「可能性は否定できません」

2011-03-16 22:08:07 | 社会
全く責任逃れのための「ノラクラ」した言い廻しである。
「可能性があります!」となぜ言えないんだ!
その悠長な言葉遣いに腹立ちを覚えます。

電力を安定供給することが絶対的使命であるはずの電力会社が、
顧客に輪番停電させるという苦痛を強いることは暴挙である。
そもそも現東電会長の勝俣恒久氏と社長の清水正孝氏に至っては、
姿どころか氏名さえマスコミに浮上してこない。おかしい。
東電は霞が関のビッグな天下り先ですからと自白しているようなもんだ。

中央官庁やそれに準ずる企業であれば、不測の事態に備えて、重要なデータやシステム
は確実にバックアップしていてしかるべきである。まして東電にとって電力は「商品」そのものである。
ところが、東電は、60ヘルツの中部電力から50ヘルツの東京電力に電気を融通するための
周波数変換設備の変換能力は100万キロワット程度しかないという。

そもそも日本の商用電源のこの東西の周波数の違いは寡占的な経済上の悪しき慣習であり
、一般家庭ではそうやすやすと蓄電できない仕組みになっている。
理論的には交流から直流にコンバートして蓄電し、さらに使用するときに再度交流にインバートする
だけなのだが、このロードインバータが極めて高価であり、消防法の規制もある。

電力が足りなくなったから停電するというのでは、企業としては失格である。
原発がチョンボしたから我慢してね・・では筋が通らない。だから原発は必要でしょ?と言ってる
ようにも聞こえる。
それが、なぜか「被災した人々のことを考えれば我慢します」という優しい人々は、
その論理のすり替えに気が付いていないのだろうか?原震事故は全ての生命に禍根を残し、
その恐怖と被害は数十年後に初めて発覚します。近隣の人々は速やかに三十六計逃げるべきです。

事故や災害が起きると、その筋の権威がコメンテーターとしてテレビに登場する。
○○大学の先生たちである。今回は赤いメガネに黄色のシャツ、ピンクのネクタイという装いの
見事にKYな雰囲気の東京工業大学澤田哲生助教に目が釘付けである。確かに大岡山はお洒落な土地柄ではあるが・・・
あまりそういうことに頓着の無いムートンさんでさえ「え~っ、ちょいワルか?」と不覚にも
的外れな興味を持ってしまった。
電通ラインのフジテレビらしい当たり障りが無く、単に目立てば良いという人選である。

しかし、この方は昔でいう「助手」のポジションの人である。原子力や流体に関してはもっとエライ長老権威が沢山いる。
結局、そういう方々は顔も声出さずひっそりとニートしているか、とっくに海外に逃避しているのであろうか?
できれば、自ら正確な情報を発信していただきたい。武田先生や早野先生などはそうしていらっしゃる。
だって、メルト・ダウンを想定すると、原発など到底造れない訳で・・嘘つけば自分のキャリアに傷が付いて
ノーベル賞が貰えなくなるとでも考えているのだろうか?そのなもんクソくらえである。
そういう観点から見ると澤田先生は立派だし、スケープゴードっぽい感じがして気の毒でもある。
しかし、原震事故の恐ろしさを正直に伝えるべきだと思います。科学者なんだから。

仙台の知人は無事であったが、陸前高田市の音楽仲間達とは未だ音信不通である。
現在、千葉の柏市に居を構える義弟一家は、以前、仙台市に長く住んでいた。
4月に中学二年になる甥っ子の仙台時代の幼馴染を一人預かっている。彼の両親・親戚縁者は未だ消息不明である。
九州在住の私にとっても極めて身近な災害となった。明日はわが身である。