誰かのために生きてこそ幸せ 90代の現役医師白方さん本出版
2022年11月24日 (木)配信大阪日日新聞
90代の現役医師で医療法人社団湯川胃腸病院院長の白方誠彌(しらかたせいや)さん=大阪市天王寺区=が『誰かのために生きてこそ-人生が好転する「利他の精神」』を出版した。「自分さえよければ」という利己的な発想ではなく、他人から感謝される生き方が自分に幸せをもたらすと白方さんが伝える究極の「他人本位」のお勧め本だ。
本書は「祖国の勝利のため」「家族の生活のため」「貧困国の発展のため」など6章で構成。白方さんは九州の宮崎で出生。小学4年のとき、教員をしていた父の仕事の関係で両親ときょうだい7人で満州へ渡った。その後北朝鮮で終戦を迎え北からソ連軍が侵攻してくるなか、九死に一生を得る経験をして帰国した。少年時代には、長男の白方さんが可愛がっていた弟が病で亡くなり、「医師になって人助けをしたい」との思いから猛勉強をして九州大医学部へ入学。
卒業後は脳神経外科医で岩手医科大講師、神戸大医学部助教授として医学の発展に尽力した。さらに院長として淀川キリスト教病院、日本バプテスト病院の経営再建に奔走。開発途上国バングラデシュの医療支援にも携わり、現在もNPO法人「アミティ・バングラデシュ」を立ち上げ40年以上にわたり支援活動を続けている。
戦後の混乱期から復興、高度経済成長期を経て、バブル崩壊、阪神淡路大震災を経験。これら激動の時代を「利他の精神」で生き抜いてきた白方さんは「今の日本の多くの国民が精神的な貧しさを抱えている」と警鐘を鳴らし、「特に気がかりなのが『自分さえよければ』という自己中心的な意識の広がりである。特に若い人には人間は誰かのために生きてこそ、結果として幸せな人生を手にすることができるとの思いを伝えたい」と話している。
幻冬舎メディアコンサルティング、46判200ページ、定価1650円(税込み)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます