シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0244■タビ物語-体当たり 

2007-04-21 | 近所の猫
おいらたちの話だと更新が遅れたりするのに、タビだとこんなに早いのはどういうこった?
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けっきょく、おいらはアイツと一緒に寝た。
連れ合いも一緒で2人と1匹じゃ、そろそろ暑い頃だったけど、1人と1匹ならワルくない。おいらはアイツの足の方に丸くなって寝てた。アニキはちょっとだけ一緒にいて、水を飲みに行ったついでにいつものソファーに戻っていった。

夜行性のおいらだって寝てたぐらいだから、そうじゃないアイツはホントにぐっすり寝てた頃、突然、玄関のドアがガタガタ鳴った。
おいらとアイツは同時に起きた。

ガタガタガタガタ
スゴい音だ。
アニキの頭のテレビもついてる。この音じゃ誰でも起きるぜ。

連れ合いのいない夜にこんなことになって、アイツは、
「どうしよう。」
と思ってた。でも、起き上がって、見に行こうとした。

そのときだった。
ニャー
デカい鳴き声がした。
タビだ。

ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー


タビはドアにぶつかりながら鳴いてる。
そうでなけりゃ、こんな音しないぜ。
アイツの部屋は玄関に近いからよく聞こえるんだ。

玄関に行くと外の電気がついてた。タビが動き回ってるから、電気が消えない。
ガタガタガタガタ、ドンッドンッ
ニャーニャー


家の中の電気がついてアイツが出てきたのがわかったタビは、もっと音を立てた。
デカい黒いからだをガラスのドアに押し付けてるから、頭から尻尾まで全部見える。

ガタガタ、ドンッドンッ
ニャーニャー
ニャーニャー


「タビちゃん、きょうはもう遅いからダメよ。ご飯ならお家に帰って食べて。この時間はみんな寝てるの。静かにしてね。おやすみ、またね。」
アイツはそう言っただけで、ドアを開けなかった。

「ママ、どうしたの?」
小さい子が起きてきた。アイツの声が聞こえたんだろう。
「あの黒いネコが騒いでるの。どうしたのかしらね。またご飯がもらえると思ったのかしら?ほうっておけば帰るでしょう。大丈夫よ、もう寝なさい。ママも寝るわ。」

でもタビは帰らなかった。
(つづく)