趣味の写真帳

過去に撮影した蒸気機関車から最近撮影した電気機関車まで、鉄道写真が中心ですが時々鉄道以外の話題も...

ブラームスの4番について、雑感

2017-03-20 07:00:00 | 音楽雑記
 久しぶりに音楽雑記のカテゴリーに投稿です。

 高校時代にクラシック音楽通の友人から「是非これを聴け!」と言われたのがこのレコードで、ブラームスの交響曲第4番との初めての出逢いでした。
 ところがこのレコード、会員にならないと手に入らない。あちこちの中古レコード屋を巡って、やっと見つけたシューリヒト/バイエルン放送響の第4番、コンサートホールソサエティ盤です。

 
 随分寂寥とした曲だなぁ、と言うのが第一印象でしたが、聴き込むとだんだんその良さが判ってきて、遂には好きな交響曲第一位(当時)に。中でも一番好きな部分は第二楽章の第二主題です。チェロが奏でるメロディ-は実に美しい!
 ちなみに現在の第一位は勿論ブルックナーの第5番ですが、僅差ですね。(笑)こちらは終楽章の第二主題が一番好きです。


 昔は良く聴いていましたが、最近は時々しか聴いていないNHKFMの「ベストオブクラシック」、3月17日は「オーケストラ注目の公演(5)エルプフィルのブラームス(2)」と題して、ブラームスの交響曲第3番と第4番などが放送されました。
 エルプフィルは正確には北ドイツ放送(NDR)エルプフィルハーモニー管弦楽団と言いますが、初めて聴く名前だなぁと思ったら、昔の北ドイツ放送交響楽団の名前が変わっただけでした。

 その昔にNHKFMをエアチェックしたテープには、ヴァントが指揮した北ドイツ放送交響楽団の演奏でブラームス、ブルックナー、シューベルトの交響曲などが幾つか残っています。
 ドイツには他に南西ドイツ放送交響楽団(南ドイツ交響楽団とも呼ばれていた?)もあり、これは現在のシュツッツガルト放送交響楽団ですね。こちらもチェリビダッケやベームが指揮したベートーベン、ブラームス、ブルックナー、シューベルトの交響曲などが何曲か残っています。

 話が脱線しました。

 当夜エルプフィルを指揮したのはトーマス・ヘンゲルブロックという指揮者でした。不勉強で、この人の名前を聞くのも演奏を聴くのも初めてでしたが...
 前日(3/16)の読売新聞夕刊のサウンズボックスというコラムで、ヘンゲルブロックとNDRエルプフィルの組み合わせによるブラームスの交響曲第3番/第4番のCDが紹介されていました。
 それによると、第4番の交響曲はブラームスが破棄した冒頭の4小節を復活させた演奏であるとのこと。これは聴いてみない訳には行かない、東京に出たついでにでもこのCDを買ってこよう...と思っていたら、翌日、本当にタイミング良くこの放送があったと言う訳です。
 
 で、聴いてみました。
 同じ組み合わせですから、思った通り冒頭の4小節を復活させた演奏でした。(NHKのアナウンサーは、この件については何も解説しないんですね)
 初めて聴いたその冒頭の4小節、フォルテの総奏で開始される和音はベートーヴェンの第1番の交響曲(の冒頭)が脳裏を過ぎりましたが、直ぐに第一主題が始まります。
 非常に短い導入部(序奏)と言えますが、もう少ししっかりした導入部なら未だしも、こんなに短い導入では無い方が良いとブラームス自身も思ったのでしょう。沢山の(導入部の無い)演奏を聴いて刷り込まれた自分の耳にも、やはり無い方が良かったです。

 後から調べて見たら、同じ指揮者とオーケストラによる演奏がYoutubeにアップされていました。
 第一楽章の85小節でクラリネット?が微妙に音を外していますので、この日に放送された演奏とは違うようですが、興味のある方は聴いてみて下さい。
Brahms - Symphony n°4, Op. 98, Thomas Hengelbrock, NDR Elbphilharmonie Orchester


 余談ですが、Youtubeを見ていると第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンは左右に分かれていて、基本的には対向配置ですが、コントラバスが指揮者の正面、管楽器群の奥に居ます。会場はハンブルグのライスハレですが、ホールの広さの関係でこんな配置になったのでしょうかね。また、第一ヴァイオリンの隣がヴィオラですから、一般的な対抗配置とはヴィオラとチェロが逆です。
 FM放送を聴いている時には、コントラバスのピッチカートが左右両方から聞こえてくるのでオーケストラの配置が良く判らなかったのですが、Youtubeを見て納得しました。便利な世の中になりました。


 これまで、随分沢山の指揮者とオーケストラでブラームスの第4番を聴いてきました。
 エアチェックした演奏を調べて見たら、30近くありました。


 ブルックナーの第5番は演奏の細かな違いで好き嫌いが出ますが、この曲は細部には拘らず、どんなテンポ、どんな演奏でも受け入れられますから不思議なものです。
 普段は機関車に拘っている佐倉ですが、景色の良いところに行けば車輌は何でも良い...と言うのと、ちょっと似ていますかね。

 
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父と息子

2016-07-15 07:00:00 | 音楽雑記
 7月10日(日)夜、NHKTVで初めて父親の指揮する姿を見ました。
 父親の名前はネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)です。
 そう、息子の名前は現在N響首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)です。

 以前、拙ブログの記事「またまた5番」で、ブルックナーの交響曲第5番の演奏時間を比較しましたが、原典版で一番早かったのがネーメ・ヤルヴィの演奏でした。
 そんな訳で、以前からどんな指揮者なのか興味があって、CDでしか聴いたことが無かった指揮者の生の演奏(と言っても実況録画)を今回初めて聴いた(見た)次第です。

 演奏された曲は、
  カリンニコフ 交響曲第1番 ト短調
  ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
の2曲でした。

 ベートーヴェンの交響曲第6番、若かりし頃は退屈な曲だと思っていてほとんど聞きませんでした。ベートーヴェンの9曲の交響曲で順位を付けるとすると、自分の中ではいつも最下位でした。(;^ー^A
 でも、今は違います。
 歳を取ってからは、ベートーヴェンの第6番やブラームスの第2番(この曲も昔は4曲の中で最下位でした)を好んで聞くようになりました。
 3歳の孫はセロ弾きのゴーシュのアニメが好きで、第6番をかけると「ゴーシュの音楽」と言っています。(笑)

 閑話休題

 番組の冒頭でネーメはインタビューに答えて、
 ・伝統的なテンポでの演奏
 ・テンポの緩急よりも、良い演奏をすることが重要
 ・私のテンポはその時によって違う、早かったり遅かったりは脈拍次第...
と言うようなことを言っていました。

 とすると、あのブルックナーの快速特急は余程脈拍が速かったときに録音されたものなのか...
 テンポの緩急は演奏の善し悪しに大きく関係すると思いますが、「良い演奏」の意味するところとは何なのか...
などの突っ込みは、まぁ止めといて...

