大分駅前に「抗原検査センター」開設へ 大分市、来県者や県外出張者ら対象
全国的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大分市は16日、県外からの来訪者への抗原検査をJR大分駅前で実施する方針を明らかにした。県内自治体では初の取り組みで、希望者を対象に月内にも無料で始める。第4波や変異株の広がりが懸念される中、県都の玄関口で水際対策を強化して、市民の安全安心につなげる。
名称は「おおいた抗原検査センター」(仮称)。同市末広町の府内中央口広場にコンテナハウス(約160平方メートル)を設置する。県外からの旅行者やビジネス客らが対象で、出張などで県外に出掛けていた県内在住者も含む。検査は任意で、居住地の分かる身分証や交通機関の切符などの提示を求める。
医師1人、看護師2人、臨床検査技師2人、事務スタッフ10人が常駐し、1日最大千人の検査ができる。15分ほどで陰性、陽性を判定でき、陽性だった場合は市保健所に連絡。精度の高いPCR検査(遺伝子検査)を受けてもらう。
大型連休前の4月下旬から6月末まで2カ月間の稼働を見込む。毎日午前9時から午後10時(受け付けは同9時半まで)に検査が可能。市内外の感染状況で期間延長するという。
事業費は1億5千万円。主な内訳は▽検査キット6万個 7800万円▽医師らの人件費 3600万円―など。市の独自事業として基金を取り崩して財源に充てる。23日の臨時市議会で予算案を提案する。
JR大分駅はバスやタクシーなど多くの公共交通の発着点となる。多数の来県者の検査が見込まれる一方、「強制はできないため、さまざまな予定がある観光客は積極的に利用しない可能性がある」(市保健所)との懸念もある。
今後、各交通機関に協力を要請し、車内や待合所にチラシを置くなど周知を図る。
会見した佐藤樹一郎市長は「県内も少しずつ陽性者が増えており、しっかり警戒していく。県外に由来する感染が広がるのを防ぎたい」と話した。
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