あれは,あれで良いのかなPART2

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「ごくせん」から教育を考える(その3)

2005年03月24日 00時20分25秒 | 教育問題
前回前々回と前置きが長くなりましたので,そろそろ各論に入りたいと思います。
「ごくせん」が受けた背景として,前々回に7点を指摘したかと思います。
そこで,これらについて,以下具体的にあるべき姿を述べていきたいと思います。

1 生徒は少人数(30人以下)のクラスである。
 これは,現在も,一部市町村で実施しています(私のふるさとである埼玉県行田市でも平成16年から実施しており,更に継続するそうです。)。
 少人数制は,ユニ教育とマスプロ教育の併存を行う上で欠かすことの出来ない条件です。
 個性を重視するユニ教育ではもちろんのことですが,マスプロ教育(主に小学校低学年で実施する)においても,単純に一律の授業を行うのではなく,個人個人の理解度を確認するという作業を教師が行わなければなりません(そういう点においては,ユニ教育の併存が要請されることになる。)。
 すると,教師が生徒一人一人を十分に把握する必要があります。その限界は30人程度でしょうか(個人的には,20人程度の方がむしろ良いと思います。)。

 このような意見に対して,「究極的にはマンツーマン教師が良いのではないか」という意見が寄せられます。しかしながら,この見解には反対です。マンツーマン教師の場合,マスプロ教育が行えないからです。
 小学校低学年でマスプロ教育をする必要性は,前回述べたとおり基礎学力をしっかり付ける必要がある点にありますが,そのほかにも基本的な社会性,協調性,集団生活での必要事項など理屈抜きで教える必要がある項目がたくさんあります。これらについては,マンツーマン教育(ユニ教育)では学ぶことが難しく,むしろ一定規模の団体を形成し,その中で教える必要があります。
そういう点からしても,20人から30人程度のクラスを設け,そこで授業や共同生活を行うということに意味があるわけです。

 次に,具体的実効性の問題です。
 現に,この制度を採用している自治体もあり,実効性については十分担保できていると言えます。
 問題となるのは,①教室など物理的な整備,②教員の養成という人的整備になると思います。
 まず①については,少子化が進む中で空き教室が目立つ学校が多いため,物理的キャパには問題はないと思います。
 問題は,②の教師の確保です。しかし,これもあまり心配はいりません。教員免許を持つが教師になれない人は,実はかなりいます(実は私も一応免許だけは取っていましたので,ペーパー教員です,はい(^_^;))。また,事情があって教員を退職した人もかなりいます。教員が退職後,再就職をするという制度は,公立学校ではほぼ皆無です(臨時採用教員など限定されたものしかありません。)。
 このように,教員となりうる人はかなりいるため,人手不足にはなりません。
 あとは,採用試験等の制度をうまく活用して,しっかりした教員を選考すればよいわけです(どんな教員を採用するべきかは,別の機会で述べたいと思います。)。もっとも,ここで誤った選考を行うと,すべてが台無しです。
 これに対して,「こんなことをすると予算がかかり,税金の無駄遣いだ」と主張する方もいます。もちろん,人件費がかかりますので,税金を投入することになります。しかし,未来を背負う子供達の育成のための費用はケチってはいけません。それに,言い方を変えると人件費だけが増えるに過ぎませんし,この金額は今の人件費のせいぜい1.3倍程度にしかなりません。むしろ,世の中もっと無駄遣いしていることの方が山ほどありますので,それをほんの少しだけ整理すれば,予算的にも十分対応は可能なのです。
まとめ
① 20人程度の学級構成にする。
② 教師の確保は容易である。

次回は「2 教師が教育に対する揺るがない信念を持っている。」についてです。

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