 ベートーヴェンの第6番を指揮するネーメ。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 カリンニコフの交響曲第1番は初めて聞いた曲なので、何とも書きようがありません。
 で、ベートーヴェンの第6番ですが、至ってオーソドックスな演奏でした。あのブルックナーの第5番のような特急列車ではありません。
 演奏時間は40分少しで標準的、聞いていても拙速な感じはなく、ゆったりとした良い演奏だったと思います。

 昔は自分の中で第6番が最下位だったため、CDはおろか、FMをエアチェックした中にもほとんど第6番がありません。(演奏される機会も少ないのかも知れませんが...)
 聴き比べる対象が少ない中で、以前にM.ヤンソンスがバイエルン放送交響楽団とベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行ったときのものが有りましたので、これと聴き比べてみました。
 その結果、演奏時間自体はネーメの方が少し短いのですが、聞いているときのテンポ感覚はヤンソンスの方が速く感じます。不思議なものですね。


 一方、息子の方は主席指揮者ですから、最近頻繁にN響の定期に登場していて、年末にはベートーヴェンの第9番、今年になってブルックナーの第5番が少し前にFMでは実況中継、TVでも録画が放映されていたので、見たり聴いたりしました。
 歳の差を差し引いても、父と息子は顔立ちも違えば音楽も大分印象が違いますね。

 そもそもN響の並べ方からして違います。父は20世紀型で、向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラの順で、コントラバスが右奥という配置でした。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 一方、息子の方はN響の配置を対向型としています。
 向かって左に第一ヴァイオリン、右に第二ヴァイオリン、正面右がヴィオラ、左がチェロ、コントラバスは左奥です。(TV画面をデジタルカメラで撮影)


 ちなみに、比較したヤンソンスも対向型でした。
 最近はブロムシュテットとかティーレマンとか、対向型にする人も多いですね。
 いつも書きますが、オーケストラの配置は対向型の方が面白く、好みです。

 さて、お父さんの方は17日(日)にもN響を振った演奏(シューベルトの未完成など)が放映されるようなので、また見てみたいと思います。
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一昨日は...

2015-12-10 07:00:00 | 音楽雑記
 一昨日、12月8日(火)は日中に写真展を梯子し、夜はサントリーホールでコンサートを楽しんで来ました。

 最初に行ったのは新宿で開催されていた第5回鉄人会写真展、知己2人を含む8人が撮影したヴァラエティに富んだ写真100点余りを堪能して来ました。(この写真展は8日が最終日でした)

 その後は横浜へ行き、みなとみらいギャラリーで開催されている第37回内田良平と閑良屋(ヒマラヤ)会山岳写真展「遙かなる山」を見てきました。
 この写真展にも元勤め先の写真仲間が数点出展しています。


 閑良屋会のメンバーは年配の方が多いとのことですが、全部フィルムで撮影された写真ばかり、しかも135は全く無し、全て120か4×5インチ...
 山登りの装備+撮影機材で35Kgほどの荷物になることもあるとか...
 時々俯瞰撮影で数Kgの機材を背負って数10m~100mほど登りますが、それだけでもうヘトヘトになる自分とはレベルが全然違いますね。
 この写真展は12月14日まで開催されています。


 そして、横浜から連れ合いと待ち合わせている神谷町へ戻って、いざサントリーホールへ...
 服飾メーカーが主催するコンサートのペア招待券が当たったので出かけてきた次第です。

 師走の街はあちこちで電飾が見られましたが、サントリーホール前の広場にも七色に輝くクリスマスツリーが...


 滝の前にはツリーとペアになる星のオブジェが...


 照明器具もカラフルです


 さて、演奏会の中味ですが、出演者は
  指揮:岩村 力     ←異色の経歴ですが、なかなかのエンターテイナー
  ソプラノ:高橋 唯   ←美しい声ですが、ちょっと声量が物足りず...
  テノール:児玉 和弘  ←なかなか良いテノールでした
  マリンバ:塚越 慎子  ←マリンバは体力勝負、スラリとしたスタイルに秘めたパワーは凄い!
  管弦楽:読売日本交響楽団

 演奏された曲目は
  ヴェルディなどのオペラアリア4曲
  伊福部昭:オーケストラとマリンバのための「ラウダ・コンチェルタータ」
  ムソルグスキー:禿山の一夜
  リムスキーコルサコフ:シェエラザード第4楽章、スペイン奇想曲

 オーケストラとマリンバのための「ラウダ・コンチェルタータ」は初めて聴く曲でしたが、既視感(じゃなくて既聴感?)があったのは、「ゴジラ」の映画音楽に似ていたところがあったからでした。
 伊福部昭という作曲家は不勉強で良く知りませんでしたが、映画音楽も沢山書いていて、ゴジラもこの方の作曲でした。道理で...
 名前の通りのマリンバ協奏曲ですが、團伊久磨の夕鶴に似た印象があるかと思えば、春の祭典(ストラビンスキー)の日本版とでも言うような印象もあり、なかなか面白い曲で楽しめました。
 
 ここ何年か、演奏会に行くと言えば決まってブルックナー、と偏食の極みでしたが、たまにはこうして肩肘張らずに聴くポップスコンサートも良いですね。
 そう言えば若い頃に、團伊久磨ポップスコンサート(の公開録画)に良く通った事を思い出しました。あれも読響でした。

 ただ、自分の耳は加齢と共に高周波が聞こえにくくなっており、以前のようにヴァイオリンの音が瑞々しく聞こえなかったのが残念でした。
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バックハウスの動画を見つけた...

2015-04-22 21:46:24 | 音楽雑記
 YouTubeを見ていて、バックハウスの動画を見つけました。
 昨年の1月に公開されたようなので、既にご存知の方も沢山いらっしゃるかも知れませんが...
 演奏しているのはベートーベンの4番のコンチェルト、伴奏はK.ベームが指揮するウィーン交響楽団です。
 実況録音ではなく、スタジオでの録音(録画)ですが、収録日は不明です。
 第3楽章のカデンツァはバックハウス自身の作曲のようです。
Beethoven: Piano Concerto No.4 / Backhaus Böhm Wiener Symphoniker (1967 Stereo)


 バックハウスと言えば、当時はケンプと並んでドイツを代表するピアニスト、いや、当時の世界のピアニストの中でも5本の指に入る巨匠で、鍵盤上の獅子王とも呼ばれた人でした。
 ちなみに、バックハウスもケンプも、ファーストネームはどちらもヴィルヘルムですね。
 高校生の頃には最晩年の実況録音がFMで放送されたこともあり、当時の粗末なFMラジオで、多分今の100倍以上、真剣に聴いたものでした。

 ケンプは日本が好きだったようで、何度も来日していますので、幸いにも実演を聴くチャンスがありました。
 東京文化会館でベートーベンのコンチェルト全曲を二夜にわたって演奏されましたが、そのうちの前半(1~3番)を聴くことが出来ました。
 伴奏は外山雄三の指揮で、オーケストラはN響だったか...
 ケンプは当時すでに70歳を過ぎていたと思いますが、矍鑠とした足取りで、演奏もしっかりとしていた記憶があります。


 ...で、バックハウスの話でした。(^^ゞ

 バックハウスは昭和29年(1954年)に来日しているようですが、当時5歳ですから知る由もありません。
 レコードやFM放送で音は聴いていますが、実際にピアノを弾いている姿を見たことは有りませんでした。
 それがこうして半世紀以上経ってから実際に弾いている姿を見られるとは...考えてもみませんでした。
 そして大好きだった指揮者ベームの往年の姿も見られて、感動ものでした。便利な世の中になったものです。
 
 実は、ベートーベンの4番のコンチェルトは、同じベームの指揮、オーケストラはウイーンフィルで、実況録音をエアチェックしたテープが残っています。
 テープに録音したのは1973年とメモにありますが、演奏されたのはそれよりずっと以前で、自分ではエアチェック出来なかったものを高校時代の友人S君のところでダビングさせて貰ったものです。

 そこで、埃を被ったこのテープを引っ張り出してきて、上のビデオで見たバックハウスの牽いている様子を想像しながら聴いてみました。
 録音はモノラルで、FM放送をアナログ録音(当時は当然デジタルなんて有りません)したものの更にダビングですから、音質は推して知るべしですが...

 最初にコリオラン序曲が演奏され、次の4番のコンチェルトとの間に(柴田南雄さんと思われる声の)解説が入っていて、5月22日のウィーン音楽祭開幕のコンサート、場所は楽友協会大ホールとありました...が、肝心の年が判りません。
 そこで、インターネットでいろいろと調べて見たら、1966年5月22日と判りました。
 当夜のプログラムの最後はベートーベンの交響曲第5番「運命」で、これも同じテープに入っています。

 
 で、4番のコンチェルトですが...
 オーケストラが変われどピアニストと指揮者が同じですから、ほとんど同じ演奏で、第1楽章と第3楽章のカデンツァも同じでした。(完璧に同じかどうかまで聴き分ける耳は持っていませんが...)
 演奏時間を比較して見ましょう。

                第1楽章 (うちカデンツァ)  第2楽章    第3楽章 (うちカデンツァ) 
  ウィーン交響楽団   17’48”(3’03”)       4’32”     10’39”(1’18”)
  ウィーンフィル     17’48”(3’04”)       4’21”     10’26”(1’16”)
 
 第1楽章は全く同じですが、曲が進むにつれてウィーンフィルの方がやや速いテンポになっています。
 これは生演奏ならでは、興が乗って来たためでしょうか...
 第3楽章のカデンツァ出だしでは、オーケストラが鳴り終える前にバックハウスが弾き始めているところからも、そんな風に感じました。

 YouTubeには未だ未だ沢山の貴重な演奏があるようで、発掘するのが楽しみです。


 さて、写真帳なので最後に写真を1枚。
 記事とは全く関係が有りませんが...
 4番のコンチェルトの作品番号にちなんで...
 更に、個人的な感想ですが、第1楽章は何故か春から初夏のイメージがあるので、この写真にしました。(既にHPに掲載済みですが、再スキャンして掲載です)

 陸羽東線 鳴子~中山平 1793レ C58228+C58328 1972年6月10日撮影  

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美しい五月に

2014-05-01 07:00:00 | 音楽雑記
 今日から5月、
 風薫る5月、
 素晴らしく美しい5月...

 Im wunderschonen Monat Mai,
 Als alle Knospen sprangen,

 築堤では全ての蒲公英のつぼみが開いていました。


 ...と言うわけで、シューマンの歌曲集「詩人の恋」から第一曲「美しい五月に」を貼り付けます。

 Youtubeには沢山の動画がアップされていますが、昔から聞き慣れたヘルマン・プライの歌う「詩人の恋」がやはりお気に入りです。(映像と音声が微妙に合っていないような感じもしますが...)
 ピアノ伴奏はレナード・ホカンソンです。

 でも、この動画には「詩人の恋」16曲のうち、最初の6曲が入っているのでちょっと時間が掛かります。
 よって、忙しい方は飛ばして下さい。



 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの「詩人の恋」も素晴らしいのですが、こちらは全曲が入っているので更に時間が掛かります。(ピアノ伴奏は小林道夫)
 よって、忙しい方はこれも飛ばして下さい。




 第一曲「美しい五月に」だけが入っている動画も沢山アップされていて、10数本聞き比べてみましたが、この辺りが良さそうだ、というのを貼り付けてみます。
 独善的な選定基準は、テンポは遅め、高音まで無理なく発声されていること、ドイツ語がハッキリと聴き取れること(特に高音部)などです。
 
 ジョゼ・ヴァン・ダムのバリトン、ピアノ伴奏はマチェイ・ピクルスキで、上の二人のオーソドックスな歌い方に比べると若干クセがありますが、なかなか良い声です。
 こちらは2分弱ですから是非最後まで聞いてみて下さい。




 折角の美しい歌曲の後に拙い写真ですが...蒲公英満開の築堤をもう一枚。

 94レ、EH500-76
 東北本線 黒田原~豊原 2014年4月27日(日)撮影



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サヴァリッシュの訃報に触れて...

2013-02-25 11:29:09 | 音楽雑記
 今朝のNHKニュースで、NHK交響楽団の桂冠名誉指揮者であるW.サヴァリッシュ氏が亡くなった事を知りました。
 好きな指揮者の一人だったので、大変残念です。
 長めの指揮棒でオーケストラの隅々まで細かな指示を行い、非常に精緻な指揮をする人だったという印象があります。

 実演を聞いたのは数回ですが、1973年6月28日にN響を振ったベートーヴェンの9番は合唱が実に上手く、良い演奏でした。
 それから、日付もオーケストラも忘れましたが(スイスロマンド管弦楽団だったか...)、ラヴェルのラ・ヴァルスを正規のプログラムで演奏し、アンコールでもう一度演奏されたことを思い出しました。
 アンコールの方が、オーケストラのメンバーが何だか楽しそうに演奏していて良い演奏だったことを良く覚えています。
 はて、当日のメインは何だったか...ベルリオーズの幻想交響曲だったかなぁ...

 FMをエアチェックしたテープも沢山残っていますが、最初にサヴァリッシュを聞いたのはいつ頃かと思って調べて見たら、1967年にウイーン交響楽団を指揮したシューベルトの6番か、F.グルダがピアノを弾いてN響が伴奏したベートーヴェンの1番のコンチェルト辺りでしょう。
 未だベームもカラヤンもヨッフムも健在で、サヴァリッシュはこれらに続く中堅どころといった感じでしたが、端正な外見や指揮ぶり、(例えは良く無いかも知れませんが)楷書体のようにキチッと構成された音楽が魅力的でした。

 ベートーヴェン、ブルックナー、モーツアルトなど色々な曲の実況録音が50曲ほど残りましたが、その中にご自身でピアノを弾いてN響を指揮をされたモーツアルトの12番(K414)と13番(K415)のコンチェルトがありましたので、これらを聴きながらこの記事を書いています。
 もともとピアニストなのでピアノは上手ですが、なんだか温かくなる、ホッとする演奏です。

 ピアノと言えば...
 N響との共演では、M.ポリーニを独奏者に迎えたブラームスの1番、2番のコンチェルト、同じくE.ギレリスとのブラームスの2番のコンチェルトなどが特に印象深く残っています。

 ドイツ・オーストリア系の偉大な指揮者がまた一人居なくなってしまいました。
 NHKで追悼番組でも組んで、若い頃の指揮ぶりを流して欲しいですね。

 記事とは直接関係ありませんが、写真帳なので写真を一枚...

 鎌倉寿福寺墓所にて、1972年10月29日撮影

 ご冥福を祈って、合掌。
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テープデッキが直ってきた

2011-12-03 22:36:20 | 音楽雑記
 右チャンネルから音が出ず、テープ駆動系の動きも悪くて、もう何年も使っていなかったオープンリールのデッキ...
 一ヶ月ほど前にネットサーフィンをしていて、メーカーで修理が出来そうなことを発見、早速電話で確認して修理を依頼し、この度見事に直って帰ってきました。(^-^)

 このデッキは30年以上も前に購入したものですが、良く直るものだと思います。
 当時の月給には不釣り合いな高価な買い物でしたが、今回の修理費も半端ではなく、購入時の1/3位掛かりました。(^^ゞ
 それでも、400本以上エアチェックしたオープンリールテープを聴くためには、お金には換えられません。

 昔からクラシック音楽が好きでしたが、高校生の頃、友人等の影響もあってFM放送を良く聴くようになり、次第にテープに録り溜めるようになりました。
 エアチェックしたのは全てFMの実況放送もしくはLive録音でした。(レコードはレコードを買えば良かったので)
 ザルツブルグ音楽祭、ベルリン芸術週間、ウイーン芸術週間、バイロイト音楽祭、プラハの春といった海外のコンサートや、N響の定期、来日した演奏家のコンサートなど、聴きたいものは片っ端からエアチェック...
 初期の頃は全てオープンリール、途中からカセットテープも加わって、全部で700本以上にもなりました。

