あれは,あれで良いのかなPART2

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愛知県知事と北九州市長選挙,キモは浮動票だった

2007年02月05日 02時23分53秒 | 政治・選挙
愛知県知事選挙は現職の神田真秋氏(自民,公明推薦)が,北九州市長選挙では,新人の北橋健治氏(民主,社民,国民推薦)がそれぞれ当選しました。
投票率は,愛知県知事選挙は52.11%(前回38.91%),北九州市長選挙が56.57%(前回38.32%)とそれぞれ大幅に伸びました。

愛知県知事選、自公推薦の現職神田氏が3選(朝日新聞) - goo ニュース

自民党が恐れるもの,それは投票率上昇かも

今回の選挙,結果から見ると,自民党の1勝1敗であり,いわば「想定内」の結果であることから,今後の政局についてもある程度強気でいけると踏んでいるでしょう。
一方,民主党等野党は,今回の選挙結果を「柳沢効果」と見ている節もありますが,有権者はそんなに単純ではありません。もちろん,柳沢大臣の失言が多少の影響を与えていることは否定できませんが,今回の選挙は,仮に柳沢大臣の失言がなかったとしても,同じような結果に落ち着いたはずです。

では,これらの選挙から何が分かるでしょうか。
まず,北九州市長選挙については,「そのまんまショック」や福岡市長選挙の影響をうけて,自民党不利という風が吹いていたと言えます。もっというと,山拓の影響力はもはや風前の灯火であるという点が,多少なりとも選挙結果に影響したと言えます。
この結果をうけて,おそらく,今危機感を持っているのは,間近に迫る「福岡県知事選挙」関係者といえるでしょう。
やはり,今九州は決して好景気ではなく,まだまだ不況のどん底にあえいでいること,また小泉内閣及び安倍内閣が行っている「地方の切り捨て施策」の当事者であることから自民党に対する期待がなくなってきているということあたりが,自民党離れにつながり,結果民主党推薦の北橋氏に票が流れたものと思われます。このことは,同日実施された市議会議員補欠選挙において,自民党系議員が破れたことにも現れています。
したがって,民主党として注意しておかなければならないのは,「積極的民主党支持」の票ではなく,「消極的支持票」が集まったに過ぎないということです。消極的支持票は,風にながされやすいですから,ここで油断していると,前回の衆議院議員選挙のごとく「どっと流れてしまう」危険性を秘めています。
いずれにしても,この浮動票たる「消極的支持票」が投票率増加により増えていた,このことが北橋氏の最大の勝因といえるでしょう。

次に,愛知県知事選挙ですが,結果は現職神田氏という点は特に問題がありません。しかし,「僅差」という点は,自民党幹部にとっては大きな誤算であったといえるでしょう。
愛知県はご存じ「トヨタ王国」であり,基本的には保守基盤が確立されていることから,県知事選挙も「自民党鉄板選挙」と思われていました。
ところが,蓋を開けたら7万票差という僅差でした。これは,もし投票率があと5%増えていたら,完全に逆転していた可能性すらあるということになります。
ここから言えることは,「かつての組織選挙はだんだん通用しなくなっている」ということです。特に投票率が高い場合は,組織力は通用せず,最後は人となりがすべてだ,ということになるでしょう。

ちなみに,両選挙に共通の話ですが,かつて主流となっていた「桃太郎」(土建屋の大応援団)は,今では逆効果として各陣営忌み嫌うようになりました。桃太郎を止めたことによるメリットは浮動票離れを最小限にくい止めるだけに過ぎず,逆に積極的に票が増えることはありません。むしろ,逆に大きな組織票と運動員という戦力を失った為に,結果として自民党系議員は厳しい戦いを強いられる羽目になっています。
こうしてみると,桃太郎の力は,公明党と同じくらいの集票力があったということになるでしょう。さすが,「土建屋は集票の機械,装置」ですね。
ただし,小さな市町村では,まだまだ浮動票よりも組織票メインの選挙となっていることからすれば,桃太郎の働きが選挙結果を決めるということになるかもしれません。

桃太郎は余談でしたが,いずれにしても,今回の選挙の共通点は「投票率上昇」です。やはり,有権者がしっかり判断して一票を投じるという基本的な行動が一番大切であるということを教えてくれたと言えます。
また,浮動票が増えれば,それだけ「しがらみのない人」を選ぶ風潮があります。特に「そのまんまショック」により,今は「無党派ブーム」になろうとしています。果たして,政党選挙主体の参議院議員選挙で,無党派ブームがどのように威力を発揮するか,浮動票がどう流れるのか,投票率も含め,しばらくは各党夜も眠れない状態が続くことになるでしょう。
そのためには,やはり各党とも「当たり前のことをちゃんとやっておく」ということが選挙対策として一番重要であるといえるでしょう。
有権者は機械ではなくて人である」という当然の前提を踏まえて,これからの国会運営や政策を出していくこと,これが参議院議員選挙における「集票の王道」といえるでしょう。
そういう意味では,柳沢大臣の「キカイダー」発言は,今後の政局を占う言葉になっていたといえるでしょう。

以上,2つの選挙結果からみた雑感でした。

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