Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

維新・花燃ゆ、第37話“夫の忘れがたみ!~後編” 2015年9月14日

2015-09-14 15:29:36 | 日記・エッセイ・コラム

楫取素彦が京から山口の城へ戻ってくると聞いて、何やら奥御殿は華やいでいた、都美姫『安堵いたした、これで、もう心配はいらぬ!』、園山『これからは、奥番頭として、生涯、勤める覚悟と!』、そこまで覚悟が出来ているとは驚きだ、『さすが忠義な者だのう!』と都美姫も胸ときめかして居った、興丸と美和らが畑仕事をしとると、表使いの日出が「楫取様がお城にお戻りに成られるそうで、よう御座いました!」と声をかけて通り過ぎた、これからはお城でのお仕事に専念されるとのことであった、「これで美和様もお心強いのでは?」と鞠も言ってくれた・・・そして楫取が新政府の職を辞して、山口の城に帰って来た!・・・

楫取『御加減如何で御座いますか?』と敬親を病床に見舞った、敬親『な~~に、心配するな、お前が戻ってくれたんじゃ!これから何が起ころうと、もう、安心じゃあ!』、その様なもったいなきお言葉を!、敬親『これで、この老いぼれた身体でも、あと暫く、日本国のため、長州のために、全身全霊で働けるであろう!』、楫取が黙り込んだ、如何した?、楫取は手を着きかしこまってまって言った『そうお思い頂けるのであれば、殿には、なさるべきことが御座います!』、それは何じゃ?遠慮のう申せ!、『では、領地領民を、天子様にお返し頂きたいので御座います!』、何と!、『木戸とも語り合いました、版籍奉還の策で御座います!今のままでは、諸大名家が力を持ちすぎ、日本が国として、一つにまとまり切れませぬ!新政府を強くするためには、どうしても欠かせぬ策と存じます!我等、長州が手本とならねばなりませぬ!』、此度は敬親の口から“そうせい!” なる言葉は無かった・・・

楫取が帰った後、敬親は楫取が話したことを都美姫にも聞かせた、その様な!殿は如何されるお積りですか?、敬親『難題は、もう一つの方じゃ!』、もう一つ??・・・そして、何やら長々しい巻物を携えて、木戸孝允が版籍奉還の儀にやって来た、勿論、楫取も同席した、木戸『薩摩、長州、土佐、肥前、他藩に先駆け、領地と領民を天子様にお返し頂きたく、我が殿に、その御許しを乞いに、覗った次第に御座います!』、元徳『領地と民をお返しする?何を言うとる?』、木戸『お返し頂きましたなら、新たに天子様から、この地を委ねられ、殿は知藩事(ちはんじ)として、この長州を、新たに、お治めに成られます!』、元徳『何じゃと!?そんな藩を揺るがす一大事を、にわかに言われても困る!父上、これをお受けするかどうかは、重臣たちを集めて協議せねば!』、敬親が口を開いた『それには及ばぬ!そうせい!!』、出た~~~!・・・

木戸と楫取は安堵した、元徳『父上??』、敬親『元徳、そなたが新たな知藩事じゃ!これを機に、わしは隠居する!わしが身を辞することで、家臣達にも受け入れさせるしかあるまい!』、はは~~!木戸と楫取は敬親に深く頭を下げた、敬親のあとを継ぎ“知藩事”と云う大役を仰せつかった元徳は、戸惑いを隠せなかった!・・・あとで、園山からそのことを知らされた都美姫は、敬親が“もう一つのこと”の意味が、敬親の隠居と、元徳の世継ぎの事だと悟った!・・・そして、こちらでも、美和が銀姫に知らせた、銀姫『知藩事じゃと?』、美和「わたしも初めて伺いました!藩主様の新しい呼び名だと!」、『どうして勝手に変えるのじゃ?楫取や木戸は何を考えとる?我等の許しも得ず、勝手にその様な事を?他にも何か、変わることが在るのか?この奥御殿の暮らしは大丈夫なんじゃろなあ!』、まさか!、潮『御殿を閉じろと云うのでは?』、まだ、その様な事は何も!、『興丸はどうなるのじゃ?知藩事とやらの跡は継げるんじゃろな?』、明らかに、銀姫は手の着けようのないくらいにパニクッて居った!・・・ 