 久しぶりに箱を開けてみたテープは、微かに酢酸の匂いがして懐かしくなりました。
 昔、磁気テープといえばスコッチやBASFが有名でしたが、箱を開けると一種独特の匂いがありました。
 国産品だとSONYやTDK、マクセルでしたが、海外ブランドとはまた違った匂いでした。

 FM放送の録音なので、今のCDやDVDに比べるといかにもアナログといった音で、音質は比べものになりませんが、ベーム、ヨッフム、朝比奈隆、ヴァント、シュタイン、マタチッチ、ハイティンク、マゼール、カラヤン、チェリビダッケ、クーベリック、アバッド、ショルティ、サバリッシュ、インバル、ブロムシュテットといった錚錚たる指揮者達のブルックナーを聞き直せるとなると、ワクワクします。

 音楽を聴いていると、断片的に昔のことを思い出したり、特定の旋律が訳も無く懐かしく感じられたり、時々不思議な感覚に陥ることがあります。
 比較的時間が出来た今、夜な夜な昔のテープを聴きながら思い出に浸ろうかと...
 
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アバッドの5番を聴いて

2011-08-30 20:27:27 | 音楽雑記
 8月27日金曜日の深夜(正確には28日土曜日の午前0時過ぎ)、BSプレミアムで今年のルツェルン音楽祭の模様が放送され、C.アバッドがブルックナーの5番を振っていました。
 これは見ない訳には行きません...と言う訳で、録画してジックリと聞いてみました。


 アバッドの5番は、ウィーンフィルを振ったCDが出ていますが、何故か持っていません。(^^ゞ

 でも、アバッドの5番は聴いたことがあるぞ。
 一つは1993年のザルツブルグ音楽祭でウィーンフィルを振ったもの、もう一つは1998年のベルリン芸術週間でベルリンフィルをふったもの...
 でも、演奏がどうだったか、もうすっかり忘れてしまっている。
 エアチェックしたテープが残っているので、そのうちもう一度聞いてみよう...

 
 そもそも生演奏とCDやレコードは全く別のもの、CDやレコードは繰り返し聞かれることを前提に作っているが、生演奏はその場限りの一発勝負で刹那的。
 これを録音(録画)して根掘り葉掘り聞こうという方が間違っているのは百も承知。
 アインザッツやアンサンブルの細かな乱れがあっても、これは生演奏だからある程度は目を瞑りましょう。(よっぽど酷いのは困るけど)

 この日の演奏もやはりアインザッツやアンサンブルの乱れはありました。
 善く言えば優雅、悪く言えば掴み所のないアバッドの棒の振り方では仕方無いのかも知れません。
 大半は目を瞑れる範囲でしたが、第1楽章第2主題の途中(128小節)で第一ヴァイオリンの中に1小節先走りそうになった奏者が居たのにはビックリでした。(笑)


 映像がついていると音だけ聞いているよりは、やはり臨場感がありますね。
 アバッドというと、若い頃の写真しか記憶に残っていないので、最初に顔を見たときには、
 随分歳をとったなぁ...


 オーボエには日本人らしき女性もいましたね。この人、何処かで見たことあるような気が...

 顎髭を生やしたホルンのトップ?は横顔が格好良い!
 もちろんホルンも上手かったですよ。
 何度かホルンが音がひっくり返っている5番の演奏を聞いていますが、今回は見た目にも?安心して聞けました。(笑)

 でも、つまらないところにも目が行ってしまう...
 ヴィオラ奏者の女性は、演奏しながら余所見して笑ったり...お客さんに知人でも居たのかな?
 コントラバス奏者には随分鼻の高い男性が居たなぁ...

 
 さて、当夜の演奏は...
  
 全体的には良いテンポですが、ゲネラルパウゼはやや短め。もう少し間を置いて欲しいと感じました。
 こまかなクレッシェンドやディミニュエンド、それから弦楽合奏のアクセントなどはアバッド特有のの味付けでしょうかね。
 録音のためなのか実際にそうなのか、弦楽合奏のバランスが悪い部分が散見されましたが、全体としてオーソドックスな演奏で好感が持てました。

 第2楽章のオーボエのリズムは良いですね。弦の3連音符に引っ張られていません。
 第3楽章のトリオ、フルートからヴァイオリンへの下降音の繋がりは、一回目(18~19小節)はイマイチだなぁと思ったら、二回目(104~105小節)は見事に修正してきましたね。
 オーケストラのメンバーも楽しそうに演奏していました。
 
 第4楽章のフーガは、アクセントの付け方からそう感じるのか、力強い演奏ですね。
 でも、コラールはちょっとテンポが早めかな。もう少しゆっくりが好みです。

 再現部、第2主題が戻ってくる所の演出は上手いですね。
 管楽器を前面に出しておいて、鳴り止んだ後の低弦の持続音(396~397小節)を浮かび上がらせ、そのまま第2主題の再現に流れ込む...

 コーダの少し前、550小節からのチェロの旋律がこれ程明確に聞こえた演奏は初体験でした。
 また、コーダの624小節から2小節、金管の音を控え目にしてフルートのラシドシ・ドレミファという旋律を浮き立たせるやり方は、いつか聞いたスクロヴァチェフスキの演奏と通じるものがありました。 

 オーケストラの配置はご覧のように20世紀型です。(左から第1Vn、第2Vn,Vc、Vlaの順、右後方にCb)

 対向型でやる人は少ないなぁ。(嘆)
 対向型で演奏すると、第4楽章のフーガは言うに及ばず、第2主題の呈示は右から(第2Vn)、再現は左から(第1Vn)聞こえて、立体的で良いと思うんだけどなぁ...


 演奏時間は、19分46秒、17分36秒、13分05秒、23分19秒(通して約75分)で極めて平均的、標準的でした。
 演奏時間のバラツキについては下の記事をご覧下さい。
  またまた5番


 演奏終了後、観客席から沢山の花がステージに投げ入れられるのも初めて見ました。
 投げ込まれた花が女性のヴァイオリン奏者に当たって、彼女はビックリしてました。
 楽団員がステージから引き上げた後も、観客の手拍子で呼び出されるアバッドは凄く人気があるんですね。

 (写真はTV画面をデジカメで撮影したものです)
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ブロムシュテットの5番

2010-12-31 07:59:54 | 音楽雑記
   
 鉄道写真をご期待の皆様からは叱られそうですが...頼んでおいたCDが来たので、早速聴いてみた感想を。

 ヘルベルト・ブロムシュテットが今年の5月6日~7日にライプチヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラを振ったブルックナーの第5番(Nowak版)、ライプチヒのゲヴァントハウス大ホールでの実況録音です。(拍手も入っています)
 ジャケットは厚紙製で、最近のCDはCD(コストダウン)なのか、こういうのが多いですね。


 第1楽章が始まるやいなや低弦のピッチカートが左から聞こえてくるようなので、(ホールの残響があるのでちょっと分かりにくいのですが)オーケストラは対向配置であることが予想されました。
 序奏のテンポはゆったりとしていて(メトロノーム記号で言うと四分音符=60程度)、なかなか好ましいですね。
 
 第1楽章全体として、テンポは早めですがバランスは良いです。(演奏時間はやや早めで19分51秒)
 ティンパニのpppもちゃんと聞こえていて、第2主題の冒頭、ティンパニのトレモロが終わって弦のピッチカートが始まるところなどは、遠雷がパッと止んで光が射してきた様で、何とも美しい。

