あれは,あれで良いのかなPART2

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中途半端な法人税減税は百害あって一利なし

2010年12月15日 01時07分02秒 | 政治・選挙
菅総理が,法人税の実効税率を約5%引き下げるように財務大臣らに指示しました。国際競争力の強化や企業投資の促進を図る狙いがあるとのことですが,減税による財源確保をどうするか問題となっており,もう少し調整が必要との見方も出ています。

法人税5%下げ、首相指示(産経新聞) - goo ニュース

やるならもっと大胆に,やらないならやらない,そのどっちか!

法人税減税は,経済界を中心に強く要望が出されています。その理由は,諸外国と比較して法人税が高いため,それにより企業活動が阻害され,国際競争力が低下するという点を挙げています。また,法人の純利益が少なくなると,企業投資や雇用,給与の引き上げができないという点も指摘されております。
それゆえ,今回の法人税減税の狙いそれ自体は,一応理解はできます

しかし,実効税率を5%程度減少させたところで,さしたる効果は期待できないと考えます。理由は次の通りです。
1 5%減税程度では,国際競争力が強化されない。
  香港などタックスヘブンの地域を基準にすると,5%減税なんて単なるのりしろに過ぎませんから,外資系企業を誘致するなどは期待できませんし,逆に海外への企業流出も止められません。
  また,結局日本の法人税が高い水準のままっていうことになりますから,まだまだハンディキャップレースが続いていると言わざるをえません。

2 恩恵を受ける企業はわずか
  おそらく景気対策の一環であろうと思いますが,そもそも今不景気のどん底であえいでいる中小企業は,法人税を支払っていませんから,ここで法人税云々を議論した所で,そうした中小企業の救済にはなりません。
  また,大企業の多くは既に優遇税制を受けていますから,これまた実質的に影響がないことになります。
  とすると,この減税,思ったほど対象となる企業はないということになるのです。

3 減税効果が企業投資や雇用,給与にいく保証がない
  減税で当期純利益が増加した場合,それを新規雇用や給与引当に使うかといわれると,大半の企業経営者が言うように「そんなことよりまず内部留保」っていうことになります。
  ざっくり言うと,「減税分を貯金」するにすぎませんから,総理が期待している効果は発生しにくいでしょう。
  もしもこうした効果を生かすのであれば,むしろ一律減税ではなく,たとえば「前年比で社員の給与が増加した」とか「正規雇用人数が増えた」などという具体的効果が認められた企業に対して,限定的に減税を行なう方法でも十分なのではないでしょうか。

4 天に唾する
  減税した場合,財源確保が問題となりますが,下手すると赤字国債で処理することになるので,結果的にさらなる財政難を迎えることになるでしょう。

ざっくり思いつくのは以上です。今回の法人税減税,実質的には「選挙対策として企業経営者に対して媚を売る」程度にしか思えてなりません。法人税減税自体を悪いとは言いませんが,やるからにはより大きな効果が期待できるくらい大胆な減税をしなければなりません。そうした点について,もっときちんと検討するべきでしょう。

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