ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

地域貢献は町内から

2010-04-13 22:54:10 | Weblog
 今日のガイアも心が暖かくなる内容でした。買物難民と呼ばれる山村の高齢者に、移動販売でくまなくカバーする試みは、われわれが求めている方向性と一致している、ビジネスと福祉の融合でした。

 自治会に参加したら、この地域でも独居死する高齢者がいる現実に、住民で福祉部を作って課題解決に取り組むことになったので、だれかに委員をやってほしいという話になり。誰も手を挙げる人がいない中、地域のみなさんに貢献するため引き受けますと宣言してきました。

  広いエリアで支援をしながら、町内には何も貢献して来なかった今までの分を取り戻し。小規模多機能事業所が地域で果たす安心のモデルを示せたら。広い世に大きな貢献になると思います。

今日の龍馬伝

2010-04-11 20:49:28 | Weblog
 龍馬伝。序盤のたるみが嘘のように秀逸になってきました。抒情的になり過ぎるとたるむ傾向があるようです。史実に基づく緊密な状況が増えてきて、カメラワーク・演出の良さがが際立ってきた感じ。

 武市半平太が実際にあんな形で岡田以蔵をテロリストにしていったのかは不明だが、リアリティを感じさせる説得力があります。以蔵と龍馬が遭遇した今日の場面はまったくのフィクションぽく抒情的だったが、いいシーンだった。また、さんざん予告で繰り返していた広末のセリフが、ネガティブではなくいい意味だったことも、しっとりと感動させた。来週ようやく勝海舟と出会う期待感を高めるうまい展開でした。

 広末の役目はこれで終了っぽいけど、龍馬はのちに結婚してるし、整合性とれるのだろうか。

 世界ではテロや紛争が止まらない。海外の悲しいニュース速報が今も流れている。戦わずに解決しようとした龍馬の偉大さは、世界の中でも傑出していたと感じる。

新しい1年

2010-04-10 23:26:58 | Weblog
 年度初めの1週間が過ぎました。児童のスタッフは春休みで朝早くから出勤、夜も早く終わらせたいのですがなかなか帰れず。成人のスタッフは体制作りでさらに遅くまで。

 大変でしたが、利用者のみなさんがとてもいい表情で楽しんでいるという報告を受けました。児童部もようやくいい気候になりお花見ができ。終わってみれば幸せあふれる春休みでした。

 成人部の新人スタッフから。「みんながあんなに仕事ができるとは思いませんでした」と感動している言葉が聞かれ。

 障害の人たちは余暇の時間を過ごすにはマンツーマンの手厚い支援が必要だけど、仕事になるとルーティーンの環境さえ作ってあげたら、少ない支援でもかなりの仕事ができるようになる。だから従来の下請け作業だけでなく、高度な一般の仕事にもチャレンジしたら素晴らしい仕事ができるのだと伝えました。

 今年の初めから中途で入職したスタッフは。「どこの職場にも必ずひとりかふたりは、分かり合えない人、いやな空気を発する人がいたけど、この職場にはそんな人がひとりもいない。こんな職場は初めてです」

 今年度も素晴らしい1年になりそうです。

街のナースステーション

2010-04-09 22:59:18 | Weblog
 半年前に申請し結果待ちしていた助成金の返事が来ました。昨年は日本財団から2本の助成をいただきましたが、今年度もまずは1本目の助成が決まりました。事業仕分けが入り難度の高くなった独立行政法人福祉医療機構から。感謝感謝です。

 内容についてはずっと公表していませんでしたが、正式に決まったので発表いたします。

 医療ケアの必要な障害のかたに、医療保険の訪問看護で医療ケアを受ける制度は以前からありますが、学校や施設、また外出先などには訪問看護は認められていないことが、困っている方たちを孤立させています。

 ねがいのいえは医療ケアも受けることで支援をしてきましたが、看護師ひとりだけの事業所に応えきれないくらいのニーズがやって来ます。街の中にナースステーションがあって、呼ばれたら学校でも施設でも、どこへでも出かけて行く「街のナースステーション」があったらいいのではないか。そう考え、そのプランを申請して認められました。