 金管楽器は流石にゲヴァントハウス・オーケストラ、乱れが無いですね。
 でも、再現部の前の金管のコラールはもう少し遅いテンポでも良かったかなぁ。 


 第2楽章冒頭の弦のピッチカートは3連音符ですが、メロディを吹くオーボエがやはり少し弦のリズムに引っ張られて、四分音符が付点四分音符ぎみになっています。
 これは多くの演奏に聴かれることで、そういう物なのかも知れないのですが、やはり3連音符と四分音符のリズムのアンバランスが面白いのであって、もっと厳密に演奏しても良いのでは...と何時も思います。
 少し後、19小節からの弦楽器のアンサンブルではヴァイオリンの8分音符とチェロ+コントラバスの3連音符が、ちゃんとアンバランスに聞こえています。
 全体的なテンポも良く、演奏時間は平均的な17分13秒です。


 第3楽章のテンポも良いですね。ダイナミックでメリハリが効いています。
 スケルツォ(A-B-A’の構成)ですが、中間部(B、189小節以降)がもう少し遅くても良いかなぁ。

 トリオはなかなか綺麗です。
 いつも気になるフルートからヴァイオリンへの下降音の繋ぎ(18~20小節)も見事で、まるで一つの楽器で演奏している様ですね。
 一塊のフレーズの終わり2小節を若干のリタルダンドとしているところもなかなか良いですね。
 第3楽章全体の演奏時間は12分57秒です。


 フィナーレは第1楽章序奏のゆったりとしたテンポに戻って、ゲネラルパウゼの長さも十分で、クラリネットも存在感があります。
 第1主題が始まって、対向配置であることが明確に聴き取れました。ここはやはり対向配置で聴くと面白味が違いますね。

 第2主題、この曲の中でも一番美しいと思う主題ですが、ちょっとモッタリとしていて、第2ヴァイオリンがほんの少し弱いかなぁ。低弦のピッチカートが少し強すぎるかなぁ。
 録音にもよるのでしょうが、対向配置の唯一の欠点は第2ヴァイオリンの音が客席の方に向いて来ない所でしょうかね。

 第3主題も力強くてテンポも良く、ここまでは非常に好感の持てる演奏だと思って聴いていましたが...

 金管のコラールが始まって、今までの好感が一気に崩れ去りました。
 何でこんなにテンポが速いの?? ちょっとバランスが悪過ぎはしませんか???
 ・・・・・

 展開部、222小節から始まるコラール主題のフーガ(と言うのか?)でも、対向配置の面白味が遺憾なく発揮され、チェロ~第2ヴァイオリン~第1ヴァイオリンと、左~右~左と掛け合う様子が実に良いですね。
 展開部では他にも第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの左右の掛け合いもあり、聴いていて飽きません。

 再現部、第1主題はかなり力強い。
 そして自分では第5番の白眉だと思っている第2主題が戻ってくる所は...まぁ普通の感激でした。
 ここをどれだけ上手く聴かせてくれるかで、その演奏の好き嫌いがほとんど決まってしまいますが、これは!と思える演奏に未だ巡り逢えていないのが残念です。

 コーダは流石に金管が素晴らしく圧倒的で燃え上がるよう。総奏の大音量の中でも、624~5小節のフルートも明瞭に聞こえています。

 フィナーレの演奏時間は24分48秒で、全体としては一般的な長さですね。

 
 このCD、第4楽章の金管のコラールのテンポ以外は概ね好みの演奏でした。
 流石に録音が新しいせいか、我が家の貧弱な再生装置で聴いても非常にクリアな音で、楽器の定位やバランスが良いのも好感です。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 


 このCDの解説書を読んでいて...
 そう言えばブロムシュテットがN響を振った演奏がヴィデオ録画してあったなぁ、と思い出し、こっちも早速聴いてみました。
 (録画しっ放しで、ちゃんと聴いていないことがバレバレですね)

 NHK交響楽団を振った演奏は今年の4月21日、サントリーホールでのN響第1672回定期演奏会です。
 ヴィデオで見ると、オーケストラは対向配置でしたね。(^-^)

 写真はN響を振るブロムシュテット(TV画面をデジカメで撮影)


 演奏はゲヴァントハウスとテンポも解釈もほとんど同じですね。
 第1楽章:18分51秒、第2楽章:16分05秒、第3楽章:12分15秒、第4楽章:22分45秒でした。

 全体としては好感が持てますが...問題の第4楽章のコラールは、やはりCDと同じで速いテンポでした。

 
 ここで、いくつかの演奏のコラールのテンポを比較してみました。(最初の4小節の時間をストップウオッチで計測して換算)

 超特急のN.ヤルヴィ/ハーグ・レジデンティ響(5番の最速演奏、第4楽章は19分41秒)は、メトロノーム記号で四分音符=107
 先日の記事に書いたハイティンク/バイエルン放送響は、四分音符=60
 第4楽章が平均的な演奏時間(24分13秒)のウォーレンシュタイン/BBC放送響は、四分音符=74
 第4楽章の演奏時間が最も長い(27分39秒)アイヒホルン/リンツ・ブルックナー響は、四分音符=58
 ブロムシュテットはゲヴァントハウスもN響もほぼ同じで、四分音符=107、何と超特急N.ヤルヴィと同じです。

 ブロムシュテットの演奏は、全体の演奏時間に対して第4楽章のコラールが如何に早いかが分かります。

 ちなみに、私が一番適度と感じるテンポは四分音符=60程度で、これは自分の心拍数とほぼ同じですね。


 色々な演奏の演奏時間を細かく比較してみると、なかなか面白いです。
 5番についてはまだまだ書き留めておきたいことが沢山あるのですが、長くなりましたので今回はこの辺で...






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またまた5番

2010-12-19 12:01:48 | 音楽雑記
   
 
   
 拙ブログで5番と言えば、勿論ブルックナーの事でして...(^^ゞ


 暫く前に、ネット通販で上の二つのCDを入手しました。
 いずれもバイエルン放送交響楽団の演奏、上はハイティンク、下はマゼールが指揮をしています。(マゼールの方はブルックナーの交響曲全集です)

 両方ともライブレコーディングとありますが、ハイティンク盤は拍手無しなのでゲネプロでしょうか?、マゼール盤は拍手が入っているので正真正銘のライブだと思います。


 さて、両方聞いてみての感想ですが...

 先ずはハイティンク盤。
 これは久々に素晴らしい演奏に出会いました。何と言っても、テンポが自分好みです。

 自分が今までに聴いたブル5のCDは50種類以上になりますが、それらの演奏時間を見てみると、
   
 第1楽章は、平均20分49秒、最長23分21秒(チェリビダッケ/ミュンヘンフィル)、最短17分46秒(マーク/都響)
 第2楽章は、平均17分39秒、最長24分37秒(チェリビダッケ/ミュンヘンフィル)、最短11分15秒(N.ヤルヴィ/ハーグ・レジデンティ響)
 第3楽章は、平均13分20秒、最長15分24秒(Marthe/ヨーロピアンフィル)、最短9分9秒(シューリヒト/シュツッツガルト放送響)
 第4楽章は、平均24分13秒、最長27分39秒(アイヒホルン/リンツ・ブルックナー響)、最短18分43秒(クナッパーツブッシュ/ウイーンフィル)ですが、これは改ざん版なので、原典版では19分41秒(N.ヤルヴィ/ハーグ・レジデンティ響)

 4楽章通しての平均は、1時間16分1秒、最長は1時間29分4秒(チェリビダッケ/ミュンヘンフィル)、最短は1時間0分19秒(クナッパーツブッシュ/ウイーンフィル)ですが、原典版では1時間1分49秒(N.ヤルヴィ/ハーグ・レジデンティ響)です。


