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人気の秘境で5人死亡 「危険理解して」と関係者

2019年11月06日 21時22分02秒 | 事故事件訴訟
人気の秘境で5人死亡 「危険理解して」と関係者
2019年11月5日 (火)配信共同通信社

 富山県の北アルプス・黒部峡谷の山道「下ノ廊下(しものろうか)」で10月、転落事故が5件相次ぎ、5人が死亡した。峡谷に紅葉が映え、秋にだけ通行できる「秘境」として人気だが、険しい岩肌に沿った道は幅が狭く、片側は断崖絶壁の難所。来シーズンも事故が懸念され、関係者は「命の危険が伴う場所と理解し、できれば単独歩行も避けて」と注意を呼び掛けている。
 県警山岳安全課によると、10月、黒部川沿いに続く下ノ廊下では、65歳以上の高齢者3人を含め、山梨県や広島県などから訪れた41~71歳の男女5人が死亡。19~21日に4人が集中し、5人中3人は単独登山だった。下ノ廊下での死亡件数は今年が過去5年で最多だが、詳しい要因は不明だ。
 3千メートル級の立山や剣岳の東側、標高約千メートルに位置する下ノ廊下は、元々登山のためではなく、水力発電所建設のための調査や資材運搬目的で作られた。距離は30キロほどとされ、ごつごつした岩肌をくりぬいた「水平歩道」など、道幅1メートル以下の険しいコース。川底まで100メートルを超す断崖もある。
 「黒部にけがなし」。転落したらけがでは済まないという言葉が残るほど険しい道だが、紅葉やエメラルドグリーンに輝く清流の絶景を求めて、登山客は後を絶たない。
 峡谷の中で山小屋「阿曽原(あぞはら)温泉小屋」を経営する佐々木泉(ささき・いずみ)さん(59)は「会員制交流サイト(SNS)で簡単に写真を共有できるようになり、魅力ばかりが注目されている」と警鐘を鳴らす。
 「装備の軽い人や、足腰の丈夫さを過信している高齢者も目立つ。日暮れまでに小屋にたどり着けない人がほぼ毎日いた」と言い、佐々木さんは小屋のホームページで、昨年から本格的に登山客に注意喚起を始めた。
 一方で、今年の犠牲者には登山経験が豊富な人もいた。山岳安全課の小島昭一(こじま・しょういち)次席は「経験者でも危険な場所と理解し、慎重に歩いてほしい。事故の際にすぐに連絡できるよう、複数で行動することも有効」と話した。
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