういう何軒かの店を訪れた。

いつもよりは冬休みは短いようだが、仮設住宅の付近では子供たちが元気に遊んでいた。

あちこちで工事にたずさわる方々も多く、他県ナンバーの警察車両の見まわりもある。

そして新しい商売や商材の糸口になるお話を聞く。

今日の県内の最高気温は山田の3.9℃だったらしい。
確かに風は穏やかで、寒さは感じなかった。
まだまだ厳しい冬は続くが、春は確かにやってくる。
「海の畑」と呼ばれた湾に筏はまだまだ少ないが、今は青く穏やかな海を見ながらそう思った。