 さて、このハイティンク盤の演奏時間は、
 第1楽章20分31秒、第2楽章16分7秒、第3楽章13分30秒、第4楽章25分14秒で、全体で1時間15分22秒、ほぼ平均的な演奏時間ですね。
 しかしながら、平均的なテンポだから良いと言っている訳では有りません。
 全体として中庸なテンポで、何よりも各楽章のテンポのバランス、各楽章の中でも序奏や各主題のテンポのバランスが実に心地よいのです。
 むしろもっと遅いテンポの方が好みかも知れませんが、この演奏は兎に角テンポのバランスが良いのです。
 このバランス感覚ならば、全体的に伸び縮みしても受け入れられるでしょう。

 ハイティンクは数年前にウイーンフィルと来日した時の7番の演奏が素晴らしかったのですが、この5番も後世に残る名演だと自分は思います。

 気になるオーケストラの配置は、あまりハッキリとは聞き取れませんが、対向配置(第1ヴァイオリンが左、第2ヴァイオリンが右)の様です。
 5番を聴く時には、オーケストラの配置にも拘りたいのですが、その点でもハイティンク盤がお奨めです。
 第4楽章の第1主題は、コントラバス+チェロ、ビオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンの順でフーガが演奏されますが、右奥から反時計回りに回ってくるよりも、左奥から時計回りに回って最後に左に戻って来る対向配置の方が、聴いていて面白みがあります。
 また、第4楽章の第2主題は、提示部では第2ヴァイオリンが主旋律を受け持っていますが、再現部では第1ヴァイオリンが主旋律、と逆転しています。この辺も対向配置で聴いた方が面白いと思う理由です。


 さて、もう一つのマゼール盤ですが...こちらはちょっと異色の演奏ですね。
 第2楽章が凄く速いテンポで、第3楽章が凄く遅いテンポです。両楽章の演奏時間が拮抗しているのも非常に珍しい演奏です。

 演奏時間は、第1楽章23分9秒、第2楽章15分5秒、第3楽章14分33秒、第4楽章27分7秒、全体で1時間19分54秒です。
 テンポの遅い演奏は嫌いでは有りませんが、これは楽章間のバランスや各フレーズのバランスが好みではなく、自分には非常に違和感のある演奏でした。
 この演奏を実際に生で聴いていたら、もう少し違った印象だったのかも知れませんが、CDとして何度も繰り返して聴く気にはなれない演奏です。

 特に第1・第2楽章が回想される第4楽章の導入部、ここでは途中にクラリネットのソロを挟んで、第1楽章の序奏(1)~第1楽章第1主題(2)~第2楽章の冒頭(3)~第4楽章第1主題(4)~となる訳ですが、(2)と(3)のテンポが自分の中で確立されているテンポ(感)と逆転していて、非常に違和感を感じます。
 ただ、ゲネラルパウゼが十分であるところには好感が持てました。また、遅い演奏は内声部が良く聞こえて、新たなる発見もありますね。

 オーケストラの配置は、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ビオラの様です。(チェロとビオラは反対かも知れません)
 


 ちなみに、マゼール盤はウイーンフィルを振ったものも有るのですが、こちらのテンポにはあまり違和感はありません。

 このCDは1974年の録音、バイエルン放送響のものは1999年の録音で、そこには25年の歳月の流れがあり、マゼールのこの曲に対する解釈が大きく変化したのだと思われます。
 ジャケットのマゼールの写真が若いですね。
 ウイーンフィルの配置は、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ビオラ、チェロの様ですが、録音の古さか音の定位が時々乱れている様に感じます。



 実はハイティンクもウイーンフィルを振っており、下は1988年の録音、上のものは2010年(今年)の録音ですが、ハイティンクはテンポがほとんど変化していません。

 ウイーンフィル盤はバイエルン放送響盤と比較して、第1楽章冒頭(第4楽章冒頭)の低弦のピチカートがゆっくり目で、むしろこの方が好きですが、オーケストラの配置は対向配置ではありません。
 録音は悪くなく、むしろステレオ感は古いウイーンフィルの方が良いようです。


 4つの演奏、各楽章の演奏時間をグラフにしてみました。
 グラフの縦軸が演奏時間で、単位は分です。
 このグラフは単に4つの楽章の比較なので、実際に聴いた時に感じるテンポの感覚とは必ずしも一致していないと思いますが...

 このグラフを見ても、マゼールの演奏が大きく変化(黄色→水色)していることが判ります。
 良く、歳を取ると演奏が遅くなると言われますが、マゼールの場合は当てはまっているのでしょうか...


 手持ちのCDの他に、演奏時間が判っているものを加えて、全部で57の演奏をグラフにしてみました。

 第2楽章は指揮者により相当のバラツキがありますが、第3楽章はバラツキが少なく12分~15分の間が多いですね。
 また、第3楽章から第4楽章へのグラフの傾きは皆同じ様で、第3楽章が速い人は第4楽章も速いと言えますね。

 第2楽章が第1楽章より長い演奏が5つ有りますが、そのうち4つはチェリビダッケで、あとはショルティです。
 また、グラフが下の方に極端に離れているのは、N.ヤルヴィとシューリヒト、クナッパーツブッシュです。


 いろいろな演奏の、各楽章の主題毎のテンポ(演奏時間)なども計測しているのですが、そのうち纏まったらまた書き留めてみたいと思います。

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ブルックナーの5番

2010-01-04 10:41:46 | 音楽雑記
   
 昨年12月、都内で忘年会が開催された日に新宿のレコード店で仕入れてきた3枚のCD、いずれもブルックナーの第5交響曲です。
 このところ、聞きに行く演奏会も、購入するCDもブル5ばかり...

 左上はBenjamin Zanderが指揮するPhilharmonia Orchestraの演奏、
 右上はPhilipe Herrewegheが指揮するOrchestre des Champs-Elyseesの演奏、
 そして下は飯森範親が指揮する山形交響楽団の演奏です。

 お正月になって少し時間が出来たのでやっと開封して見ましたが、Zander盤には下の写真のような、5番の構成を図解した説明書が付いていました。
 良くゴチックの大伽藍に例えられる5番の交響曲、これって、ちょっとしたアイデアですね。



 指揮者のZanderが書いたもので、全体はカテドラルの形を模していて、第1楽章と第4楽章の構成や主題の調性の変化が良く分かります。
 それに比べて、第2楽章と第3楽章は実にあっさりと書かれていますね。
 スケルツォの構成など、もう少し分解して説明した方が良いと思いますが。

 と言うことで、先ずはZander盤を聞いてみました。
 不勉強でこの指揮者のことは全然知りません。CDの解説では、指揮者であると同時に音楽学者でもあるようですね。1939年生まれ、B.ブリテンやホルストの薫陶を受けている様です。

 で、肝心の演奏の方は...独断と偏見でチェックです。

 第1楽章は...うん、序奏のテンポも丁度良いぞ、ゲネラルパウゼも十分の長さがありますね。
 第1主題も心地よく、第2主題のピチカートは綺麗だ。

 でも、聞き進んで行くと、所々にやたらにテンポが早い部分があり、コーダも超特急、前半は良いテンポだと思っていたけど、自分にはちょっとついて行けないスピード違反の部分がありました。
 道理で、演奏時間も19分を切っており、数あるCDの中でも最も早い部類です。

 第2楽章は良いテンポですね。
 出だしのオーボエは弦の3連音符に引っ張られているけど、なかなか綺麗な音色です。
 全体的に良く歌われています。

 第3楽章の12分36秒も平均よりは早めですが、スケルツォはこの程度の早さは許せます。
 トリオのフルートからバイオリンへの下降音の繋ぎも非常に滑らかで好感が持てますが、テンポはもう少し遅めでも良かったかな。

