あれは,あれで良いのかなPART2

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選挙経営学(第1章:なぜタレントは選挙に強いのか)

2011年07月24日 22時02分35秒 | 裏選挙マニュアル・選挙経営学
 今回は,比較的イメージのわきやすいテーマから本質を浮き彫りにしてみます。
 国会や地方議会を問わず,いわゆる「タレント議員」という方々は結構多く存在しています。ここでいうタレントとは,「テレビ等で知名度がある人」を指します。
 では,タレント議員はなぜ選挙に強いのでしょうか?
 おそらく,多くの方は「そりゃ,知名度があるから」と答えるでしょう。そのとおりなんです。以上!

 だと,これで話が終わってしまうので,もう少しこの点を深くつっこんでみます。
 知名度があるといっても,全員当選するわけではありません。当選するタレントと落選するタレントとの間にある違いがあります。それは,「イメージ」なんです。
 具体的には,「軽い,ちゃらい,信用できない」っていうイメージのタレントは,落選しやすいのです。逆に言うと,当選しやすいタレントは,こうしたイメージを持たせないだけなのです。
 そうなんです。タレント議員の当落の本質,それは「イメージ」だけなのです。
 ただ,単純なイメージや知名度だけではありません。当選しやすいイメージを持たせる,すなわち「軽い,ちゃらい,信用できない」というネガティブなイメージを持たせないことが大切なのです。そして,そのためには,「抽象論でいいから,もっともらしいことをいう」ということなのです。
 「あれ,あのタレント議員はなんか具体的な公約を言ってたよ!」という反論があると思いますが,実はそこがキモ!
抽象論だけでは意味不明になりやすいので,イメージをわかせるために具体的な施策も主張します。でも,それは,非常に分かりやすい身近な問題について1,2個で十分なんです。なぜなら,「有権者はそんなに公約を覚えられない。」からなのです。キーワード的な抽象論を掲げながら,ものすごくイメージがわきやすい身近な具体的なテーマを1つ公約にして主張する,ただそれだけなのです。とにかく,「イメージ」なんです,イメージ。
 それをメディアで繰り返せば,「なるほど,この人タレントの時のようなちゃらちゃら感はないから信頼できそうだなあ。」っていうイメージが作られます。のみならず,有権者の感情としては,「今の日本,誰が政治家になっても同じ。ならば,タレントのこの人ならよく知ってるし,一応まともそうだから,こいつでいいや。」っていう発想になりやすく,それで投票する傾向が強いです。だから,タレントは当選しやすいのです。

 ちなみに,落選しているタレント候補者の多くは,「タレントのイメージだけ」を強調する傾向にあります。昔の自分の持ち歌を歌ったり,一発芸を披露したりするなど,とにかく「過去の栄光」だけに任せようとします。さすがに,有権者もバカではありませんから,こういう活動をすると,いくら知名度があっても,「こいつで大丈夫か?」というネガティブイメージが働いてしまうため,当選できないのです。

 さて,この応用です。タレントに限りませんが,地元で知名度のある議員という人は結構多いと思います。二世議員となると,なおのことです。ここも,こういう議員らの多くも,実はこのタレント議員と同じことが言えるのです。
 結局は「イメージ」だけ。しかも,公約はもやっとしたものに,イメージがわく具体的な小さな施策を1,2個掲げるだけ。知名度があるから,これで十分有権者からの支持を得られるのです。
 でも,二世議員の場合,親の七光りのみという残念な場合もあることから,中身がない場合や,さらには利権にしがらみになっている場合が多いなどというのが,こういう候補者の特徴だったりします。「中身がない,しがらみが多い=民意が反映されない」ので,ふたを開けてみたら,政治不信の元凶になるのです。


今日のまとめ
選挙に勝つためには「イメージ」がメイン。ある程度知名度があれば,イメージのわく小さな話を1つすれば,それで十分勝負になる。しかし,そういう候補者は実は壮大なプランは持っていない。だから,政治と民意と離れやすい。
イメージ戦略も大事だが,有権者としては,イメージだけで投票することなく,その候補者の中身がどういうものかをきちんと把握することが大事である。


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