担当部活の知識ない教員、ストレス高く 日数は関係なし
2017年11月7日 (火)配信朝日新聞
中学校の教員で「担当する部活動の指導に必要な知識や技術がない」と考える人ほど、ストレスが高い状態であることが、教員の勤務実態調査に基づく専門家の分析で分かった。一方、部活の活動日数とストレスの間に相関関係はみられなかったという。部活の負担軽減は、教員の「働き方改革」のテーマの一つで、分析結果は今後の議論にも影響を与えそうだ。
分析したのは筑波大の笹原信一朗准教授ら。6日にあった中央教育審議会の会議で説明した。文部科学省による昨年度の勤務実態調査は、全国の公立小学校・中学校それぞれ約400校の教員を対象に実施。部活については中学校教員に「あなたは指導可能な知識や技術を備えていると思いますか」と尋ね、その答えと、精神状態に関する質問への回答の関係を調べた。
分析で用いた「K6」というストレス指標は、5点以上で「高ストレス状態」とされ、頭痛などの身体症状や仕事の効率悪化につながる恐れを示すという。知識や技能を「全く備えていない」と答えた層の平均は7点に近く、「あまり備えていない」という層も6点を上回った。一方、「十分備えている」の層だけは5点を下回った。
部活動の日数とストレスの間に相関はなく、笹原准教授は「教員としての専門性が発揮できないことが、強いストレスにつながっている」と指摘する。対策として、教員の代わりに部活を指導する外部指導員らの活用を提案した。
調査では、小中学校とも教諭は平均でK6が5点を超えていた。年代や性別でみると、年齢が若いほどストレスを感じており、男性より女性が強いストレス状態にあることもわかった。(根岸拓朗)
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