日々

穏やかな日々を

Sungkyu Lee 教授のレクチャーより、タバコとオリンピック

2017年11月23日 20時54分48秒 | 運動スポーツ

オリンピックとタバコ、こんな記事が見つかりました。

Sungkyu Lee 教授(漢陽大学大学院)のレクチャーより

◆歴史
1930 年代には、タバコ会社のコマーシャルがオリンピックにつきものであった。
しかし 1980 年代から、これに疑問が呈された。
1988 年 カナダ(カルガリー)冬季オリンピックにて、初めてのタバコのないオ
リンピックが開催された。またタバコ会社によるスポンサーも禁止された。

◆1988-2014 のオリンピックと禁煙
1988 年から 15 回のオリンピックが行われた。この 15 回のオリンピックを以
下の11 のカテゴリーで点数をつける試みがなされた。
「タバコ会社のスポンサーを受けない」「タバコの広告がない」「タバコ製品の
販売やタバコ製品の普及の禁止」「屋内は禁煙」「屋外も禁煙」「オリンピック
村の禁煙」「途中輸送の禁煙」「レストランやバーの禁煙」「専用の喫煙場所」
「反タバコのメッセージの表示」「社会の大規模な反タバコキャンペーン」
15 回のオリンピックすべてで「タバコ会社のスポンサーなし」「限定された喫
煙場所」が
14回で 「社会の大規模な反タバコキャンペーン」
13回で 「屋内禁煙」
12回で「屋外禁煙」
5回で 「レストランとバーの禁煙」「交通手段の禁煙」「反タバコメッセージ
表示」が満たされた。
また 15のチェックポイントのすべてを満たしたオリンピックはなかったが、
2002年のソルトレーク(9)ソチ(9)であった。ソウルオリンピックは4で、
平均 7.4 個達成度であった。

◆オリンピック誘致におけるタバコの無いオリンピック
2010 年 6 月, オリンピックの誘致には、タバコの無いオリンピックが強調され
ることがWHO と IOC の間で同意がなされた。罰則つきの法律の制定が条件となる。


◆タバコ会社にとってのオリンピック
スポーツの祭典はマーケットの大きな機会であり、タバコ会社はありとあらゆる
方法を使ってタバコの無いオリンピックの制定を妨げようとする。スポンサー
シップ、箱型の喫煙場所の設置(無償提供)、メデイアへの働きかけなど。

◆Comprehensive Policy for tobacco free Olympic
オリンピックに関係するすべての場所で喫煙禁止、タバコ会社の広告、スポン
サーの禁止、タバコ会社がオリンピックロゴを使用することも禁止、反タバコ
キャンペーン、反タバコ教育が今後も重要である。

<質疑応答>

Q1 ソウルでのチェックで〇が4つだけだったのはどうして?
まだ早期だったから(カルガリーの次)。次回の 2018 年にはさらに改善したも
のとする必要がある。

Q2 韓国国内での喫煙禁止の法律はどうなっているか?
韓国にも、日本同様、タバコ産業を保護する法律がある。しかし Health 
PromotionActsもあって、その条文のほとんどがタバコに関する条文で占められ
ている(日本の健康増進法とは大きく異なる)屋外は喫煙規制がなく、屋内は喫
煙規制がある。そして罰金も科せられる。しかし残念ながら取り締まるだけのお
金と人員が足らないために、現状では十分に守られていない。

Q3 禁煙の推進にはタバコ価格の値上げも重要だが、韓国ではタバコ価格の再度
の値上げの動きはあるのか?
韓国では昨年タバコ価格が 2 倍に引き上げられた。税収が増えた分で、禁煙政
策を推進している。

Q4 韓国国内での禁煙支援体制はどのようになっているのか
タバコ税を上げた税収で、禁煙支援体制を整備した。韓国国内では従来からのク
イットラインのほかに、17 の禁煙センターを設けて、1 万人のドクターを教育
して、登録したドクターのところではチャンピックスやニコチンパッチは無料で
受け取ることができるようにした。軍隊の禁煙も重要で、軍の医師もこのプログ
ラムに登録されて、チャンピックスやニコチンパッチを兵士に処方して禁煙を促
している。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« IMF、「過労死」問題視 ... | トップ | 高齢化で医療ニーズ変化  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

運動スポーツ」カテゴリの最新記事