 さて、フィナーレです。
 上の図で、フラッシュバックとある部分、第1楽章の主題などが回想される部分ですが、ここでもゲネラルパウゼの長さは十分で、なかなか好印象です。
 ...が、フーガの第1主題はやはりテンポが速い、ついて行けない。
 第2主題はこんなものかなぁ。
 第3主題もまたまた超スピード。
 コラールは良く鳴っているけど、やはり私にはテンポが少し早めですね。

 展開部も軽快に通り過ぎて、5番で一番好きなところ=再現部の第2主題が戻ってくるところは、それまでが軽快なのでちょっと引き立っていない感じです。
 
 全体として録音(2008年1月)も良いし、テンポの早い軽快な演奏が好きな人にはお薦めかも知れませんね。テンポが早くても、決して細部を蔑ろにした演奏ではありませんから。

 このCDは2枚組で、てっきり1枚目が1,2楽章、2枚目が3,4楽章だと思っていたら、1枚目に全楽章が録音されており、2枚目は指揮者がピアノを弾きながら、オーケストラの演奏も交えて、この交響曲を解説しています。
 残念ながら小生の貧弱な英語力では十分に理解が出来ませんが、なかなか示唆に富んだ解説の様です。

 上の図は、この解説の理解を深めるための図解だったのですね。納得しました。

 
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インバルを聞いてきました

2009-12-02 22:54:31 | 音楽雑記
 昨日~今日と風邪で寝込んでいたため,昨日は更新をサボってしまいました。
 それにも係わらず見に来て頂いた方には申し訳ありませんでした。
 
 38度以上の熱が出て,すわ,インフルエンザかと医者に行って検査しましたが,幸い陰性でした。

 ネタ切れなので,先週行って来たコンサートの話でも...



 東京文化会館へ行ったのは何年ぶりでしょうか、11月24日にE.インバルが指揮する東京都交響楽団でブルックナーの5番を聴いてきました。
 滅多に行かない演奏会、行くのはブル5ばかりなり。(笑)



 インバルという指揮者を初めて聞いたのは多分1987年の終わり頃、フランクフルト放送交響楽団を率いて来日した時の、やはりブルックナーの5番のTV放送でした。
 その時の印象...テンポが良く、なかなか軽快な演奏だなぁ。それと、フランクフルト放送交響楽団には凄い美人がいるなぁ。(笑)

 その後、1996年5月10日のNHK交響楽団の定期演奏会で振った5番も(生では聞いていませんが)TV放送を見たりFM放送で聞いたりして、すっかりインバルファンになり、CDでもフランクフルト放送交響楽団やベルリン放送交響楽団の演奏を聴きました。

 ...が、この日の演奏は昔のイメージから期待していた演奏とはちょっと違った印象でした。それが何処にあるのかが判然としないのですが...

 たまたま1996年のN響定期を録画して有りましたので聞き直してみましたが、この日の演奏と比較してみて、生演奏とCDや放送との違いを置いといても、ちょっと印象が違うなぁ、というのが正直なところでした。
 
 当日の演奏は決して悪い演奏ではなかったと思うのですが、いや、第3楽章のトリオなんか、素晴らしいと思いましたし、この日の都響の弦楽器は、指揮者のコントロールなのか、ピアニッシモが実に綺麗でした。
 金管楽器、特にホルンの出来も悪くなかったし、ティンパニーは一つ一つの音の粒が揃っていなかったりしたけど、随分力が入っていて存在感があり、オーボエもクラリネットもそれぞれ自己主張していて、チェロも要所要所で浮かび上がって良かったし...でも,ちょっと印象が違うんですね。

 一つには、テンポの緩急の幅が広がっているのかなぁ。第1楽章の第3主題は今回随分ゆっくりでした。また、第4楽章の第1主題でも、時々テンポが突然ゆっくりとなるところがあったり...

 この交響曲で一番好きな部分、それは第4楽章の第2主題が戻ってくるところですが、第1主題再現の後半部分がやはりテンポを落としての演奏で、私には多少の違和感がありました。

 印象の違いの一番大きな原因は多分,自分が歳を取ったせいなのでしょう。

 2009年11月24日 都響第689回定期演奏会@東京文化会館 
 2管編成(ホルンは5本)、弦5部の配置は20世紀型(左から第1Vn、第2Vn,Vla、Vc,Cbの順)
 

 
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ブルックナーの交響曲全集

2009-10-17 21:06:16 | 音楽雑記

 たまたまネットサーフィン中に、ブルックナーの交響曲全集のCDを見つけました。ブルックナーの交響曲全集なんて、沢山出ているじゃないか...でも、これにはちょっとビックリしました。第0番から第9番まで10曲(11枚のCD)が入って、何とお値段が税込み1,440円!

 随分安いなぁ!?
 指揮者は? と見ると、Roberto Paternostro? パーテルノストロ? 聞いたこと無いぞ!
 オーケストラは? Wurttembergische Philharmonie Reutlingen? ロイトリンゲンのビュルッテンベルグフィル? これも聞いたこと無いぞ!

 と言うわけで、ブル5コレクター(笑)としては早速楽天に注文、直ぐに届きました。

 Webでこの指揮者を調べてみると、1957年生まれ、スワロフスキーとかドホナーニに師事したようですね。まだまだ指揮者としては若手ですね。オーケストラの方は1945年創立、日本人の飯森範親(この人も聴いたことが無い!)が2001年から常任指揮者の様ですね。...我ながら不勉強を恥じる。 

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 開封して先ず聞いたのは...、もちろん5番ですよ。Haas版、録音は2001年で場所はBasilika Weingarten、ドイツ南部の都市ワインガルテンの教会でLive録音とありますが、拍手が入っていないのでお客さんは居ないのかな。もしかしてゲネプロ?? ワインガルテンという地名からすると美味しいワインが採れるのかなぁ...などと余計なことは考えずに...

 教会での録音なので、もの凄く長い残響。St. Florianで録音されたMarthe/European Philharmonic Orch.(CD)やF.W.メスト/クリーブランド管(NHKBSで放送されたもの)の5番と比べても、勝るとも劣らない残響の長さ。
 残響が長いので必然的にゲネラルパウゼも長くなります。それでも次のフレーズの音に混じってしまい、少し濁った響きのところがありますね。

 第1楽章導入部のチェロとコントラバスのピッチカートは一糸乱れぬアンサンプルなのか、それとも人数が少ないのか?(編成が小さいのか?)安物のヘッドフォンでは分かりにくい...。導入部の総奏も録音がイマイチなのかヘッドフォンのせいか、良く言えば柔らか、悪く言えば籠もった様な音で、モヤッとしてキレが悪い。
 テンポは全体に早からず遅からず。

 第2楽章冒頭のオーボエソロは弦の3連音符に引っ張られて、四分音符が付点四分音符になっている感じ。ここをきちんと四分音符で演奏しているように聞こえる録音はなかなか無いですねぇ。
 第2楽章では指揮者の歌う(と言うか唸る)声も録音されていました。

 オーケストラの配置は、池辺晋一郎(※)言うところの20世紀型配置(左から第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの順)に聞こえます。
 常々感じているのですが、特に第4楽章のフーガを味わうには対向型(第1バイオリンが左手、チェロとビオラを挟んで第2バイオリンが右手、コントラバスは左手奥)の方が絶対に良いと思うのですが、対向型配置で演奏しているCDはあまりないですね。
 話が少し脱線しますが、アーノンクール/ウィーンフィル(CD)は対向型配置のようで、ブロムシュテット/ゲヴァントハウス(TV放送の録画)は対向型でした。ブロムシュテットという人はN響を振る時も対向型の様ですね。

