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穏やかな日々を

(社説)衆院選 大義なき解散 「首相の姿勢」こそ争点だ

2017年09月27日 00時37分00秒 | 行政
(社説)衆院選 大義なき解散 「首相の姿勢」こそ争点だ
2017年9月26日05時00分

 安倍首相が衆院の解散を表明した。10月10日公示、22日投開票で行われる方向の衆院選の最大の「争点」は何か。
 民主主義の根幹である国会の議論を軽んじ、憲法と立憲主義をないがしろにする。そんな首相の政治姿勢にほかならない。
 きのうの記者会見で首相は、少子高齢化と北朝鮮情勢への対応について国民に信を問いたいと訴えた。
 少子高齢化をめぐっては、消費税率の10%への引き上げを予定通り2019年10月に行い、借金返済にあてることになっている分から、新たに教育無償化などに回す。その是非を問いたいという。
 だが、この使途変更は政府・与党内でまともに議論されていない。そればかりか、民進党の前原誠司代表が以前から似た政策を主張してきた。争点にすると言うより、争点からはずす狙いすらうかがえる。国民に問う前に、まずは国会で十分な議論をすべきテーマだ。
 核・ミサイル開発をやめない北朝鮮にどう向き合うか。首相は会見で「選挙で信任を得て力強い外交を進めていく」と強調したが、衆院議員を不在にする解散より、与野党による国会審議こそ必要ではないのか。
 首相にとって今回の解散の眼目は、むしろ国会での議論の機会を奪うことにある。

 ■国会無視のふるまい
 首相は28日に召集される臨時国会の冒頭、所信表明演説にも代表質問にも応じずに、解散に踏み切る意向だ。
 6月に野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会召集の要求を、3カ月余りも放置した揚げ句、審議自体を葬り去る。憲法無視というほかない。
 いま国会で腰を落ち着けて論ずべき課題は多い。首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われる森友・加計学園をめぐる疑惑もそのひとつだ。首相は会見で「丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後ともその考えに変わりはない」と語ったが、解散によって国会での真相究明は再び先送りされる。
 国会を軽視し、憲法をあなどる政治姿勢は、安倍政権の体質と言える。
 その象徴は、一昨年に成立させた安全保障関連法だ。
 憲法のもとで集団的自衛権の行使は許されない。歴代の自民党内閣が堅持してきた憲法解釈を閣議決定で覆し、十分な議論を求める民意を無視して採決を強行した。
 今年前半の国会でも数の力を振り回す政治が繰り返された。
 森友問題では昭恵氏の国会招致を拒み続ける一方で、加計問題では「総理のご意向」文書の真実性を証言した前文部科学次官に対して、露骨な人格攻撃もためらわない。

 ■議論からの逃走
 極め付きは、「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切る「中間報告」を繰り出しての採決強行である。都合の悪い議論から逃げる政権の姿勢は、今回の解散にも重なる。
 北朝鮮の脅威などで地域情勢が緊迫化すれば、政権与党への支持が広がりやすい。選挙準備が整っていない野党の隙もつける。7月の東京都議選の大敗後、与党内から異論が公然と出始めた首相主導の憲法改正論議の局面も、立て直せるかもしれない。タイミングを逃し、内閣支持率が再び低下に転じ、「選挙の顔」の役割を果たせなくなれば、来秋の自民党総裁選での3選がおぼつかなくなる……。そんな政略が透けて見える。
 森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図は明らかだ。
 もはや党利党略を通り越し、首相の個利個略による解散といっても過言ではない。
 森友・加計問題については、自民党の二階幹事長から信じられない発言が飛び出した。「我々はそんな小さな、小さなというか、そういうものを、問題を隠したりなどは考えていない」
 だがふたつの問題が問うているのは、行政手続きが公平・公正に行われているのかという、法治国家の根幹だ。真相究明を求める国民の声は、安倍政権に届いているようには見えない。