 地域の事業所や施設などに呼びかけ、必要としている方へ、今までの制度でカバーしてもらえなかった場所へ、どこへでも看護師が訪問します。このプロジェクトが、この地域の施設事業所間のネットワークを構築するきっかけにもつながります

 「ねがいのいえ」の理念に合う「ねがいのいえ」らしい新事業へのチャレンジが、今始まります。また忙しくなります。

同級生の宮川くん

2010-04-08 23:19:13 | Weblog
 学校の先生をしている同級生の話を昨日したので、前から書こうと思っていたその友人の話を、今日は書きます。

 中学の同級生で生徒会長を務めていたその友人に初めて会ったとき、こんなにバランス感覚の優れた、そしてユーモアのある人気者が世の中にいるんだと思いました。

 3年前、およそ25年ぶりで会った友人は、昔と少しも変わってなかった。

 互いの仕事に話に触れ。障害を持つ方の生活支援をしている自分の話をし、病気の家族が追い詰められていること、片親家庭が大変な苦労している話をした。すると。

 今学校では、普通学級でも3分の1が片親家庭。そして心を病む親も多いと語る友人。追い詰められた親から、夜中でも電話がかかってくる。そのとき、3時間でも4時間でも悩みを聞き続けるのだそうです。

「よくそんなことが出来るね。それは立派だ」とこちらが言うと、「その時は大変だけど、それをすることで落ち着きを取り戻してくれた方が、あとが楽なんだ」と、当たり前のように語っていた。

 これは、われわれが障害を持つ人たちに行なっている心のケアと同じ対応である。われわれが師匠からたくさんの研修を受けてやっていることを、彼はひとり、誰からも教わることなく、こつこつと実行していた。

 こんなに素晴らしい先生が世の中にはいて。そしてそれが自分の同級生である。本当に素晴らしい。

 彼が先生になってわれわれの母校に赴任していた期間に、自分の姪が在学していたことが会話の中でわかった。知的障害を持ち特殊学級に在籍していたことを話すと、よく知っていて、かわいがってくれていたことを初めて聞いた。

 母校は障害を持つ子たちの学級にとても優しくて、一番日当たりのいい教室を当ててくれていた、週に1回受け持つ時間があり、普通学級にはない温かい時間を過ごした、と語ってくれた。


 生徒の家がやっているという居酒屋さんへ入ると、大勢の人が、彼に先生、先生、と慕う声がかかって話もできないほどだった。

 こんな人材が名もない地方でがんばっている。こんな友人が自分にはいる。それは誇らしい事実です。

家族の力

2010-04-07 22:44:36 | Weblog
 心を病む人が増えている。なぜかなあ。昔ならこんな悩みは人として当然、ふさぎこんで薬を飲むほどのことではないだろうと思われることで、服薬療養、育児不能に陥ってしまう。

 障害児のいる家庭に母子家庭が多いのは昔から実感していたが、今はクラスの3分の1が片親家庭だと、先生をしている同級生から聞いた。子育てしている夫婦自体に子供への責任感やこらえ性がないのか、ゆとり教育や個性重視の教育が現代人からそんなものを奪っていったのか。

 福祉が支援できるのはあくまで外部の支援者としての範囲。家族そのものが成り立たなくなれば子は施設へ行かなければならない。世の中全体の家族力が低下しているのではないかと感じるこの頃。われわれの仕事は、家族の依存度を高めることではなく、必要なときにはどんなニーズにも応えながら、家族が力を取り戻したら、家族のつながりに返していくこと。

 3ヶ月前、信じられないような緊急の状況でやってきたかたに、翌日から毎日の支援をしてきましたが、家族の状況が改善しこれからは家でがんばってみるとの申し出があり。素晴らしい出来事でした。めったにないことです。また何かあったときにはいつでも電話をくださいと伝えました。

この業界は

2010-04-06 22:32:38 | Weblog
 ガイアはやはり感動させます。名物添乗員が開拓する離島へのツアー、行ってみたいなあ。温泉旅館が集まって開く卓球大会に、各旅館の宿泊客が集まって交流し、「こんなに楽しかったのは初めて」とお客が語る姿は胸が温かくなる光景でした。

 不況で苦しむ各業界、活気を取り戻すために様々なアイデアを考え出し挑戦している姿は立派です。

 福祉業界は。

 何十年も前から、全国どこへ行っても同じ問題で悩み同じように困っている人が一定数必ずいる。マーケティングも新サービスの工夫もいらない。困ってることに何でも対応しますと言えば、宣伝しなくても利用者が集まって断るほど。

 こんなに競争もなく常に供給不足の業界が他にあるだろうか。供給が増えないのは、日本社会の冷たい構造を映し出しているかがみだとも言える。

 今日のニュース。性同一性障害で性転換した人の子どもが戸籍を認められないという話。役所も厚労省も、法の整備が必要で時間がかかるとしか言わないというが。目の前で困っている人の現実に迅速な対応をしない冷たさ。社会構造の問題もあるが、対応した担当官に人の痛みを感じてなんとかしてあげようという熱さがないことが問題。

 そんな人間を育てて続けているのが問題となると、やはりそれも社会構造の問題か。

 われわれが日々相手にしてる担当官と同じだ。

今日もひとりごと

2010-04-06 00:14:52 | Weblog
 カンブリア。coco壱番屋の哲学に感動。しかし自分は入ったことがない・・・そんなに活気があふれているのだろうか。今度行ってみよう。

 60年代以前には、貧乏で草を食べてたなんてことが現実にあった。しかし、ギャンブルで家族に苦労をかけた父親を、それでも大好きだったという話には、なぜそんなことが言えるのだろうかと感じ。それも含めたすべてに涙を誘われた。

 「龍馬伝」なかなか良くなってきた。岡田以蔵がテロリストに変わっていく狂気を、手持ちカメラで追いかける撮影は見事だった。

 桜は咲いたのに気温はさらに下がるという予報。今年は写真を撮れる日がない・・・

暁に誓う

2010-04-05 00:10:31 | Weblog
 昨日は久々のカラオケ。

 相次いで他界した両親 幼くして入所へ旅立ってしまった利用者

 想うことが多すぎた日々。その想いをのせて歌い続けるとすでに夜明け前。

 最後はいつもの「誕生」を泣きながら歌い。家族を悩ませる行動が止められずについにギブアップさせてしまった彼女にも、「生まれてくれて WELCOME」の言葉を贈り。

 そして、「今は守ってあげられないけど、18歳になったとき、われわれがもう一度引き受けることができる。その時には、制度を利用して堂々と介入しよう」と、みんなに伝えた。

言いたいことがいっぱい

2010-04-03 00:58:31 | Weblog
 新聞記事から。大阪で障害者が車を保有しているために生活保護が受けられないことで裁判が起こっているそうです。

 われわれもさんざん戦ってきた問題。車がなければ生活できない人は、どんなに経済的に苦しくても絶対に生活保護が受けられないという役所のルール。

 今日さいたま市から届いた書面では、「生活サポート事業」の制度について、「宿泊は一時預かりではないから利用できない」などと今まで聞いたことのない一文があり。埼玉県が全国に誇れる数少ない優れた制度なのに、今この世情に「改悪」するなんて。

 一方で、30分単位のカウントで報酬を請求する移動支援において、20分未満は切り捨てるようにという規則を市が事業者に強要している。こんなことが一般社会で通用するのだろうか。1分でもオーバーすれば次の30分をカウントするのが世のルール。従業員の給与でも20分未満を切り捨てていたら訴えられるはずだ。

 そのうち市を訴える動きが出てきてもおかしくない事態。財政が厳しいならそこにどう対処するのか知恵を出し合って話し合う問題。困っている人たちの暮らしを切り捨てる冷たい政策を続けるなら、回りまわって行政側が追い詰められる日が来るに違いない。