 更に話が脱線しますが、もう30年以上前にムラヴィンスキーがレニングラードフィルを率いて来日した時の配置も対向型でした。東京文化会館でベートーベンの4番とショスタコービッチの5番という豪華な組み合わせのプログラムでしたが、ショスタコービッチを演奏中にちょっとしたハプニングがありビックリしたことを思い出しました。
 どんなハプニングだったかと言うと、指揮の途中でムラヴィンスキーが左手でタキシード(だったと思う)の左襟を立てて横顔を隠す様な仕草を盛んにしていて、見かねたコントラバス奏者の一人が演奏を止め、舞台の左手袖へ消えて行きました。少しすると戻ってきて、それ以降は何事もなかったかの様に演奏は続きました。ムラヴィンスキーは大の写真嫌いと聴いていますので、多分舞台の袖から写真を撮っていたのを嫌い、コントラバス奏者が注意しに行ったのだと思います。対向型配置だったので、左袖に一番近いコントラバス奏者が止めに行ったのですね。

 話を元に戻して...大好きな第4楽章の第2主題はちょっとモッタリした感じですが、再現部で第2主題が戻ってくるところは、なかなか好印象。コーダも盛り上がっています。

 全体として録音は普通、演奏も普通かな。細かい点でσ(^_^)の好みではない部分が沢山有りましたが、まぁ、安かったので仕方ない。
 あと9曲もこの残響だと、聞くのがちょっと後回しになりそうです。

※池辺晋一郎著「オーケストラの読み方」Gakken
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マタチッチのブルックナー5番

2009-01-02 14:41:06 | 音楽雑記
 
 お正月なのでノンビリと、マタチッチの指揮するブルックナーの交響曲第5番,3枚のCDを聞き比べてみました。

 写真の左上がチェコフィルを振った1970年の録音,右上が1967年にN響を振った実況録音,そして下がフランス国立響との1979年の録音です。
 フランス国立響のCDはジャケットの違うものを持っていたのですが,このジャケットに惹かれて購入してしまいました。書籍の様に厚紙の函にプラスチックのCDケースが入っている,CDケースとしては珍しく立派なものです。それだけなら買わなかったのですが、蒸気機関車が写っていたもので...。(笑)

 肝心の演奏ですが,チェコフィルとN響のものは,原典版とは大分楽譜が違っています。悪名高いシャルクの改ざん版とまでは行きませんが,4楽章に2ヶ所の省略(324~352小節,430~457小節)があります。ほぼ同時期の録音なので同じ楽譜を使っているのでしょうかね。

 チェコフィルの演奏では,第4楽章コーダのティンパニー,トライアングル,シンバルの追加や金管の旋律の変更,他にも細かな違い,例えば第4楽章第1主題再現で377小節の最初の4分音符が2分音符で演奏されている,など原典版を聞き慣れた耳には奇異に聞こえます。

 N響の演奏も大体チェコフィルと同じ改ざんです。録音が古い割には意外と良い音ですが,やはり「一部音像が不安定になるところがあります」という注意書きの通り,何カ所かモノラルになっている部分があるのが惜しいところです。
 第1楽章の序奏はかなりゆっくりで私好みですが,全体を通して少しモッタリした部分とインテンポの部分があり,良く言えばメリハリが利いているが,テンポの揺れが大きいですね。軽快な演奏でコーダのテンポは早めです。
 スケルツォのテンポも早め,フィナーレの第1主題のテンポも早め,大好きな第2主題は軽快というよりはやや角張っている感じかな。ライブらしい興の乗ったワクワクする演奏なのですが、如何せん、改ざん版であるのが惜しい!!

 フランス国立響の演奏はほぼ原典版通りですが,第1楽章コーダへのティンパニーの追加など,やはりマタチッチ流の改変がありました。マタチッチという人はティンパニーが好きだと聞いた様な覚えがあります。それから実況録音なので仕方がないのかも知れませんが,所々にアンサンブルの細かな乱れが目立ちました。

 演奏時間を比べてみると、
  N響        :20:42-19:19-12:08-21:38
  チェコフィル   :19:25-18:18-11:50-20:30
  フランス国立響:20:31-18:44-12:33-25:11
1楽章~3楽所は大体同じ時間ですが、4楽章はやはり省略の無い原典版の方が演奏時間が長いですね。 
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ブルックナーの5番/ミスターSの演奏

2008-04-21 22:04:10 | 音楽雑記
   


 薬師寺展のあと、サントリーホールに行ってスクロヴァチェフスキ指揮読売日本交響楽団の演奏によるブルックナーの交響曲第5番を聴いてきました。
 
 サントリーホールに来たのは何年ぶりか...調べてみたら1998年7月26日朝比奈隆指揮大阪フィルのやはりブルックナー5番を聞いて以来ですので、実に10年ぶりでした。この時は天皇陛下も聞きに来ていましたね。
 最後に読売日響を聞いたのは、やはりサントリーホールでもっと前、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスの指揮だったか、これもブルックナーの5番だったと記憶しています。しかし、ブルックナーしか聴きに行っていませんな...。(^^ゞ

 スクロバチェフスキは、高校だったか大学に入ってからだったか、ショパンのコンチェルトのレコードを買って、ルービンシュタインの伴奏に名前を見つけて以来知っている人ですが、生演奏は初めてです。ルービンシュタインの伴奏をした頃は新進気鋭の指揮者だったのでしょうね。その存在を知ってから40年近く経って実演を聞けるとは思ってもいませんでした。

 楽団員が着席し、客席の照明が落ちてコンサートマスターが悠然とあとから一人で出てきて着席し、一段と拍手が高まる中、スクロヴァチェフスキ氏が84歳?とは思えない確固たる足取りで登場しました。
 
 この曲が始まる前はいつもホルンが音をひっくり返さない様、とお祈りです。
 緊張で静まりかえる中、低弦のピッチカートで曲が始まって直ぐ、"('';)ウーン"、ちょっとテンポ早すぎてついて行けないぞ...

 第1楽章提示部の最後、ホルンの3重奏からホルンソロでのオクターブ飛んだ2音(213~236小節)まで、ここは弱音で演奏しなければいけないところで、いつもはらはらする場面ですが、お祈りが通じたか、音がひっくり返ることはありませんでした。(^。^;)ホッ

 第3楽章はオーケストラも良くのっていましたが、トリオのフルートからバイオリンに受け継ぐ下降音(18~20小節)も非常に滑らかで、まるで一つの楽器が演奏しているように聞こえました。

 第4楽章はなかなか良い演奏だったと思います。展開部の縦糸と横糸が複雑に絡み合った音楽から第1主題が戻ってきても、未だ多少の混沌とした感じが無くならず、第2主題が再現される部分(396小節~)、低弦の持続音がピチカートに変わり、その上に第1ヴァイオリンが美しいメロディーを刻んでゆくところで、やっと解放された喜びは、雲間から光が差し込んでくるような清々しい感じで、とても印象深い演奏でした。ただ、コーダの盛り上がりの最中、一瞬オーケストラが停滞するようなところがあったのは何故でしょうか。聞き慣れた演奏とは明らかに異なった表現(なのか楽譜の違いなのか、良く分かりませんが)で、ちょっと戸惑いました。

 キズのないCDやレコードの演奏を聞き慣れてしまうと、生演奏の細かなミスが耳に付きますが、そんな事とは関係なくこの夜の5番はスケールの大きな演奏だったと思います。

 そもそも音楽を文章で表現すること自体が適切では無いのかも知れません。それに輪をかけて語彙の少ない稚拙な文章では、上手く言い表せませんが、まぁ、自分の備忘録として書いた様なものですので、ご容赦を。
 
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