 ■数の力におごる政治
 安倍政権は12年末に政権に復帰した際の衆院選を含め、国政選挙で4連勝中だ。
 これまでの選挙では特定秘密法も安保法も「共謀罪」法も、主な争点に掲げることはなかった。なのに選挙で多数の議席を得るや、民意を明確に問うていないこれらの法案を国会に提出し、強行成立させてきた。
 きのうの会見で首相は、持論の憲法9条の改正に触れなかったが、選挙結果次第では実現に動き出すだろう。
 もう一度、言う。
 今回の衆院選の最大の「争点」は何か。少数派の声に耳を傾けず、数におごった5年間の安倍政権の政治を、このまま続けるのかどうか。
 民主主義と立憲主義を軽んじる首相の姿勢が問われている。
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(座標軸)憲法ないがしろの果てに 論説主幹・根本清樹

2017年09月27日 00時35分32秒 | 行政
(座標軸)憲法ないがしろの果てに 論説主幹・根本清樹
2017年9月26日05時00分朝日新聞

 国の最高法規に背を向け、国権の最高機関を軽んじ、安倍首相が衆院解散を表明した。憲法あれどもなきがごとし、である。
 内閣不信任が決議された場合は別として、いつ何時なら内閣は衆院を解散できるのか。憲法が明示しないことから、長く議論が続き、なお決着を見ない。
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福井の福田優さん(75) 大学長後も 生涯一医師 1日100人診察、最新知識習得 「人の役 立てるなら」

2017年09月27日 00時29分12秒 | 教育
福井の福田優さん(75) 大学長後も 生涯一医師 1日100人診察、最新知識習得 「人の役 立てるなら」
2017年9月26日 (火)配信福井新聞

 福井大学長を6年間務めた福田優さん(75)=福井市=が2013年の退任後も医師として現場に戻り、健診医という新たなフィールドで挑戦を続けている。学長退任後に医療分野で現場復帰するケースは極めて珍しいが「新しいことを学び人の役に立てるのはうれしい。体が動く限り、医師を続けたい」と意欲は尽きない。
 「大きく息を吸って、吐いて。たばこは吸いますか。空気を吸うと少し雑音するね」。福井市和田2丁目の県予防医学協会の診察室。福田さんは聴診器を受診者の胸に当て、穏やかな表情で語り掛ける。
 長く従事してきた病理医の仕事に加え、学長退任後に同協会の非常勤医師として働き始めた。国立大学協会(東京)によると、学長退任後に医療分野で現場復帰するケースは全国でも珍しいという。現在、同大名誉教授で特別顧問だが、週の半分は同協会や、健診バスで出向いた県内各地のオフィス、市町などで診察している。
 健診医は、まだ自覚症状のない受診者と専門医をつなぐ橋渡し役で、早期発見と治療の鍵を握る。1日100人以上も診ることがあるため、1人の診察は約3分間。カーテンを開けた瞬間から歩き方や姿勢など“診察”が始まる。福田さんは穏やかな口調で受診者の緊張を解き、信頼関係を築いた上で、適切な診断を行う。「健診はチーム医療。周囲の優秀なスタッフがいてこそ」と感謝の言葉を繰り返す。
 医師としての原点は、小学生時代の出来事。近所の子どもが放ったゴムパチンコの石が祖母の目に当たり失明、脳出血で亡くなった。大切な人を失った悲しみが、今も原動力の一つになっている。
 健診医として総合診療の知識を深めようと、最新の専門書などを時間を見つけて読み進めているという。「新たな知識を得る時間が楽しい。そしてこれが地域医療に還元でき、人の役に立てるのならうれしい」とにこやかに話した。
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医療ケア児支援に報酬加算 厚労省、受け皿拡大へ

