子どもたちがまた学校へ行き出した。アイツらはすんごく喜んでる。
これでも「かわいがってる」って言うのか?
==============================
「おやすみ。」
小さい子は自分の部屋へ。
「おやすみ。」
アイツはベッドへ。
アニキとおいらは廊下に残った。
ガラスのドアの向こうには外の電気に照らされて、頭から尻尾まではっきりわかる黒ネコのタビがいた。すごすごベッドになんか戻れるもんか。おいらたちはドアに寄って警戒した。やつはまるでドアを蹴破って来そうな勢いだった。
ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー
アイツが声をかけて、一瞬止まった体当たりがまた始まった。
アイツはベッドの中で起きてたけど、戻ってこなかった。
「お家に帰りなね。お家に・・・」
とヘタクソだけど、交信しようとしてる。こんなにヘタじゃ、タビには通じない。
ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー
しばらく音が続いた。スゴいやつだ。でも、アイツは寝ちまってヘタクソな交信も終わった。
とうとう外の電気が消えた。
ドアが開かないことがわかったタビは、あきらめた。
アニキがソファーに引き上げて、おいらもアイツの部屋に戻って、また足元に丸くなった。
もう戻ってこないだろう。四つ足だからね、タビの交信ぐらいわかるさ。今度は朝までぐっすり眠った。
(つづく)
これでも「かわいがってる」って言うのか?
==============================
「おやすみ。」
小さい子は自分の部屋へ。
「おやすみ。」
アイツはベッドへ。
アニキとおいらは廊下に残った。
ガラスのドアの向こうには外の電気に照らされて、頭から尻尾まではっきりわかる黒ネコのタビがいた。すごすごベッドになんか戻れるもんか。おいらたちはドアに寄って警戒した。やつはまるでドアを蹴破って来そうな勢いだった。
ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー
アイツが声をかけて、一瞬止まった体当たりがまた始まった。
アイツはベッドの中で起きてたけど、戻ってこなかった。
「お家に帰りなね。お家に・・・」
とヘタクソだけど、交信しようとしてる。こんなにヘタじゃ、タビには通じない。
ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー
しばらく音が続いた。スゴいやつだ。でも、アイツは寝ちまってヘタクソな交信も終わった。
とうとう外の電気が消えた。
ドアが開かないことがわかったタビは、あきらめた。
アニキがソファーに引き上げて、おいらもアイツの部屋に戻って、また足元に丸くなった。
もう戻ってこないだろう。四つ足だからね、タビの交信ぐらいわかるさ。今度は朝までぐっすり眠った。
(つづく)