トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

ドミノin上海

2021-01-31 13:35:45 | 
恩田陸さんの「ドミノin上海」を読みました。2020年2月初版の新しい本です。まず最初の扉ページに「人生における偶然は、必然である」という言葉があり、その次のページから4ページにわたって登場人物&登場動物が紹介されています。登場人物が多いなぁと驚きながら読み始めましたが、その紹介はそれぞれの名前と仕事&相互関係を確認するのに便利でした。そういう案内がないとわからなくなるほどの多さ。小説はだいたい主人公がいるものですが、この小説はそれぞれが主人公のような感じ。最初にあった言葉「人生における偶然は、必然である」という言葉を裏付けるように偶然が必然となり、物語は最後にうまく収束します。主な登場人物は青龍飯店メインレストラン料理長、王湯元、骨董品店店主、薫衛員、ホラー映画監督フィリップ・クレイヴン、香港警察刑事、マギー・ロバートソン、東京から休暇で上海に来ている日本人OLの北条和美、田上優子、上海に進出した寿司のデリバリー会社「寿司喰寧」の副社長、市橋えり子、上海警察署長、高清潔、上海動物園パンダ舎の主任飼育員、魏英徳、アウトローパンダ、厳厳、フィリップのペットのイグアナ、ダリオ、上海動物園捜索犬の燦燦など。通称「蝙蝠」と呼ばれる貴重な印章をめぐる闇取引の攻防と上海動物園のアウトローパンダ、厳厳の脱出成功後の大捜索を主な軸に物語は展開します。イグアナダリオの胃袋に入って運ばれた「蝙蝠」。厨房に迷い込んだダリオを新しい食材と思い、王湯元は料理してよりにもよって飼い主のフィリップに供してしまう。フィリップは悲嘆のあまり映画撮影を中断。王湯元は、偶然手に入った印章はすごい値打品であると観て、薫衛員に高額で売ろうとするのだったが、それは、警察からも捜索されていた。ところが、青龍飯店の廊下で料理長、王湯元と宿泊客、田上優子がホテルの廊下で激突したとき、本物の「蝙蝠」が贋作とすり替わってしまう。また逃走中の厳厳が空洞になっていた現代美術彫刻の中に身を潜めたことで、青龍飯店の現代美術展会場まで運ばれ、厳厳の捕り物と「蝙蝠」を取り戻す攻防が接点をもつに至った。コミカルで気楽に読めるエンターテインメント小説でした。

おまけ
今日で1月も終わり。早いなぁ。太極拳と習字とスーパーに買い物に行く以外は引きこもって暮らしています。なので、読書したり、録画した映画を観たりすることが多かったです。最近見た映画、ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演の「CASTAWAY」はとてもお勧めです。2000年の映画なので、若いし、役作りのため23キロくらい減量したそうです。現代版ロビンソン・クルーソー物語。サバイバル生活での相棒となったバレーボールのウィルソンも印象的。人間孤独だとボールでも相棒にしたくなるんだな。お薦め。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする