遺伝解析、説明手順策定を 突然の疾患原因判明で提言
2017年11月20日 (月)配信共同通信社
がんや難病の患者のゲノム(全遺伝情報)を網羅的に解析して治療法などを探る医療の普及で、別の疾患の原因遺伝子などが突然見つかるケースが想定されるとして、日本人類遺伝学会は神戸市内で18日、医療機関が患者への説明手順を定めておくことなどを求める提言を発表した。
現在、次世代シークエンサーと呼ばれる高速のゲノム解読装置の利用が急速に広がっているが、治療法がない疾患の原因遺伝子が見つかり、本人や医師が対応に苦慮する事態が懸念されている。
提言では、こうした場合、どこまで結果を開示すべきかを決めておく必要があるとし、解析を受ける際に患者から同意を得る手順や、その際の説明方法を定めておくべきだとした。患者には、解析結果の通知を拒否する権利があるとしたほか、遺伝子に変異があった場合などに対応を説明するカウンセリングの充実も求めた。
記者会見で学会理事の高田史男(たかだ・ふみお)・北里大教授は「当たり前のように遺伝子解析を受ける時代がすぐに来る。結果の解釈や扱いには専門的知識が必要で、人材育成も進める必要がある」と話した。
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