あれは,あれで良いのかなPART2

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全国学力テストの結果発表,やっぱり「読み書きそろばん」が基本ですね

2010年07月31日 20時42分55秒 | 教育問題
今回は抽出方法で実施した小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力テストの結果が発表されました。
それによると,今回も上位県は前回同様秋田,福井などとなり,一方下位県も沖縄や北海道などとなりました。また,前回下位だった山口県は,その後の努力の結果順位が上昇するなど一定の成果が表れたことも明らかになりました。
テスト内容では,図形問題などでつまづきがみられたり,読解力や表現力などという応用力の正解率が極端に下がるなどの傾向が見受けられたようである。

全国学力テスト結果、上位・下位県の固定化も(読売新聞) - goo ニュース

日本海側が強いのはなんでだろう?

今回のテスト結果の詳細はこちらをご覧ください。
「平成22年度 全国学力・学習状況調査 結果概要・集計結果」について

今回の全国学力テストが民主党政権の影響で抽出方式に変わったことで,さまざまな問題点が挙げられていますが,それはそれで今後じっくりやってもらいましょう。また,日教組云々の話も漏れ聞こえていますが,それはあっちの方で好きなだけやってください。
テストの是非はともかく,一定の結果が出た以上,子どもの教育のため,日本の将来のためにも,この結果を有益に活用するべきです。

さて,今回の結果,去年の結果とはそんなに大差はありませんでした。もちろん,努力をした山口県や大阪府などは,前回よりも上昇しているところもありますが,この1年で何か飛躍的に伸びたというわけではありません。
ってことは,最近問題になっている,「図形が頭に浮かばない」,「コミュニケーションの基本能力がない」,「応用問題となると,そもそも考えようとすること自体を放棄する」などという点についてほとんど改善されていないということが明らかになったと言えるわけです。
いまさらゆとり教育の是非を論じても仕方ありませんが,少なくとも言えること,それは「まず基礎学力を確実に身につけさせる」上で,「表現力という国語力の基本」をきちんと学ばせる必要があるということでしょう。国際化云々と称して英語教育に重点を置くこと自体を悪いとまでは言いませんが,それ以前にやはり「基本的なコミュニケーション能力」をもっと学ばせなければなりません。そのためにも「国語力の強化」が近々の課題なのです。
今回のテストでも,その点が明確になったと言えるでしょう。

ところで,今回のテストにおいても,秋田県や福井県が前回同様,上位にランキングしました。なぜでしょうか。
原因は一つではありませんが,ざっくり言うと,個人的には次のようなことが考えられます。
1 私学が不参加であったこと(大都市圏はそれにより学力低下の結果が出やすくなることと,農村部では公立優位思想が今でも強いことが考えられます。)。
2 農村の生活環境や家族環境が優れていること(去年の分析結果でも,そうした結果が出ています。大家族化は脳科学的にも極めて優れていると澤口先生らも主張されています。)。
3 学力以外に均等にまんべんなく力を伸ばす方針としている(全国体力調査でも秋田や福井は上位にランキングされている。)。
4 経済格差が少ない(貧富の差が少ない)
5 そもそも教育政策に優れている(秋田県のフィンランド方式教室や,福井大学教職大学院における1年間教育実習など,さまざまな工夫を凝らしている。)。
6 地域コミュニティが機能しており,学校や子供たちと連携している(学校を敵視している人が少ない。また,親たちも権利だけ主張して義務を一切行使しないような「モンスターペアレンツ」が少ない。)

他にもいろいろあるでしょうが,こうした所が思いつきます。総じて言えること,それは,「下手な英才教育を目指すのではなく,とにかく基礎力をつけることに徹底している」という点にあるのでしょう。
義務教育では,やはり「徹底した基礎力」が必要なのでしょう。そして,「信頼される教師に委ねる」という親側の姿勢,それが大切なのかもしれません。
もちろん,下位県がまったく努力をしていないとかそうした環境がないなどという乱暴な議論をするつもりはありません。あくまでも県全体の平均に過ぎないため,最終的には「学校単位」での努力がものを言うわけですから。
とはいえ,国は「子供の学力向上のための政権にぶれない基本方針」をきちんと示すこと,地方自治体は「地域の実情や子供たちの現状をきちんと把握し,それに対する対応策を構築するとともに,学校がやりやすい環境整備を図る」こと,地域は「子供と学校をきちんとみまもれるコミュニティを作り上げること」,親は「学校に対する権利行使だけをせず,教師が教えやすいための環境作りに協力するという義務も行使すること」,学校は「子供のために真摯な取り組みを行ない,可能な限り公開していくこと」を実現していくことが大切でしょう。

あとは,今回の学力テストを政争の具として,つまらない足の引っ張り合いをして肝心な子供たちを置き去りにすることだけは絶対にやめてほしいものです。仮にそんな政治家や政党があったら,とても日本の将来を任せられません。
むしろ,よりち密な分析ができ,経年的推移も把握できるような方策をポジティブに検討してもらいたいものです。

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4 コメント

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前にも話したかと (ともっち)
2010-08-05 08:31:56
思いますが、個人指導の塾講師のアルバイトをしていたときに、中学生で筆算が全くできないという生徒に出会い、困ったことがあります。
その頃になって基礎をもう一度というのはなかなか難しいものです。
思うにゆとり教育だ、労働組合だと指摘してみてもそれは間接的な要因にすぎず、問題の本質は仰るように読み書きそろばんをどう教えるかだと思います。
いつの時代もこれが上手くできない子供はいたわけですから、今こそ基礎をきちんと説明できる力と定着させる根気強さ、粘り強さが教師に求められているのではないかと感じます。
ともっちさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2010-08-05 23:05:22
こんばんは。
今は,「基礎力をどのようにつけるか」をまじめに考えるべきなのですが,どういうわけか「こうなってしまった戦犯は誰だ?」みたいな議論ばかりに終始しているような気がしてなりません。
おっしゃるとおり,いつの時代にも基礎力が低下している生徒がいたわけですから,そうした子供たちをどうやって引き揚げてきたのかとかいう点を検証しながら,子供の将来を真剣に考えて,建設的な議論をするべきであろうと思います。
平均よりは上らしいけど (てるりん)
2010-08-11 16:32:22
正直、教育委員会って何?って思う私ですけど(爆)
何とかプロジェクトとか線引きするな、って思ってるのは私だけでしょうか?
一部の親も学校の上の人も権力としか思えない。

息子小2ですが、学力テストなのかあったらしくて(国語と算数)、
学校平均自体も高いけど、それよりも高いですが・・・。
しかし、体力は↓↓・・・はぁ~。
周り見てると、習い事やら行ってる子の多いこと。
経済格差の根本かっていうくらい??
塾行ってたら当たり前でしょ?って言いたくなるけど、そうとは限りませんよね?
うちはまず無理なので、そういうのに頼らずどうやって学習能力を高めるか、を探ってます。
確かに大家族というか子供に関わる相手が多いほうが、よりよい学習をさせる機会を多く作れますからね。
子供に合った方法を見出せる可能性が高くなりますから。
てるりんさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2010-08-11 21:42:56
こんばんは。
子供の教育って,一律に同じで良い部分と,個別に考えなければならない部分が併存していると思います。
教育委員会は,どちらかというと「一律に同じ」っていう点を重視するので,時にノルマ主義とも言えるような成績至上主義に走ることもあります。
もちろん,そういう手法をすべて悪いとは言いませんが,冒頭に書いたような両面性をしっかり認識して,それに応じた教育施策を考えてもらいたいものですね。

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