動揺は城の家臣達にも広がり、我等の父祖伝来の土地は如何なる!こねなことになったのも、楫取殿が殿にいらんことを吹き込んだからに違いない!、御信任が厚い事を良い殊に、好き勝手なことを!、お家を潰す積りかもしれん!、だとしたら、許せん!その真意を問いたださねば!、おおっ~~!、好き放題ほざいて居った家臣達を、高杉小忠太が一喝した『待て!』、じゃが、高杉様!、『楫取殿はこの長州のためにと戻ってこられた!暫くは様子を見ることじゃ!』・・・そんな折、楫取は、高杉の月命日に、焼香に訪れた、小忠太は楫取に訊ねた『先日の一件じゃが、わしは、大殿がお決めになったことには、どねな事にも、従う積りじゃ!じゃが、家臣の中には、不服に思い、そなたに不信を抱いている者も居る!』、楫取『分かって居ります!じゃが、今、新政府のもとで、改革を推し進めねば、この日本はどうにも、なりませぬ!』、小忠太『晋作も同じことを言って居った!それが正しいのであろう!じゃが、新たな時代に着いていけんもんも居る!何か、起こるんではと、心配でなあ!』・・・

雅に見送られ、楫取が玄関口に出ると、幼い梅之進がエイや~!エイや~!と剣術の稽古に打ち込んでいた!、雅「わざわざのおこし、有難う御座いました、本当に、美和さんは晋様に、大変な頼みごとを致しました!久坂さまの忘れ形見のお子だけでなく、我が子、梅之進や、全ての塾生の子供の面倒を見て、育てろなどと!」、えっ?、その時、楫取は、美和が京で言った“あの約束”の意味が初めて分かったような気がした!・・・楫取が美和を大奥に訪ねていた、楫取『呼び出してすまん!』、美和「わたくしもお会いせねばならんと!」、『どうかしたか?』、「これから如何なって行くんかと?痛く銀姫様がご心配して居って!まだ色々変わることが御座いましょうか?」、『全て、変わる!』、えっ?、『これからは身分の隔ても無くなるであろう!西洋列強に負けん強い日本国にするため、異国から学び、全てが変わるであろう!新しい日本国を一刻も早う作り上げねばならん!』・・・

「新しい日本国?高杉様も、同じことを仰せでした!」、『そうか、じゃからその国を作る者を育ててくれと、お前に言うたんじゃろう!』、どねえした?、「わたしには無理です!」、無理?、「やはり無理なんです!久坂の子を京で見つけられず、良かったと思うて居ります!その子を見付けたとしても、わたしには、育てる覚悟が持てんのですから!それは兄上も、よお、お分かりでしょう!思わずとはいえ、あの世の久坂にまで、愚痴を言うたりして!あねなお恥ずかしい処を見せてしもうたりして!」、『まあ、あれは・・、じゃが、分かったことが在る!お前も一人のおなごじゃとなあ!あの時、久坂が何も残してくれんかったと言うたが、本当に、そうなんか?お前が大事に抱えてきたもんが在るじゃろう?』、美和には松陰塾塾生たちの笑顔が見えてきた!久坂の笑顔が見えてきた!久坂が言うた言葉が聞こえてきた“ 誰でも自由に、志しを立てられる、お前が婆さんになっても、相変わらず、握り飯握って、人と笑うて暮らせるような、そげな世の中が、そげな国が作れたら!”・・・

「皆が、夢を見られる世を作りたいと、久坂はわたしに!」、『では、その世こそ、新しい日本国ではないんか?世話~~ない!大丈夫じゃ!新しい日本人を育てて見ろ!お前なら出来る!』、兄上!、『わたしだけではない!寅次郎も、久坂も、高杉も、皆んな、そう思うとる!』、その時、寅兄の声が聞こえてきた“お前なら、如何生きる?自分の人生を、自分の命を、何のために使う?”、“そげな世の中が、そげな国が作れたら!”、“それが天命じゃ!”、「天命!?」、『天命!?』、「高杉様がそうわたくしに!」、『そうか、ならば、なおさら、やらねばならんな!これからは、わたしが傍に居る!お前を支えてやれる!』 ここの一連のシーンは、義理の兄と義理の妹ではなく、まるで美和と楫取のラブロマンスを観ているようじゃった!・・・

楫取が別れ際に言った『久坂の子は探させて居る、分かり次第、知らせが来るから!』、はい!、その時、日出が来て伝言を伝えた「大変で御座います!若い者たちが、此度の事、やはり納得でき来ぬ、若殿に直々訴えると!」、何!?、鞠が来て「美和さま大変で御座います!銀姫様が此度の事で、御前様に詰め寄られて居ります!」、えっ!、楫取『まずは、目の前の事じゃなあ、藩が明治と云う新しい時代を生き抜いて行けるようにせねば!』、「では、奥御殿から!奥が変われば、城も変わる!女が変われば、男も変わります!」、『あの松陰塾時代の女幹事が戻ったな!』、はい!二人は顔を見合わせて笑った!・・・この時、モヤモヤしていた美和の心のつかえが吹っ切れた!美和は、明治と云う新しい時代を、シッカリ自分の目で見届け乍ら、強く歩いていく覚悟を決めた!これも楫取素彦と云う、強い支えが在ったからであろう!・・・

 

 

 

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