あれは,あれで良いのかなPART2

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ANAわびし,システム障害は金と信用を失う

2008年09月14日 23時18分31秒 | 災害・危機管理
ANAでシステム障害が発生し,羽田発着便を中心に53便が欠航し,5万円以上の人に影響を与えたようです。

全日空、システム障害で53便欠航 50空港で、5万1000人影響 (共同通信) - goo ニュース

サブシステムも検討する必要があるか

ANAでは去年も似たようなシステム障害が発生し,おそらくそれを踏まえて改修作業は行っていると思います。また,当然の前提として,サーバ1台で業務を行っているはずはなく,稼働系,待機系としておくことや,ハードディスクをRAID5などで複数構成にしておくことなどなどの基本的な部分は問題なく構成されているはずです(っていうか,今どきサーバ1台で仕事をするという危険な構成をしている企業はないと思いますが。)。
今回の障害がどこにどういう原因があるかよく分かりませんが(一部報道では管理サーバトラブルとのことなので,それであれば確かに全体が倒れる可能性も考えられます。),いずれにせよ「99.9%倒れない方法」を考えるべきなのです。
ただ,ANAの良かった点は,「危機管理マニュアルに手作業による復旧及び業務継続」をしっかりと設けていたことです。これにより,昼前には一応業務が再開できました。確かに,50便以上が欠航しましたが,それ以上傷口を広げなかったという点ではナイスフォローだったといえるでしょう。

しかし,5万人以上の人に迷惑をかけたという点は事実として残ります。今回は,この5万人分の振替輸送代が基本的にすべて損害となりますので,それだけでも相当な金額になるでしょう。のみならず,二度もシステム障害を生じさせるとなると,ANAそれ自体の看板に対する信用低下も発生します。これにより利用客数の減少やスポンサー撤退などが想定できるため,さらに結構な金額の損害も発生します。
すなわち,現代社会では,システムに対してそれなりのお金を出してフォローしておかなければ,結果的に多額の損害が生じかねないということなのです。この構造,実は,「ばれないと思って偽装を繰り返していたら,偽装がばれちゃった」という各種企業に似ているのです。偽装がばれたとき,それまで儲けた以上の損害が生じます。システム障害も,あと1台機械を設置したり,保守管理をするなどの費用以上の損害となります。

今はシステム社会です。危機管理マニュアルで動かせるのは限界があります。また,どんなにシステムのお守りをしても動かなくなるときはあります。そのような場合に被害を最小限にする方策,これを各企業とも考える必要があるでしょう。場合によっては,サブシステムを寝かせておくというのも一つの方法かもしれません。これは,田舎の消防署のはしご車や化学消防車が「1回も使わないで廃車」となるのと同様,「1回も起動しないで更新」ということもあるでしょうが,本来は使わない=システム安定なわけですから,それで良かったということになるのです。
無駄な費用ということにはならないでしょう。むしろ,それで「信用を買った」といえます。
こうした「見えない部分」へお金をかけること,これができる企業こそ,一流企業といえるでしょう。

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