2017年09月26日 07時11分41秒 | 行政
医療ケア児支援に報酬加算 厚労省、受け皿拡大へ
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 厚生労働省は22日、障害児向けデイサービスなどの事業所が、たんの吸引といった医療的なケアを必要とする子ども(医療的ケア児)を受け入れた場合、来年4月から看護師の配置などに応じて報酬を加算する方針を決めた。同日開いた有識者チームに考え方を示した。
 現状では看護師の配置を評価する仕組みになっておらず、医療的ケア児が通える事業所は少ない。受け皿を拡大し、保護者の負担軽減にもつなげたい考えだ。
 医療的ケア児は、胃に穴を開けてチューブで栄養を摂取する「胃ろう」やたんの吸引、人工呼吸器の装着などが必要な子ども。医療技術の進歩で新生児が救命される確率が高まったことで増加。全国に19歳以下で約1万7千人いると推計されている。
 厚労省は酸素吸入や気管挿管など、ケアの内容ごとに点数化した上で、利用する子どもの人数や看護師の配置状況を踏まえて具体的な報酬額を決める。
 厚労省の調査では、障害児の通所事業所のうち、医療的ケアを提供しているのは1~2割程度にとどまっている。
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横浜・入院患者連続殺人:事件1年 捜査難航、遺族「自首を」 「父の命なぜ絶たれたのか」

2017年09月26日 07時10分05秒 | 事故事件訴訟
横浜・入院患者連続殺人:事件1年 捜査難航、遺族「自首を」 「父の命なぜ絶たれたのか」
地域 2017年9月24日 (日)配信毎日新聞社

 横浜市の大口病院で昨年9月に入院患者2人が死亡し、遺体から消毒液「ヂアミトール」に含まれる成分が検出された事件は、神奈川県警が捜査本部を設置してから23日で1年となった。亡くなった西川惣蔵(そうぞう)さん(当時88歳)の長女(52)が代理人弁護士を通じて取材に応じ「ふとした時に父を思い出し、(入院先に大口病院を選んで)本当に申し訳なかったと思う」と後悔の日々を振り返り、「犯人は自首してほしい」と事件の解決を願った。【国本愛、木下翔太郎、堀和彦】
 今月18日の一周忌。長女は家族と墓参りし「ごめんなさい」と手を合わせたという。西川さんは自宅でスポーツ中継を見ながら酒を飲むのが好きで、2人の孫をとてもかわいがっていた。「私や子供たちが『おいしい』と言ったものを、次に訪れる時に用意してくれていた」。長女には言わない冗談も孫の前では口にしていた。
 西川さんは昨年8月上旬、自宅で倒れて救急病院に入院し、翌月に大口病院に移った。亡くなる2日前には状態が悪化し、長女が病室に駆けつけると、呼吸も苦しそうだった。その後、持ち直した西川さんに長女が「楽になった?」と聞くと、「うん、楽になった」と返してくれた。それが最後の会話となった。「大口病院を選ばなければ、父は普通に人生を終えられていた。父の命を、なぜ他人に絶たれてしまったのか」。長女は悔しさをにじませた。
 西川さんが死亡した2日後、同じ病室に入院していた八巻(やまき)信雄さん(当時88歳)が死亡。病院が神奈川県警に「点滴に異物が混入された可能性がある」と通報、事件が発覚した。八巻さんの長男(57)も代理人弁護士を通じてコメントを寄せた。「家族の状況は変わっておらず言いたいことはありません」と心境をつづり「犯人逮捕」と「真相解明」を求めた。
 ◇容疑者特定、証拠乏しく
 神奈川県警は、何者かが点滴に消毒液を混入させたとみて、病院に出入りしていたスタッフら関係者延べ2000人弱への聞き込みなどを続ける。しかし、防犯カメラは設置されておらず、目撃情報もないなど、容疑者特定に直結する証拠は乏しいとみられ、捜査は難航している。
 事件は4階の同じ病室で発生した。昨年9月18日と20日、西川惣蔵さんと八巻信雄さんが点滴を交換してから数時間後に容体が急変し死亡。死因はいずれも中毒死で、2人の体内から界面活性剤の成分が検出された。4階に保管されていた未使用分の点滴の一部にも同様の痕跡があることから、県警は病院内で異物が混入された可能性が高いとみている。
 ◇入院病棟は閉鎖、院名変え再開へ
 大口病院は事件後、約50人いた入院患者全員を転院させ、昨年末に入院病棟を閉鎖した。現在は外来診療のみ受け付けている。同院は病院名を変更して再開する方針だが、時期は未定だ。
 事件時に勤務していた医師や看護師らは、ほぼ全員が退職した。元スタッフの女性は「解決するまで信用は回復しないし気が気ではない。何も終われない」と苦悩を語った。
 同病院では昨年春以降、看護師のエプロンが切り裂かれたり、飲料に異物が混入されたりするトラブルも続発。女性は、事件との関係は分からないとしながらも「対処していたら防げたかもしれない」と話した。
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6割が「負担増やむなし」 社会保障意識調査

2017年09月26日 07時05分13秒 | 行政
6割が「負担増やむなし」 社会保障意識調査
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 厚生労働省が実施した意識調査で、医療・介護のサービスや年金など社会保障の給付と負担の在り方について、全体の61%が「負担増はやむを得ない」と回答したことが22日、分かった。負担増を前提としながら給付水準の引き上げを求めたのは13%にとどまり、30%が水準維持、17%は給付引き下げに理解を示した。
 一方で、給付水準の引き下げを前提に「従来通りの負担とすべき」は8%、「負担を減らすべき」は5%にとどまった。
 年齢が高い世代や高所得層では、負担増を容認する割合が高く、現状の給付水準の維持でよいという割合も同様の傾向だった。
 年代別でみると「負担増はやむを得ない」としたのは、20代が53%、30代が57%、40代以上の年代ではいずれも60%を超えた。調査結果は10月にも公表される2017年版厚生労働白書に掲載される。
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婆はしあわせです

2017年09月25日 23時55分42秒 | 
こんなにかわいい孫がいるから
婆は幸せです。
とても重たい石を持ち上げようとしています。
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高額な医療

2017年09月25日 23時52分22秒 | 私自身や健康
お別れは辛いけど
そんなにも高額な医療をして頂いて
生きながらえる自分にどんな価値があるのだろうか?
もう
十分生きた感ありの婆だから

さよならもいいのでは?

そう、いいのです。
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スラムで邦人医師らが診療 ケニア、患者に笑顔

2017年09月25日 23時51分22秒 | 医療情報
スラムで邦人医師らが診療 ケニア、患者に笑顔
2017年9月19日 (火)配信共同通信社

 【ナイロビ共同】ケニアの首都ナイロビのスラムで18日、北海道や兵庫県など6都道府県の病院に勤務する日本人医師や看護師16人が住民に無料診療を行った。お金がなく病院に通えない患者数百人が詰め掛け「丁寧に診てくれてうれしい」と笑顔で感謝の言葉を述べた。
 米国の大学病院の元医師で、今はスラムでエイズ患者や地元医師にエイズの対処法などを助言している稲田頼太郎(いなだ・よりたろう)氏(71)が地域医療の向上を目指し、知り合いの医師たちに参加を呼び掛けた。2000年から年1~2回開かれ、今回で26回目。延べ6万~7万人の患者を診てきたという。
 公民館に小児科や内科、歯科のブースを設置。風邪や下痢などの症状を訴える子どもたちに、医師が聴診器を当てて診察していた。負傷した脚が広範囲にわたって化膿(かのう)しハエがたかったままの男性患者もいた。
 前夜発熱した息子(6)を連れてきた主婦ザハラ・ジュマさん(26)は「病院は費用が高くて行けず、途方に暮れていた。日本人医師は話をしっかり聞いて診察してくれるから安心」と笑顔だった。スラムにも診療所はあるが、住民によると「ケニア人医師の技術は低く、診療所に行って症状が悪化することもある」という。
 北海道釧路市の釧路労災病院の宮城島拓人(みやぎしま・たくと)副院長(58)は17回目の参加。「毎年待ってくれている患者たちがいる。参加した若い日本人医師にとっても、世界の医療事情を知る良い機会だ」と語った。
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地域医療に関心持って 基本的治療など県外若手医師に指導

2017年09月25日 23時46分58秒 | 地域
地域医療に関心持って 基本的治療など県外若手医師に指導
2017年9月25日 (月)配信山陰中央新報

 益田圏域の医師不足解消と都市部の若手医師のスキル向上を狙い、益田市医師会が企画した研修プロジェクトの周知を図るワークショップが23日、同市遠田町の益田地域医療センター医師会病院で始まった。全国から参加した医師ら16人が、プロジェクト指導医から手ほどきを受け、地域医療とプロジェクトに対する関心を高めた。
 プロジェクトは「親父(おやじ)の背中プログラム」と名付け、同医師会病院で診療を担いながら、会員の開業医を指導医に、へき地医療などを学ぶ。参加医師は総合診療医の経験を積むことができ、病院側は医師が確保できる利点がある。
 来年4月の開始を予定し、若手医師を対象に定員2人で参加者を募集中。期間は2年で給与や研修費用は同医師会が支払う。医師会がこうした医師確保の取り組みを行うのは全国で初めてという。
 ワークショップには、東京都や北海道、鳥取県などから経験年数2~17年の医師らが参加し、プロジェクト指導医3人から、整形外科などの基本的な症例や治療方法を学んだ。
 このうち、益田市内の医療法人「あすか」の井上貴雄理事長からは、手首の骨が折れたとの想定でギプスの巻き方などを教わった。整形外科医を志す順天堂大順天堂医院(東京都)の臨床研修医、白銀優一さん(27)は「大学病院では普段、触れることがない基本的な施術を学べた」と手応えを得た様子だった。
 24日もあり、市内の特別養護老人ホームを訪ねる。
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AIで糖尿病の合併症予測 藤田保健衛生大、第一生命

2017年09月25日 23時37分33秒 | 教育
AIで糖尿病の合併症予測 藤田保健衛生大、第一生命
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 人工知能(AI)を使い、糖尿病の患者が半年後に重い合併症を発症するかどうかを予測するシステムを開発したと、藤田保健衛生大と第一生命が22日、発表した。同大学は重症化の予防に活用したいとしている。第一生命は保険加入基準の拡大や新たな商品の開発に役立てたいという。
 糖尿病は肥満や運動不足などがきっかけで、血糖値を下げるインスリンの働きが低下。重くなると腎臓の機能が低下し人工透析が必要になることもある「糖尿病腎症」などの合併症が出る。
 チームは糖尿病に関する約2500万本の論文のほか、糖尿病などの患者約13万2千人の電子カルテのデータや栄養指導記録などをAIに学習させた。
 ここに糖尿病腎症の症状がない初期の患者データを入力し、180日後に、腎症が進行して発症するかを予測する。過去の患者データで確かめると、71%の精度で正しく予測できたという。
 開発に携わった藤田保健衛生大の牧野真樹(まきの・まさき)講師は「症状が出る前に、予測に基づいて栄養指導法を変えるなどの対応ができるようになるかもしれない」と話している。
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水俣病終わらずと坂本さん 水銀規制の必要性強調 条約会議スイスで開幕

