あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

太平洋戦争敗戦原因から現代社会を考える

2005年08月15日 20時38分22秒 | 政治
8月15日は終戦記念日です。私たちも戦没者の尊い犠牲のもとで今日の繁栄があるということを再認識するとともに,二度と同じ過ちを繰り返してはいけないこと,さらには世界中の紛争がなくなることを心から願いたいと思います。
さて,日本が太平洋戦争になぜ負けたのか考えてみると,実は敗戦の反省が現代社会にも全く活かされていないのではないかと思われる節がありました
そこで,今回はその点を超ダイジェストにまとめたいと思います(当初は連載ものにしようとして書き始めたのですが,だんだん収拾がつかなくなってきてしまい,本1冊にならんばかりの勢いになったため,あえて超ダイジェストとしました。)。
1 先を読む力が弱い
  無謀ともいえる太平洋戦争への決定,また正しく戦略を考えれば十分優位になったはずの真珠湾攻撃など,かなり場当たり的な決定や戦略により,結果大敗を記することになりました。
  しかし,現代でも道路公団民営化や郵政民営化を始め,年金,税法等については,先のことを考えていそうでほとんど考えていない場当たり的な改革にすぎないのではないかという懸念があります。

2 前例踏襲主義
  日本軍は当初空軍(厳密には海軍航空隊)を重視していたが,制空権の発想をとらず,あくまでも「海軍重視」にこだわっていました。そのため,アメリカは航空力の増強を図ったのに対し,日本はあくまで大型艦船の建造にこだわりました。これは,日露戦争の日本海海戦で大勝利したことをきっかけに,日本は海を固めれば勝てる,という発想がずーっと残っていたからといえます(ロンドン軍縮会議でも海軍がメインでしたし。)。つまり,制空権という発想は全くなく,とにかく従来どおりやればよい,という程度にしか考えていませんでした。
  一方,アメリカは早い時期から制空権の発想に切り替わりました。海軍は,むしろ飛行機を運ぶためにあるという観点に立っていました。つまり,時代の先を読んでいたのです。結果,制空権を掌握した米軍は,その後の空爆などを行い,結果日本は敗北しました。
  現代も依然として,前例踏襲主義が残っています。すべてを否定するつもりはありませんが,単純に「昔からこうやっている」という程度にしか考えていないようでは,時代から取り残されてしまうでしょう。

3 安全より効率追求
  日本軍は兵士を人間と思っていませんでした。人間魚雷や神風特攻隊等は,正に人間それ自体を兵器としたむごい戦術です(この点は,イデオロギーの問題とかいろいろありますが,あくまでも第三者的に見た場合のことに限定します。)。
  また,ゼロ戦も改良が進みましたが,攻撃力を重視したのみで,操縦士の安全性はほとんど無視されていました。一方,米軍の戦闘機は,まず操縦士の安全を重視した設計になっていました。この差がやがて空中戦で大きな違いとなり,日本軍が敗退する原因ともなったわけです(簡単に言えば,日本軍は人命を軽視したことで,プロのパイロットがいなくなってしまい,さらなる戦力ダウンになったが,米軍は人命を尊重したため,プロのパイロットが育ち,さらに戦力が上がったということです。)。
  現代社会においても,人命軽視の風潮は残っています。先の電車脱線事故や,日航機の連日トラブルなどはその典型例でしょう。また,リストラの名の下に,過酷な労働を強いることで過労死や自殺者が増加しているという点も,結局のところ,人命より会社のもうけを重視した結果であるといえるでしょう。

4 情報保護のあり方
  日本軍の敗因の要素として,暗号文がすべて読まれていたという点があります。一方で,日本軍は米軍の情報をほとんど把握できていませんでした。
  すなわち,日本軍は情報戦という段階で既に敗北していたわけです。
  現代社会においても,個人情報や企業情報の漏洩が連日問題となっています。このような情報を守れない企業や官庁は,その瞬間,すでに負けているといっても過言ではないでしょう。

5 一度始めたら止められない
  日本は,2個の原爆投下により,最終的にポツダム宣言を受諾し,ようやく戦争は終わりました。しかし,昭和19年頃から既に終戦に向けての様々な打ち合わせが行われていたようです。
  しかしながら,「ここまで来たら後には引けない」等というプライドや「きっと逆転できる」という楽観論から,結局終戦に向けての処理はできませんでした。その結果,原爆をはじめとする様々な空襲攻撃やソ連軍の侵攻などあれだけの大きな被害者を出してしまうことになったわけです。
  現代社会においても,一度開始した事業はそう簡単には止められません。道路公団民営化の議論の際も,着工していない道路でさえ,計画に載っている以上工事を開始しろという意見があったほどです。ある程度のところで止めるという裕樹がなければ,被害は増えるだけで減ることはないでしょう。
  
6 まとめ
  もちろん敗戦の原因はもっとたくさんあります。そして,その反省を活かした制度もたくさんあります。
  しかしながら,その根幹にある物事の考え方(特に官僚や政治家,企業では取締役など)については,実は太平洋戦争の前後を通じ,あまり変わっていないのではないでしょうか。
  そうだとすれば,日本はいずれ敗戦に匹敵するような社会的ダメージを受けるのではないでしょうか。そうならないためにも,今こそ現代社会についてもう一度制度から見直し検証をする時期に来ているのかもしれません

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