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心臓病 細胞除き弁移植 阪大病院成功 男性、拒絶反応回避

2014年10月28日 19時58分10秒 | 仕事
心臓病 細胞除き弁移植 阪大病院成功 男性、拒絶反応回避
毎日新聞社 2014年10月27日(月) 配信

 大阪大病院は27日、生まれつき心臓の弁に異常がある男性会社員(35)=東大阪市=に、細胞を取り除いてコラーゲンなどの「骨格」だけにした他人の弁を移植することに国内で初めて成功したと発表した。他人の細胞を移植すると拒絶反応を起こすが、薬剤などを使って脱細胞化と呼ばれる処理をした。男性は同日中に退院する予定。【斎藤広子、畠山哲郎】

 手術は今月中旬に実施された。執刀した澤芳樹教授らによると、男性はファロー四徴症(しちょうしょう)という病気。肺動脈弁が生まれつき狭く、2歳の時に弁を広げる手術を受けた。弁移植を受けなければ不整脈などで突然死の恐れもあったが、今回の手術で長期間、安定する見通し。

 心臓弁の移植は一般的に、金属で作った機械弁や豚や牛の弁から作る生体弁などの人工弁が使われる。しかし、機械弁は血栓症を起こす危険性が高く、動物の生体弁も移植後5~10年で機能不全になり、何度も手術が必要になるとされる。

 同病院によると、脱細胞化処理により他人の細胞を取り除いた弁を使うと、たんぱく質などから成る骨格の内部に患者自身の細胞が入り込み、自分の組織のようになって長期間の定着が期待できるという。心臓弁の脱細胞化処理はヨーロッパで臨床試験(治験)中で、独ハノーバー大はこれまで120例の手術を実施、最長で12年間再手術せず済んでいる。

 今回使用した弁は直径29ミリ、長さ2センチの円筒形。ドイツの組織保存バンクから弁の提供を受け、ドイツのベンチャー企業が脱細胞化の処理をした。

 患者の男性は同日、病院で記者会見し、「日常生活に支障はなかったが、時々、心臓が苦しくなった。従来の方法では弁を替えるために将来何回も手術を受けなければいけないことに不安があり、新しい方法にかけてみようと思った」と話した。

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