2017年09月25日 23時36分01秒 | 行政
水俣病終わらずと坂本さん 水銀規制の必要性強調 条約会議スイスで開幕
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 【ジュネーブ共同】8月に発効した「水銀に関する水俣条約」の第1回締約国会議が24日、スイス・ジュネーブで開会した。熊本県水俣市の胎児性水俣病患者の坂本(さかもと)しのぶさんが非政府組織(NGO)代表として演説、「水俣病は終わっていない」と訴えた。また「女性や子どもを水銀から守らねばならない」と述べ、人体に有害な水銀規制の必要性を強く訴えた。
 会議を主催する国連環境計画(UNEP)高官は演説で坂本さんを紹介、「彼らはもはや1人ではない」と述べると大きな拍手が湧いた。
 UNEPは、世界の小規模な金採掘場で推計1500万人が精製に使う水銀にさらされていると警告、参加各国に条約履行と規制強化への議論を求めた。会議には日本をはじめ、米国、中国など150以上の国・地域が参加し、29日までの会期中、水銀による環境汚染や健康被害の防止について議論する。
 28~29日の閣僚級会合では80カ国以上の代表が演説の見通し。小規模な金採掘場での水銀被害が深刻な南米ガイアナの大統領が実情を報告する。
 UNEPによると、水銀による環境汚染は、小規模な金採掘場と石炭火力発電所が二大要因となっている。うち金採掘場はアジア、アフリカ、中南米など70カ国以上で推計1500万人の作業員と家族に健康被害のリスクがあるという。
 会議では条約履行のための規則制定のほか、水銀の輸出禁止措置や汚染対策の指針作成なども議論される見通し。
 28日の公式プログラム「水俣への思いをささげる時間」では坂本さんや西田弘志(にしだ・ひろし)水俣市長、環境省親善大使の高校生らがスピーチする。
 条約の加盟国・地域は日本、米国、中国、欧州連合(EU)など計79だが、それ以外の国も出席できる。
 ※水銀に関する水俣条約
 水銀と水銀化合物による環境汚染や健康被害の防止を目指す国際条約。前文で水俣病の教訓に言及、同様の被害を将来発生させないとしている。鉱山での水銀産出から輸出入、使用、廃棄までを包括的に規制しており、具体的には、水銀を含む体温計や電池などの製造、輸出入を2020年までに原則禁止することなどを定めている。13年10月に熊本市で開かれた国際会議で採択され、日本は16年2月に締結。今年8月16日に発効した。
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体質改善、道のり遠く 「働き方改革」棚上げ 電通事件初公判

2017年09月25日 23時30分42秒 | 行政
体質改善、道のり遠く 「働き方改革」棚上げ 電通事件初公判
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 電通の違法残業事件の初公判には社長が出廷し謝罪と反省を述べた。世界的な大企業が新入社員に、過労自殺に至る過酷な労働を強いていた事件は社会の大きな関心を集めた。他企業は対策に追われ、安倍政権も「働き方改革」を加速させた。ただ、長時間労働を習い性にしてきた企業は多く、体質改善に向けた道のりは遠い。臨時国会で関連法案を提出するはずだった政権は衆院解散の方針を固め改革を棚上げした。
 ▽指弾
 「労働者が被った精神的、肉体的疲弊は想像に難くない」「常習的犯行だ」。22日の初公判で検察側は厳しく指弾し、電通の山本敏博(やまもと・としひろ)社長は「労働者を軽んじていた」「責任の重さを痛感している」と硬い表情で反省の言葉を繰り返した。
 山本社長は労働環境改善に向けた決意も示したが、現役社員は「上司に黙って深夜に取引先で仕事をしている人もいる」と"隠れ残業"の実態を明かす。過労自殺した高橋(たかはし)まつりさんの母幸美(ゆきみ)さん(54)は「実行されなければ意味がない」と不信感をあらわにした。
 ▽浸透
 電通事件には「働き方改革」を政策の柱とする政権も厳しい姿勢で臨んだ。社会的にも注目され、企業は長時間労働対策を迫られた。
 引っ越し大手のアートコーポレーション(大阪市)は8月から、引っ越し部門で月末を除く毎週火曜日を原則定休日とした。引っ越し業界で定休日を設けるのは異例だ。広報担当者は「サービスを提供するのは従業員。無理をさせて品質が下がればお客さまに迷惑を掛ける」と意義を強調する。
 サービス残業が横行していたとして、宅配便大手のヤマト運輸も昼休みの確保などの対策を進めるが、社員からは「仕事は減らず、まとまった休憩は取れていない」との声も。電通をはじめ、社員や事業所を多数抱える大企業で改革を浸透させることは容易ではない。
 ▽唐突
 厚生労働省によると、2016年度、過労死と労災認定された人は107人、過労自殺(未遂含む)は84人。全国過労死を考える家族の会の寺西笑子(てらにし・えみこ)代表は「認定は氷山の一角で泣き寝入りしているケースも多い。働く現場は悪くなっている」と話し、一刻も早い改善を求める。
 安倍晋三首相は働き方改革を「最大のチャレンジ」とし、28日召集の臨時国会に関連法案を提出するはずだったが、唐突に衆院解散の方針を固めた。法案は残業時間の上限規制など長時間労働抑制策が柱で、連合の神津里季生(こうづ・りきお)会長は「放置して解散に突っ込むのは極めて問題が大きい」と批判した。
 衆院選の争点には消費税などが浮上しているが、労働問題に詳しい上西充子(うえにし・みつこ)・法政大教授は「争点は首相自ら最重要課題と言っていた働き方改革のはずだ」と指摘。幸美さんも「解散があっても国民は変わらず生きている。どの政権でも改革を継続させてもらいたい」と訴えた。
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出産年齢42%、基準超水銀 NGO、世界25カ国調査

