症状悪化、家族も憔悴 認知症、周りの理解が鍵 「伝えたい、私たちの経験」
2016年4月22日 (金)配信共同通信社
認知症患者や家族には、避難所生活は厳しいものになりがちだ。症状悪化、周囲の目、蓄積する疲労...。東日本大震災を経験した「認知症の人と家族の会宮城県支部」の蘇武徳典(そぶ・よしすけ)代表(68)は「周囲は、患者だけでなく介護する家族もケアしてほしい」と訴える。避難所内でスペースを分けたり、支援が必要な人向けの福祉避難所設置を急いだりすることも重要だ。
蘇武さんによると、同支部には震災後、「落ち着かず一日中動き回っている」「攻撃的な言動が多くなった。威嚇する」などの相談が多くなった。夜間に避難所を抜け出して徘徊(はいかい)したり、突然奇声を発したりと、従来は見られなかった症状が出たケースもあった。
ある避難所を担当した保健師は「周囲も精神的な余裕がなく、認知症の人を排除する雰囲気になった。家族は迷惑を掛けないよう必死だった」と振り返る。
介護施設も被災して機能しないため、家族は食料配給や自宅の片付けなどの際も四六時中、患者と行動しなければならない。蘇武さんは「家族が憔悴(しょうすい)し、患者の精神状態にも悪影響を及ぼす」。
欠かせないのは周囲の理解と協力だ。大声を上げても不当に責めたりせず、避難所の住民で「見守り隊」を作り、少しでも家族の負担を減らすことが望ましい。蘇武さんは「保健師やヘルパーが不足する中、行政や住民、ボランティアなどの支援団体が垣根を越えて支えてほしい」と話す。
2016年4月22日 (金)配信共同通信社
認知症患者や家族には、避難所生活は厳しいものになりがちだ。症状悪化、周囲の目、蓄積する疲労...。東日本大震災を経験した「認知症の人と家族の会宮城県支部」の蘇武徳典(そぶ・よしすけ)代表(68)は「周囲は、患者だけでなく介護する家族もケアしてほしい」と訴える。避難所内でスペースを分けたり、支援が必要な人向けの福祉避難所設置を急いだりすることも重要だ。
蘇武さんによると、同支部には震災後、「落ち着かず一日中動き回っている」「攻撃的な言動が多くなった。威嚇する」などの相談が多くなった。夜間に避難所を抜け出して徘徊(はいかい)したり、突然奇声を発したりと、従来は見られなかった症状が出たケースもあった。
ある避難所を担当した保健師は「周囲も精神的な余裕がなく、認知症の人を排除する雰囲気になった。家族は迷惑を掛けないよう必死だった」と振り返る。
介護施設も被災して機能しないため、家族は食料配給や自宅の片付けなどの際も四六時中、患者と行動しなければならない。蘇武さんは「家族が憔悴(しょうすい)し、患者の精神状態にも悪影響を及ぼす」。
欠かせないのは周囲の理解と協力だ。大声を上げても不当に責めたりせず、避難所の住民で「見守り隊」を作り、少しでも家族の負担を減らすことが望ましい。蘇武さんは「保健師やヘルパーが不足する中、行政や住民、ボランティアなどの支援団体が垣根を越えて支えてほしい」と話す。