2017年09月25日 23時21分58秒 | 事故事件訴訟
出産年齢42%、基準超水銀 NGO、世界25カ国調査
2017年9月25日 (月)配信共同通信社

 【ジュネーブ共同】水銀の汚染防止に取り組む国際非政府組織(NGO)グループ「IPEN」は24日、世界25カ国の出産可能年齢の女性千人超の毛髪を調査したところ、42%から米環境保護局(EPA)の安全基準を超える水銀を検出したと発表した。石炭火力発電所から排出される水銀や、小規模な金採掘場で用いられている水銀が汚染の主な原因としている。
 IPENは「水銀に関する水俣条約」の第1回締約国会議の開幕に合わせ資料を公表し、こうした汚染をなくす有効な対策を取るよう各国に要請した。
 発表によると、2015~16年に全世界25カ国の18~44歳の女性1044人の毛髪中の水銀濃度を調査。42%から、EPAが脳にダメージを及ぼす基準値としている1PPm以上の水銀を検出した。また55%で胎児の神経に影響するとされる0・58PPm以上を検出した。
 地域別では、トンガ、マーシャル諸島など魚をよく食べる太平洋の島しょ国の女性に水銀濃度の上昇が目立った。IPENは「石炭火力発電所から大気中に排出された水銀が海に入り、食物連鎖により魚の中に高度に濃縮された可能性が高い」としている。
 アジア・アフリカでは、小規模な金採掘場で水銀使用がみられるインドネシア、ケニア、ミャンマーの女性に水銀濃度上昇がみられた。
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「赤い背中の少年」谷口稜曄氏、使命背負い地獄を語り続ける 床擦れで胸の肉腐り、激痛のあまり「殺してくれ」…

2017年09月25日 23時18分18秒 | 原子力
「赤い背中の少年」谷口稜曄氏、使命背負い地獄を語り続ける 床擦れで胸の肉腐り、激痛のあまり「殺してくれ」…産経新聞

1946(昭和21)年1月撮影とされる、原爆で背中に大やけどをした谷口稜曄氏の映像からの写真(長崎市提供)
1946(昭和21)年1月撮影とされる、原爆で背中に大やけどをした谷口稜曄氏の映像からの写真(長崎市提供)

 88歳で亡くなった長崎原爆被災者協議会長の谷口稜曄さんは、原爆投下後の地獄を語ることを「生かされた」者の使命として背負い続けた。命を奪われた約7万人の苦しみや、運動を共にした仲間たちの願いを胸に、自らを奮い立たせながら国内外で体験を伝えた。

 「目をそらさないで」。2010(平成22)年、被爆者代表として出席した米ニューヨークの核拡散防止条約(NPT)再検討会議。各国代表ら約400人の前で「真っ赤な背中」の少年の写真を掲げた。

 昭和20年8月9日、16歳の時、爆心地から1.8キロの路上で郵便配達中、爆風に吹き飛ばされた。熱線で背中は大やけど。入院生活のうち2年近くはうつぶせのまま、床擦れで胸の肉は腐った。「殺してくれ」。激痛のため何度も叫んだ。

 入院中の谷口さんを撮影した米軍のフィルムは45年に発見。その姿は世界に衝撃を与え、取材が殺到。核兵器の恐ろしさを伝えるため20回以上海外に渡り、被爆者の「顔」に。被爆70年の平成27年8月9日、平和祈念式典で壇上に立った。

 式典の後につぶやいた「まだ終わりじゃない」。道半ばのままの核廃絶の悲願は次の世代に託された。
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